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聖地  |    2023.06.14

天然記念物の森の中にある幻想的な神社「八所宮」

八所宮はあまり知られていないが由緒のある神社

こんにちは。Mediallライターの松尾です。

今回は、福岡県宗像市にある「八所宮」を紹介します。

宗像市と言えば「宗像大社」が知られていますが、この「八所宮」を知っている人は少ないのではないでしょうか。

しかし、地元ではとても有名な神社なんです。

遣唐使も旅の安全を願って訪れたと言われる由緒ある神社で、小早川隆景が太刀を奉納したり、黒田藩も毎回参拝したりするなど、昔から武将の信仰が厚い神社でした。

神武天皇が日向から東征の途中に留まったとも言われています。

休憩なのか宿泊なのかどっちなのでしょうね。

その名の通り、8人の神様をお祀りしていることから「八所宮」と呼ばれています。

祀られているのは4組8名の夫婦神

西暦674年に神武天皇のご神託でこの地に祀られている八所宮ですが、この八所宮の神様は4組のご夫婦なのです。

祀られているのは次のご夫婦。

  • 泥土煮の尊(ういじにのみこと)
  • 砂土煮の尊(すいじにのみこと)
  • 大戸の道の尊(おおとのじのみこと)
  • 大戸の辺の尊(おおとのべのみこと)
  • 面足の尊(おもだるのもこと)
  • 綾かしこねの尊(あやかしこねのみこと)
  • 伊邪那岐の尊(いざなぎのみこと)
  • 伊邪那美の尊(いざなみのみこと)

この4夫婦8名の神を祀っていることから「八所宮」と名付けられたとされています。

夫婦が神様なだけに、夫婦円満や縁結び、安産の神様として有名です。

夫婦の神様なんて珍しいですよね。

約6.5ヘクタールの天然記念物の森の中にある神社

社全体が福岡県の天然記念物に指定されており、手つかずの原生林の中には樹齢数百年を超えるイチイガシや貴重な植物などが生存しています。

とても幻想的な森で、境内の中には市営の弓道場やキャンプ場もある珍しい神社です。

※キャンプ場は一般開放されていません。

また、神社の入り口近くには、五穀豊穣を祈願していたとされる古代祭場なども復元されており、桜やフジが咲くシーズンにはまた違った景色を楽しむことができます。

年に2回、春と秋の早朝に山からの朝日が神殿を照らして鳥居に光が差す日もあり、知る人ぞ知るパワースポットです。

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境内へ続く階段はとても幻想的

一見、山の上にある無人の神社のように見えますが、宮司さんが常駐している大きな神社で、もちろん御朱印もいただけます。

ここから境内までは200mほどの緩やかな石段が続くので、いい運動になりますよ。

一歩足を踏み入れると、参道は森に囲まれ空気が凛としていて、周りより温度が低く感じます。

さすがパワースポットといった感じです。

4つの鳥居をくぐりながら階段を登った先に社殿が現れ、太陽を浴びた社殿がだんだん近づいてきます。

登った先の社殿

年に2回の神殿から鳥居を照らす朝日が見れる日は、このあたりからが良いそうです。

風格のある社殿

境内には社務所と手水舎があり、奥に社殿があります。

社殿のしめ縄が大きくて、存在感がありとても印象的です。

風格のある社殿

実は、八所宮には約600年前に造られた「平和の洪鐘」と呼ばれる鐘があったのですが、天正15年(1587年)豊臣秀吉が島津攻略の際に持ち返り、広島厳島神社に寄進したと言われています。

1984年に八所宮の要望で一旦は戻ってきましたが、秀吉が戦利品として厳島に奉納し、広島県の指定文化財となっていたため、あくまでも貸し出しという形でした。

そのような経緯もあり、2013年に再び鐘は厳島神社に戻されました。

今は実物大の写真だけが飾られています。

平和の鐘

八所宮では夜中に大名行列が行われる

毎年10月の第3土・日には、神の恵みに感謝し、五穀豊穣と無病息災を祈願する神事が行われます。時間は深夜22時から翌日深夜2時。地元では「八所宮のおくんち」と呼ばれています。

土曜日の22時に八所宮を出発し、1キロほど先の仮宮でしばらく休憩して、24時すぎに仮宮から八所宮まで戻ってくるという古式大名行列です。

この暗闇の中を大名行列が通る神事は300年以上の歴史があります。

おすすめは本殿だけではない

現人神社

この八所宮には地元の人にとって、なくてはならないもうひとつの神社があります。

「現人神社」という地元の人からとても厚い信仰を集めている神社です。

境内に続く普段を登る途中、4つ目の鳥居の手前に小さな神社があります。

神直日の神(かんなおひのかみ)と大直日の神(おおなおひのかみ)を祀ってあり、この神様は穢れ(けがれ)を払い、禍(まが)を直す神神とされています。

その昔、腰の痛みに悩む老人が年の数だけ「腰」と言う字を紙に書き、壁に貼って痛みが治ることを祈願したところ、痛みがなくなったそうです。

その逸話から「万病治療や災疫解除の神」として知られており、他県からも参拝にくる人も少なくありません。

たとえば、30歳の腰痛がひどい人なら「腰」という字を紙に30個書き、それを社殿に納め、手前にある石を持ち帰って患部をさすると痛みが和らぐとされています。

確かに、社の壁にたくさん紙が貼ってありますね。

社の壁

おわりに

今回は福岡県宗像市の八所宮を紹介しました。

八所宮は森の中にあり、空気が済んでいてとても気持ちのよい神社なので、ドライブついでにぜひ参拝してみてください。

車で境内の近くまでいけますが、せっかくなら境内の階段を登ったほうが雰囲気を感じられるので、大駐車場(無料)に駐車して登りましょう。

神社の情報

住所:福岡県宗像市吉留3186

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この記事を書いた人

松尾 隆弘

長崎県出身で福岡県在住の九州男児|Webライターとして活動中|福岡県の隠れた魅力をメインに執筆していきます!|少しでも福岡を訪れてくれる人が増えたら嬉しいです|九州は食べ物も美味しくて最高ヽ(^o^)丿

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