愛媛県松山市で「幸せな大人を増やす」べく、創作やイベントなどの活動を継続しているいち咲さん。
いち咲さんの周りに集まる方は笑顔になったり気づきを得たりするため、いち咲さんをきっかけに幸せの輪が広がり続けています。
後編では、いち咲さんが今考えていること、今後の夢などを紹介します。
いち咲さんはどうして松山に?

「当時、バイオ系と生物系のどちらかの分野で研究等をやっていきたかったので、両方学べる愛媛大学農学部を選択しました。
しかし、実験し論文を書くのが楽しいわけじゃないと大学で気づきました。
居酒屋のアルバイトなどを通し、人と接する方が性に合っているなと」
幸せな大人を増やそうと思ったきっかけは?

「海外を旅したときに、日本より貧困な国でも、子どもも大人もめっちゃ笑顔だったんです。
『これはなんだ?』と衝撃を受けました。
出発するときは気づかなかったけど、帰ってきて電車に乗ると、なんかどよんとしてるな、大人が楽しんでないなと。
大人が楽しむっていう視点を持つのが大事だと思い、20代〜30代のときはイベントや講演会をやっていました。

大学生のときから自分で曲を作って歌ってもいたんですけど、1曲聴いてもらわないと自分の思いを伝えられませんでした。
だから、習ったことはないけど字がいいなと。
アート作品の「1024+1→」は数字で表現しているので、言語の壁を超えて伝わるなとも思っています。
戦争が始まったときは、ウクライナやロシアをモチーフとした作品も作りました。世界平和の祈りも込めています」
3年間毎日インスタグラムで投稿するのはすごいですね!

「すごい人になるには、2パターンあると思います。イチロー選手と大谷選手とかはすごい才能があるタイプ。
もう一方は、誰でもできるんだけど、誰にもできないぐらいやり続けられるタイプ。
私の場合は後者の方なので、3年間言葉とメッセージを書いてインスタグラムで毎日投稿しようと。オリジナルの他、有名な方や身近な方の造語などがベースです。
1,000回ぐらい投稿したうちの100個が開運おみくじになってます。
未経験でもお客さんから依頼されたことは頑張ってやっていく中で、次第に表現の幅が広がり、結果として今があります。
降りてきているというよりも、こういうものを伝えたいと思ってから作品にしていく感じです」
これからやりたいことは?

「一つは、本や作品集を出すことです。
ただ、自分は何を伝えられるかなみたいなことを考えるんですよね。
本で書きたいことは幸せな大人に関することだけど、手に取ってくれた人が、買ってよかったなと思うスタイルって何だろうと。
本って、買ったけど読まないこともあるじゃないですか。一石四鳥や一石五鳥を目指したいんです。
作品と説明文で構成するスタイルのほか、思いを書いたりポストカードとして使えたりするのも1つの方法でしょう。あとは、日めくりカレンダーとして使えるものもいいなと」

「アートの分野では、『何が言いたいんだろう』と見た人に考えてもらえるなぞなぞアートを作りたいです。説明を読んで『なるほどな』って思ってもらうのが1つのスタイルかなと。
売上は全部寄付でいいと思っているのが絵本の制作で、原作がすでにあります。
いろいろやりたいことはありますが、時間がなさすぎるので、今年は特に書のパフォーマンスで飛び抜けたいと思っています」
どのように仕事と向き合っていますか?

「幸せな大人を増やすことがテーマなので、幸せに関するYouTubeを聴いて「幸せって何なんかな?」と考えながら作品を作ったり、練習したりしてますね。
『幸せな人って幸せとはって考えてないよね』と言ってる人から気づきを得るなど、常に勉強してますね。
実は書道って、瞬発力が大事って言われたんです。
『あなたは瞬発力があるから書がいいと思うよ』と書家になるために習いに行っていたとき、言ってもらったことがあります。
書イコール瞬発力というイメージがなかったので意外でした。書のパフォーマンスで一気に書くとき、素が出るからごまかしがきかないんです。
ただ、素の部分に人って惹かれるんだなとアートをやっていると思うんです」
うまく書こうとせず心のままに書くのが大事?

「そうですね。
書のパフォーマンスで一気に完成度の高い作品に仕上げるには、基本と一定のレベルが必要です。
書くぞという姿勢よりも、書かされている意識でする方が、気も楽でいい作品ができますね。
デジタルアートは書き直せるので完成度が高いですが、一発で完成させる書のパフォーマンスは独特の魅力があり、今後価値が高まると思っています」
5年後10年後はどうなっていたいですか?

「武田双雲さんみたいにアート中心で生きていたり、政治が変わっていたりすると嬉しいですね。
アートに絡めて、何をやりたいのかを見つけるワークショップもしたいです。
イベントなどで盛り上がっても、やりたいことって忘れるケースが多いですよね笑
なので、やりたいことの見つけ方に関するワークをしつつ、浮かび上がった言葉を自分でアート作品にし、身近なところに飾っておいてもらいます。自分の中から見つけ出した言葉と作品を毎日見ると、自分で書いた言葉に影響され、実現するために行動できるようになるでしょう。
『やりたいことがみつかった』と言ってもらえると嬉しいので」
編集後記:仕事は楽しくてステキなもの

「いち咲さんから話を聞かせてもらう中で、「この方は本気で大人を幸せにしたいんだな」と感じました。
いち咲さん自身が100%人生・仕事を楽しんでおり、前向きな言葉のみを使っていたためです。
政治家になりたかったといういち咲さんは「やっていることの本質は世の中を良くすること、世直しですね」と言います。
「大人を幸せにする」いち咲さんの活動は本当にステキなため、心から応援したくなります。
現在美術館などで作品やいち咲さんと接すると、自分の人生を幸せにするきっかけになるでしょう。