埼玉県の南部に位置する越谷市。
首都圏に住んでいる方にとって、もっとも馴染みがある越谷の観光スポットといえば「越谷レイクタウン」でしょうか。
東京のベッドタウンという印象が強く、住みやすい街として名前があがることの多い越谷ですが、旧日光街道の宿場町「越谷宿」として栄えた時代の面影を多く残す町でもあるのです。
今回は越谷の歴史的な側面に焦点をあて、町の魅力をご紹介します。
旧日光街道の「越谷宿」はどんなところ?
旧日光街道は、江戸時代に整備された五街道のひとつです。江戸の日本橋から日光東照宮まで続く街道沿いには、21もの宿場町が設けられていました。
現在、ほとんど昔の面影がなくなってしまった宿場も多くある中、越谷宿には商家や蔵、古民家が現存しており、当時から続くお店も残っています。
その中でも、宿場町らしい街並み形成に一役買っているのが「小泉家住宅」。
明治8年に建てられ、明治38年に起こった大火にも耐え忍んだ立派な土蔵が目をひきます。蔵と家が横並びになっていて街道に面しているので、写真映えもばっちりです。
また、その近くには国の登録有形文化財に指定されている道具屋、「木下半助商店」も。
木下半助商店は江戸時代に創業し、現在の建物は明治時代後期から大正時代に建てられたものだそうです。長い歴史を伺い知ることができる外観です。
120年の歴史を持つ古民家「はかり屋」
街道をしばらく歩いていると目に映るのは、明治38年に建てられたお屋敷、「旧大野邸 秤屋」。
秤屋は2018年よりショップやレストラン、イベントスペースなどを抱える複合施設「はかり屋」として生まれ変わり、今も地域の人々に愛され続けています。
暖簾をくぐると黒い壁の土蔵や石畳の道が現れます。敷地内は重厚感がありつつも、現代の雰囲気とマッチしたモダンなつくりとなっています。
はかり屋にはレストランやティースタンドなどの魅力的なお店が並んでいますが、特に印象的だったのは曜日ごとにお店が変わるクリエイティブスペース「naya」。
私が訪れた日にnayaにお店を構えていたのは、ヴィンテージチェアや北欧のヴィンテージ食器を取り揃えている「Mona Life Tools」。
毎月第4土曜・日曜のみ、nayaにて販売会を行っているとのことです。
見た目がオシャレなだけでなく、座り心地もバツグンなヴィンテージチェア。和室にも洋室にも馴染むデザインです。
テーブルの上には北欧のヴィンテージ食器。日本と北欧は地理的には遠く離れているはずなのに、ちょっぴり懐かしくなるような柄と色づかいですよね。
ぜひ実物を目にして、そのデザイン性と質の高さを感じ取ってみてください。
ランチにおすすめの「CAFE803」
越谷散策に来たなら、ランチのお店は「CAFE803」がおすすめ。旧街道沿いにある古い建物をリノベーションして2016年にオープンしたベーカリーです。
メニューには惣菜パンや菓子パン、モーニングセットやランチセットがあります。
私はクロワッサンと手作りケーキ、ホットコーヒーをいただきました。サクサクのクロワッサンは噛むたびにバターの香りがジュワッと広がり、幸福感に包まれる味でした。
CAFE803にはインフォメーションセンターが併設されており、越谷周辺のイベント情報などの発信の場にもなっています。
越谷で暮らす方はもちろんのこと、街歩きを楽しみたい方にも役立つ情報が集まっているので、ぜひ立ち寄ってみてください。
おみやげには岡埜製菓の和菓子
最後に、越谷の老舗和菓子店「岡埜製菓」をご紹介します。
創業はなんと明治25年。越谷の特産品である「くわい」を使った大福や饅頭が有名なお店です。
くわいは独特のほろ苦さがある冬野菜で、収穫の時期は11月末〜12月にかけて。そのため、名物のくわいを使った和菓子も12月ごろから販売されるそうです。
私が岡埜製菓を訪れたのは11月中旬。まだくわいの時期には少し早かったので、お土産には鹿の子を買って帰りました。
歴史散策なら越谷宿へ!
ご紹介したスポットのほかにも、古くからある商店や蔵が点在し、昔ながらの街並みが残っている越谷宿。
東京都内からのアクセスもよく、越谷駅から旧街道までも徒歩7分程度。週末のおでかけにぴったりですので、歴史散策がお好きな方はぜひ出かけてみてください。
店舗情報
【はかり屋】
住所:埼玉県越谷市越ヶ谷本町8-8
詳細:公式HP
【CAFE803】
住所:埼玉県越谷市越ヶ谷3-3-16
詳細:公式HP
【岡埜製菓】
住所:埼玉県越谷市越ヶ谷本町6-3
詳細:公式Instagram
※ 最新情報は公式HPおよび公式Instagramをご覧ください