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アクティビティ  |    2024.02.19

通り名の数え歌は受け継がれていく|京都を歩く【三条通り編】

「まるたけ、えびすに、おしおいけ〜🎵」

突然ですが、みなさんは好きな「通り」はありますか。
「場所」ではなく「通り」を気にすることってあまりないですよね。

京都の街は、まっすぐ伸びた東西と南北の通りが格子状に交差していて「碁盤の目」と称されます。
それらの通りの中には、かなりの距離が途切れずにまっすぐ伸びているものも。

今回は私の好きな通りの一つ「三条通り」を歩きます。

「通り」を歩くだけで、現代につながる歴史を感じられますよ。
観光で訪れる方もどうぞ参考にしてみて下さい。

通り名の数え歌

まずは本記事の冒頭の話。
これは通り名を覚える「数え歌(わらべ歌)」の出だしです。

歌は「東西の通り」「南北の通り」それぞれありますが、一般的には東西の数え歌のほうがポピュラーな印象。

親から子、子から孫へ、音程や節回しとともに口頭で受け継がれてきました。
(途中の方が音程を外すと、微妙に歌が変わってしまうのも醍醐味ですね)

たとえば「まるたけ、えびすに、おしおいけ」。
北から、丸太町(まるたまち)、竹屋町(たけやちょう)、夷川(えびすがわ)、二条(にじょう)、押小路(おしこうじ)、御池(おいけ)。

これら通り名の頭文字を取って歌詞にしています。

今回はそれに続く「あね『さん』ろっかく、たこにしき〜」の「さん」、つまり「三条」通りを歩きます。

※この地図はあくまで主要な通りをピックアップして書いた簡略版です。

嵐電@西大路三条

今回のスタート地点である西大路三条では、現在も運行する路面電車が見られます。

1970年代までは京都市内をたくさんの路面電車が縦横に走っていたそう。
私の親世代に聞くと、通学・通勤に使っていたとか。

京福電気鉄道が運営する嵐山本線。
四条大宮から京都有数の観光地「嵐山」を結ぶ電車で、「嵐電(らんでん)」の愛称で親しまれています。紫色の車体も京都らしさを感じさせますよね。

では、こちらから東へ向かうとしましょう。

100年以上前から続くパン屋さんをサラッと抜けて、一方通行の細い道を千本通りまで進みます。
すると、My favorite 商店街が登場します。

三条会商店街@千本三条

千本三条から始まる「三条会商店街」。

こちらは千本通りから堀川通りまで東西800mほど続くアーケードの商店街です。
余談ですが、地元民は「会」を抜かして「三条商店街」と呼ぶことがほとんど。

昔ながらの八百屋さん・魚屋さん・肉屋さん・電器屋さんは今も元気に営業中。
その他にもカフェ・パン屋さん・雑貨屋さんなんかが新しくできたりと、新陳代謝も意外にあるのが良いところです。

「昭和、平成、令和」という時代の年輪を感じられるお店の並びがたまりません。

また、アーケード内ではこの商店街への書き下ろしテーマ曲が流れています。
何度か聞いてると頭から離れなくなってしまいますよ。

さらに、道中の三条大宮公園にはこんな取り組みも。

フォトスポットとしてハートのオブジェが登場!
ライトアップされる夜には記念撮影している方をよく見かけます。
細い道を自転車も通るので、撮影の際はくれぐれもご注意を。

後ろ髪をひかれながら「堀川通り」側の出入り口を抜けると、その先は住宅街が広がります。

今回は先を急いで、烏丸通りまで進みましょう。

赤レンガ@烏丸三条

京都駅から北側正面に伸びる南北の通り「烏丸通り」。
オフィスの多いこの通りを横切ってさらに三条通りを進むと、赤レンガ造りの建物が並ぶ光景が。

まず見えてくるのが、中京郵便局。
もとは京都郵便電信局として1902年(明治35年)に建てられ、
現在もその外観を保存しながら利用されています。
1986年に京都市登録有形文化財に指定されました。

何軒か挟んで次は、京都文化博物館「別館」。
もとは日本銀行京都支店として1906年(明治39年)に竣工されたものを今も使用。
1969年に国の重要文化財に指定されています。

これら明治にできた近代建築の優雅さは直で見ると圧巻です。

数百年前にできた寺社や、近代建築、現代の建物、それらの融合も京都の街並みの魅力。

この辺りは三条通り沿いや、そこから南北の通りに少し入ると、老舗の飲食店や洋服屋さんなんかもちらほら出てきます。

さて、さらに先へ進んで左手に「カニ」が見えたら寺町通りです。

アーケードには「三条名店街」の文字が。
実はこちら、先ほど通り過ぎた烏丸通りから既に始まっていて、
河原町通りまで続きます。

こちらも京都最古の商店街の一つ。
創業何百年のお店と、コロナ禍前後で新しくできたお店が平然と並んでいたり。
京都の繁華街にあたるエリアなのでまた違った賑わいです。

池田屋跡@河原町三条

河原町三条の交差点を過ぎて木屋町通りに近づくと、いきなり通り沿いに石碑が現れます。

いわゆる池田屋事件があった旅籠「池田屋」の跡地。
池田屋事件とは、尊王攘夷派志士が新撰組に襲撃された事件ですね。

現在は池田屋は廃業して、跡地が居酒屋チェーン店になっています。
この店舗だけは新撰組のコンセプト居酒屋みたいになっていますので、歴史好きの方はぜひ。

看板には池田屋事件の詳細が載っているので、中に入らなくても楽しめますよ。

木屋町通りの横を流れる高瀬川にかかる三条小橋。
これを渡れば今回のゴールは目の前です。

三条大橋@鴨川

こちらが鴨川にかかる三条大橋。
江戸時代には、日本橋からスタートする「東海道五十三次」の終点の場所でした。

室町時代に架けられたというこの橋、最近まで修繕工事がなされていましたね。
これからも何百年と残っていってほしいものです。

もっとも、鴨川の河原、実は罪人の処刑場だったという暗い歴史も。

前述の池田屋事件を起こした新撰組局長「近藤勇」がそのひとり。
数年後に事件の場所から数十メートルの場所で晒し首にされるとは、夢にも思わなかったことでしょう。

時は流れ、今では老若男女が思い思いに散歩したり休憩したりする場所に。
心温まるエリアになっています。

さあ、橋を渡り切ったところが川端三条の交差点、今回のゴールです。
三条通りはこのまま東へずっと進むと山を越えて山科区へ続いていきます。

おわりに

今回は、東西に伸びる「三条通り」を歩いてみました。

ひとつの通りを何気なく歩くだけでも、さまざまな歴史を感じられた気がします。
寄り道や深掘りをすれば、もっともっとおもしろい場所やお店もあるのですが。

みなさんも観光でお越しになった際には、自分好みの通りを探して歩いてみてはいかがですか。

参考リンク

嵐電(京福電気鉄道):https://www.keifuku.co.jp/randen_timetable.php
三条会商店街:http://sanjokai.kyoto.jp/
京都文化博物館:https://www.bunpaku.or.jp/
三条名店街商店街:http://www.kyoto-sanjo.or.jp/index.html

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この記事を書いた人

𠮷川 ノクオ

シブいお店や観光地を愛する、昭和生まれの関西人。 SEO記事や取材記事などを扱うライターとして活動しています。 主に京都にまつわるヒト・モノ・コトについて、読んで楽しんでもらえるような発信をさせていただきます。

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