日本神話のふるさと、島根県にある出雲大社。ひときわ大きなしめ縄と縁結びのご利益で有名な、国内外からの参拝客でいつも賑わっている神社です。
そんな出雲大社の分院が、島根県から遠く離れた埼玉県にあることをご存じでしょうか?
今回は出雲大社「埼玉分院」の成り立ちや魅力をまるっとご紹介します!「縁結びといえば出雲大社だけど、気軽に島根県には行けない…」という関東の皆さまには、特に最後まで読んでいただきたいです。
伝統と新しさを兼ね揃えた境内
出雲大社埼玉分院は、埼玉県南部の朝霞市に鎮座しています。
大きなしめ縄が印象的な社殿は令和2年に建て替えが行われ、外観・内装ともに一新されたそうです。新しい社殿はひのきの香りに包まれ、由緒ある出雲大社の厳かさを保ちつつも現代的なつくりとなっています。
境内はなんと、階段が一切ないバリアフリー設計!歩くのが大変な砂利なども敷かれておらず、体が不自由な人でも気軽に参拝できる工夫が施されています。
近年さまざまな商業施設でバリアフリー化が推し進められていますが、神社には階段や砂利道があることが当たり前だと思っていたので、その斬新さにとても驚かされました。
さらに、新型コロナウイルスの流行とともに「御朱印のオンライン授与」や、あらかじめご祈祷を行ったおふだを自宅に郵送する「郵送祈祷」もスタート。
近隣の人々に寄り添い、時代のニーズに合わせて進化する出雲大社埼玉分院は、この先の時代も地域のシンボルとして愛される神社であり続けるのだろうと思います。
一つの社殿、二つの神社
令和らしい印象を受ける出雲大社埼玉分院ですが、どのような起源や歴史があるのでしょうか。
出雲大社埼玉分院は昭和48年に三宝荒神を祀る「荒船神社」として埼玉の地に誕生し、昭和58年に「出雲大社」よりご祭神、大国主大神の御霊を分けてもらったという経緯から、社殿には二つの神社の神様が祀られています。
「大国主大神は聞いたことがあるけど、三宝荒神って…?」という方のために補足すると、三宝荒神は火と竈(かまど)の神様です。神社だけでなく民家の台所など火を扱う場所に宿るとされており「火災除け」や「商売繁盛」のご利益があるといわれています。
このような経緯があることから、出雲大社埼玉分院では出雲大社だけでなく、荒船神社の縁起物もいただくことができます。
ちなみに、出雲大社のお守りは島根県にあるものと同じデザインとのこと。ぜひ、受けたいご利益に合わせて選んでみてください。
スタイリッシュなオリジナル紋様
出雲大社埼玉分院の境内を歩いていると、絵馬や御朱印帳が置いてあるコーナーをはじめ、いたるところで六角形の紋様を目にします。実はこれ、埼玉分院オリジナルの紋様なのです!
その名も彩玉(さいのたま)。
島根県の出雲大社のご神紋である「二重亀甲剣花菱」とのつながりを表す亀甲の形に沿って雲が描かれているデザインで、令和2年の社殿の建て替えと同時に考案されたとのこと。
私はこの紋様の意味を知ったとき、出雲の地名の由来とされているスサノオノミコトの和歌「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」が思い浮かびました。
伝統を大切にしながらもスタイリッシュに抽象化されたこの紋様が、神社全体をモダンな雰囲気に統一させているのだと感じました。
ひときわ目をひく大きなしめ縄
出雲大社埼玉分院の魅力をいくつかご紹介してきましたが、一番の見どころはなんといってもこの大きなしめ縄ではないでしょうか。
横幅は5m、太さは80cm、重さはなんと200kg以上あり、島根県の出雲大社神楽殿の大しめ縄と同様、島根県飯石郡飯南町にある「大しめなわ創作館」でつくられているとのこと。
大きなご利益をもたらしてくれる出雲大社にふさわしい荘厳なしめ縄ですが、現代ではめずらしく本物の藁で作られているため、数年で古くなってしまうそうです。
埼玉分院では現在、しめ縄を新調するためのクラウドファンディングを行っていますので、ご興味のある方はこちらをチェックしてみてくださいね!
クラウドファンディングの詳細はこちら:https://www.makuake.com/project/izumotaisha_saitama/
今回は、出雲大社埼玉分院をご紹介しました。本記事で紹介したことの他にも多くの魅力がある神社ですので、埼玉に遊びに来た際はぜひ立ち寄ってみてください。
出雲大社「埼玉分院」の情報
住所:〒351-0011 埼玉県朝霞市本町2-20-18
TEL:048-463-3720
アクセス:東武東上線「朝霞駅」南口より徒歩5分
参考文献・参考サイト
出雲大社埼玉分院ホームページ:https://izumotaisha-saitama.com/