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アート  |    2025.01.21

現代アートやワークショップ、カフェが楽しめる「大久保分校スタートアップミュージアム」|栃木県足利市

栃木県足利市にある「大久保分校スタートアップミュージアム」。2004年まで小学校の分校として使われていた建物を改装し、2022年にオープンしたミュージアムです。
現代アーティストの作品展をはじめ、ワークショップやカフェも楽しめる、魅力満載の施設についてご紹介します。

小学校の面影が残る空間

入口から入ると、かつては下駄箱として使われていたであろう靴入れが並びます。
懐かしい感情に浸りながら進むと、「分1(BUNICHI)」「分2(BUNNI)」「分3(BUNSAN)」と名づけられた3つの教室があります。教室に並ぶ黒板や廊下の水道など、分校時代の面影が残る設備も見どころです。

買い物も楽しめる「大久保茶館」

「分1」の教室には、足利のお菓子が味わえるカフェと、現代アート作家の作品が購入できるミュージアムショップがあります。
カフェメニューは、足利市出身の飲食店経営者が監修したものです。校庭が見渡せるカウンターと、木のぬくもりを感じるテーブル席が用意されています。

筆者がいただいたのは「緑茶と和菓子セット」。新進気鋭のアーティスト・浅野暢晴さんが作った、個性的な器でいただきます。

訪問時の和菓子は、足利市の老舗店「ふくしまや」のものでした。生姜風味のホワイトチョコレートを白餡でくるみ、けしの実をまぶした和菓子です。緑茶との相性がとてもよく、リラックスした時間が過ごせました。

ミュージアムショップには、現代アーティストやミュージアムのオリジナルグッズが並びます。ポストカードやハンカチ、トートバッグなど、気軽に購入できる商品もたくさん。お気に入りのアートを身に付けてみるのもいいですね。

現代アート作品を堪能

「分2」の教室では、年間約6本の展示が行われます。訪問時に開催されていたのは、4人の作家による「ポートレート展」。現代アーティストがさまざまな技法で表現するポートレート(肖像)は、どれも見ごたえがありますよ。

まず目についたのは、県内で活動するアーティスト、河邉ありささんの作品。ポリエステルオーガンジーという生地に印刷された人物写真に刺繍を加え、アート作品に仕上げています。色の違う糸を何本も使用した繊細な作品からは、人物の声が聴こえてくるかのよう。遠くで見ても、近くで見ても楽しめる作品だと感じました。

廊下一面に並ぶ女性たちは、ミュージアムのディレクターでもある秋山佳奈子さんの作品。派手で艶のある「バニーガール」をテーマに、さまざまなポーズをとった女性たちが並んでいます。彼女たちが何を考え、何を想うのか、想像しながら鑑賞させていただきました。

ワークショップでアート体験

「分3」の教室は、「つくりえ」と呼ばれるアート工房。SURIMACCAというツールを利用して、シルクスクリーンの制作ができます。自分で描いたイラストや用意されたデザインを、Tシャツ・トートバッグ・巾着などにプリントできますよ。

つくりえでの制作は、難しい作業を省いた楽しいものに設定。独自のデジタル製版を採用し、下準備の時間を短く設定しています。初めてワークショップを行う方や小さな子供でも、楽しんで制作できますよ。

ミュージアム開館日は、基本的に予約なしでも体験できるそうです。気軽に制作できる体験ワークショップと、本格的に作れる自由制作があります。

子供も楽しめる工夫が満載

「子連れでもアートを楽しみたい」という方にも、大久保分校アートミュージアムはおすすめです。館内には、子供が楽しめるアートも用意されています。
石灰岩を使った作品「笑顔でいると幸せになる」は、彫刻家の浅川洋行さんによるもの。作品の上部にビー玉を入れると、コロコロと転がっていく様子が楽しめます。

ビー玉を用いたアートは、館内随所に設置されています。校庭にもビー玉アートをはじめ、彫刻家・明田一久さんの大きな作品があり、写真撮影をして楽しむことが可能。スタッフの皆さんも「気軽に子連れで遊びに来てください」と仰っていました。

地域への貢献も行っている

大久保分校アートミュージアムが行っているのは、ミュージアム運営だけではありません。学校や地域で出張ワークショップを開催したり、学校単位での館内見学を受け入れたりと、多くの活動を実施しています。また、美術大学にて指導経験のあるスタッフが、図工の授業に対してアドバイスするなど、学校との連携も行っています。

地域の方と助け合いながら運営をしているのも特徴。校庭の整備は、近隣の地域の方々に手伝っていただいているそうです。交流拠点として、ときには地域の施設と連携して、イベントを開催しています。

県内の人々はもちろん、足利市に隣接する群馬県から訪れる方も多いのだとか。足利の人気観光地「あしかがフラワーパーク」からも車ですぐ近くなので、観光予定に組み込みやすいのも魅力です。

大人も子供も楽しめる、現代アートのミュージアム。開館は金・土・日・祝日なので、週末にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

施設情報

大久保分校スタートアップミュージアム
住所:〒326-0012 栃木県足利市大久保町126
電話:0284-22-7868
営業時間:10:00〜17:00
開館日:金・土・日・祝日(月・木曜日は予約制で工房使用可)
閉館日:火・水・年末年始
駐車場:あり
公式サイト:https://okubomuseum.com/

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この記事を書いた人

島 六実

栃木県生まれ、栃木県育ちのライター兼3歳男児の母。2022年にフリーランスとして独立し、グルメや旅行、育児などライフスタイルに関する記事を執筆しています。栃木県の魅力を全国の皆さんにお伝えすべく、Mediallのライターとして活動を始めました。

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