地元の人には「定義山(じょうぎさん、またはじょうげさん)」と呼ばれている、仙台市青葉区にある「定義如来西方寺」は、縁結びや安産祈願など、昔から多くの方の心のよりどころとなってきたお寺です。
我が家でも新車購入時の交通安全祈願など、年に数回は参拝に訪れる馴染みのパワースポットです。
定義如来の由来は平安時代にさかのぼる
衰退した平氏の重臣・平貞能(たいらのさだよし)が、源氏の追討から命をかけて守り抜いた阿弥陀如来様を祀ったのがお寺の起源です。
定義の名は、約800年前に落人となってこの地に逃れてきた平貞能が、名前を定義(さだよし)と改めたことから、この地を定義(じょうぎ)と呼ぶようになったといわれています。
東北には岩手県の平泉町など、源平合戦の足跡がいくつか残されていますが、いわゆる歴史の敗者が、こうやって地元の安寧につながっているのも感慨深いものがありますね。
旧本堂は、平貞能のお墓があった場所でもあり、山門をくぐると階段を上った奥に本堂(貞能堂)があります。
旧本堂では、常香炉で身を清めたり、釣鐘を自由に鳴らしたりしながら大勢の方が参拝していました。
旧本堂に向かって右奥には、ご祈祷が行われる大本堂があります。
この日は、安産のシンボルである戌の日でもあり、何本もの安産祈願ののぼりが風になびいていました。
ご祈祷の受付は、大本堂の右手にある寺務所で行います。寺務所の2階は、大本堂への通路もあり、雨天時などに利用できるそうです。
旧本堂(貞能堂)と大本堂の参拝であれば、30分ほどで「定義如来西方寺」の全体を散策できます。
その後に、ぜひ寄っていただきたいのが「定義とうふ店」です。
必ず食べたい!あつあつサックサクの地元グルメ
定義如来の山門から緩い坂道を下りながら、油揚げの香ばしい匂いに引き寄せられて歩いて行くと、左側に「定義とうふ店」があります。
混雑しない平日などは、こちら側の無料駐車場に車を停めるのが便利です。
「三角定義あぶらあげ」は、揚げたて1枚150円(税込み)。他では味わえない厚い油揚げのサクサクとした歯ごたえと風味で、軽く2枚は食べられます。
店内や隣接のテラスエリアには、しょうゆと唐辛子が置いてあるので、お好みの量をかけてをいただきましょう。
小腹が空いたときにおやつ代わりに食べますが、腹持ちが良いのでお腹がいっぱいになりますよ。
店内では、その場で食べられるホロ豆腐(1個:150円 税込み)やお持ち帰り用の三角定義あぶらあげ(1袋4枚入り:600円 税込み)も購入可能です。
油揚げ屋さんの周辺には、焼き飯(味噌焼きおにぎり)や玉こんにゃくがテイクアウトできるお店など、幾つもの飲食店が立ち並んでいます。
まとめ
歴史の教科書で習った、平安末期から鎌倉時代の勝者のストーリーは誰もが知るところですが、その裏側の切なくもたくましい敗者の物語。
仙台にもそんなエピソードを持つお寺があり、私たちの日常にすっかり馴染んでいます。
身近な観光スポットでもある「定義さん」。美味しい油揚げをほおばりながら、歴史ロマンに想いを馳せてみませんか。
定義如来西方寺
〒 989-3213 宮城県仙台市青葉区大倉字上下1
Tel :022-393-2011
FAX :022-393-2013
開門時間:8:00 ~16:15