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アート  |    2023.08.12

まるで絵本の世界「北鎌倉 葉祥明美術館」

夏にぴったりの北鎌倉の美術館

夏が近づくとついまた行きたくなってしまう美術館というものがあります。今回ご紹介するのは、北鎌倉にある「北鎌倉 葉祥明美術館」。北鎌倉 葉祥明美術館は、絵本作家で画家、詩人である葉祥明(ようしょうめい)の作品のみを展示した個人美術館です。夏にぴったりの北鎌倉で、葉祥明の世界に浸ってみませんか。

葉祥明の絵本の世界へ

北鎌倉 葉祥明美術館は、アジサイが有名な明月院や円覚寺など、歴史と伝統ある北鎌倉に1991年に開館しました。美術館へは東京から電車で1時間ほど。JR横須賀線の北鎌倉駅から徒歩7分ほどの場所にあります。

美術館の魅力のひとつはその外観です。まるで絵本の世界から飛び出してきたかのような建物は、葉祥明本人によって設計されたもの。画家で詩人の父親と、その母親、10歳のリラちゃん、5歳のクロード君の4人家族がかつて暮らしていた洋館というコンセプトで設計されました。

ヨーロッパ風のレンガ造りの建物と正面の庭園は、まるで海外旅行に来たかのような気分を味わうことができますよ。庭園では季節ごとにバラやアジサイなどの花々が花を咲かせます。「北鎌倉の葉祥明美術館は、それ自体が1冊の美しい『絵本』です」と葉祥明自身が述べているように、美術館の建物からも葉祥明の絵本の世界観を感じます。

まるで友人の家に遊びに来たかのような癒しの空間

建物の中は本当にそこで家族が生活していたかのような雰囲気。1階が企画展示室、2階はそれぞれお父さんの書斎、リラの部屋、クロードの部屋とあり、まるで「友人のお家に遊びに行く」ようなリラックスした気分で訪れることができます。

美術館というと、大抵の美術館では立って作品を眺めますよね。美術館という雰囲気はつい緊張してしまう、疲れてしまうという方も多いのではないでしょうか。北鎌倉 葉祥明美術館では、館内のソファーに座ってゆっくりと葉祥明の絵本を読むことができます。

また、館内の照明や家具もそれぞれのお部屋に合ったものが置かれています。可愛らしいシャンデリアや家具、調度品にもぜひ注目してみてくださいね。

展示室には、この美術館を訪れたお客さんが自由に感想を記入した「感想ノート」が置かれています。このノートは開館当時から書き綴られてきたノートで、B5サイズのノートが150冊以上を数えるまでになったんだそう。様々な人に愛されている美術館だということが伝わってきますね。

空気を描く絵本作家

葉祥明は、もともとファッションイラストレーターを目指していましたが、絵本作家の谷内こうたの作品を目にしたことで、絵本の制作を始めました。1973年に絵本『ぼくの べんちに しろいとり』で絵本作家としてデビューし、アンパンマンの作者であるやなせたかしに見出され、活躍の場を広げます。

葉祥明の絵画の特徴は、広々とした緑の草原と透明感あふれる青空、そしてぽつんと描かれた家や木、人、動物たち。やなせたかしは葉祥明の画風を「空気を描く」と表現したそう。

北鎌倉 葉祥明美術館では、これらの原画である作品を常時約80点展示しており、1階では常設展示、2階では四季折々の作品を楽しむことができます。

夏の北鎌倉へ

北鎌倉 葉祥明美術館は、日常から離れてゆっくりと絵本の世界に浸ることのできる癒しの空間です。この夏は古都・北鎌倉で葉祥明の世界を楽しんでみませんか。

美術館の情報

北鎌倉 葉祥明美術館
住所:〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内318-4
電話:0467-24-4860
FAX: 0467-24-6536
営業時間: 10:00〜17:00
入館料: 大人 ¥600 小人 ¥300
電車:JR横須賀線・北鎌倉駅下車 徒歩7分
年間スケジュールはカレンダーからご確認ください

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この記事を書いた人

tumugi

エッセイとアート記事を書く人

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