Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンがそこにある 応援の循環を作る 地方創生メディア

アート  |    2023.07.24

地域に開かれた緑溢れる美術館「長野県立美術館」

夏の避暑地・長野へ

長野といえば、南北に長く、日本アルプスと呼ばれる山々に囲まれた壮大な自然と、善光寺や松本城などの様々な観光スポットが有名です。蕎麦やおやき、りんご、ぶどうなど名物もたくさん。

今回は、そんな自然豊かな長野県から2021年4月にリニューアルオープンした「長野県立美術館」をご紹介いたします。

ランドスケープ・ミュージアム

長野県立美術館は、1966年に「長野県信濃美術館」として開館し、2021年には本館が新築され「長野県立美術館」へと改称し、現在に至ります。新たな本館の建物は、屋上から善光寺本堂を眺めることができ、城山公園の美しい景色と調和した建物となっています。

長野駅からは、アルピコ交通バス 11系統 善光寺経由 宇木行、16系統 善光寺・若槻団地経由若槻東条行、 17系統善光寺・西条経由若槻東条行で「善光寺北」で下車するか、善光寺行き「びんずる号」で 「善光寺大門」下車(土日祝日は「城山公園前」下車)し、美術館まで歩くルートがおすすめです。あるいは、長野駅から長野電鉄で「善光寺下駅」で下車し、歩くこともできます。

長野県立美術館がある城山公園は、明治33年に大正天皇の御慶事記念のために開設した長野市で最も古い公園です。善光寺に隣接しており、芝生広場からは長野の山々を楽しむことができます。夜はライトアップもされるので、昼と夜でまた少し違った景色を味わってみるのもおすすめです。

東山魁夷の絵に浸る

長野県立美術館の大きな特徴のひとつが、日本画家・東山魁夷から作品と関係図書の寄贈を受け開館した「東山魁夷館」。

東山魁夷は、戦後を代表する日本画家であり、≪道≫や≪光昏≫、≪花明り≫など数多くの傑作を世の送り出しました。皇居宮殿壁画や唐招提寺御影堂障壁画などの大作を手掛けたことから「国民的画家」と呼ばれるようになります。そんな東山魁夷ですが、学生時代に信州へ旅をして以来、山国へよく旅をするようになり、信濃路の自然を描くことが増え、作品の故郷ともいえる長野県への作品の寄贈を決意しました。東山魁夷館の収蔵作品数は、現在970余点に及びます。

東山魁夷の絵の特徴は、「静謐さ」。人や動物が登場しないため、静謐で、かつ幻想的な印象を受けます。

東山魁夷館では、長野の豊かな自然に囲まれながら、東山魁夷の作品の世界をゆっくりと味わうことができることが最大の魅力。

見どころは、展示されている作品だけでなく、その建築にもあります。東山魁夷館の設計は、谷口吉生。設計にあたって考えたことは、「展示作品の額縁になるような建築にする」という方針だったそう。

東山魁夷館で特に印象的だった場所は、中庭に面したラウンジ。ラウンジからはガラス越しに池を眺めることができ、展示を見たあとに作品に思いを馳せながら椅子に座ってゆっくりとした時間を過ごすことができます。

地域に開かれた美術館

長野県立美術館の出口を出ると、広場では野外彫刻を眺める人、ベンチでお昼を楽しむ人、ベビーカーを押して子ども連れで遊んでいる人、近所の子どもたちなどたくさんの人がそれぞれの時間を楽しんでいました。ただ「美術」を楽しむためだけの場所ではなく、地域の人々の交流が生まれるスペースになっている「長野県立美術館」、ぜひ訪れてみませんか。

長野県立美術館

  • 〒380-0801 長野市箱清水1-4-4
  • (城山公園内・善光寺東隣)
  • TEL 050-5542-8600(ハローダイヤル)FAX 026-232-0050

アクセス情報・利用案内

  • ①JR長野駅善光寺口バス乗り場①から、アルピコ交通バス 11系統 善光寺経由 宇木行、16系統 善光寺・若槻団地経由若槻東条行、 17系統善光寺・西条経由若槻東条行で「善光寺北」下車 (所要 時間約15分)。バス進行方向徒歩約3分。
  • ②JR長野駅善光寺口バス乗り場①から善光寺行き「びんずる号」で 「善光寺大門」下車(所要時間約13分)、表参道を善光寺本堂方向に歩き、本堂を右方向、城山公園へ 徒歩約10分。
    土日祝日は「城山公園前」下車。
  • ③長野電鉄「善光寺下駅」下車、城山公園へ徒歩約15分。
  • 開館時間:美術館  開館9:00  閉館17:00(展示室入場は16:30まで) 
  • (屋上広場 原則として、夜間及び休館日は閉鎖します)
  • 休館日:毎週水曜日 (原則、水曜日が祝日の場合は翌平日) 年末年始 (12/28~1/3)
  • (令和5年度の休館日はホームページのカレンダーでご確認ください。)

記事をシェアする

この記事を書いた人

tumugi

エッセイとアート記事を書く人

関連記事