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フード  |    2025.07.25

古き良き氷屋のかき氷、一杯¥250|徳島県鳴門市

徳島県鳴門市の「うずしお公園」付近にある『氷』の看板。その看板を辿った先に『上田食品』がある。江戸時代からこんにゃくを売っていた上田食品。夏はこんにゃくが売れず、何か売れる物はないかと目を付けたのが氷の商いの始まりだった。氷屋を努めて50年以上、現在も業務用氷を配達している。副収入として始めた夏季限定のかき氷は、今では上田食品の看板商品となっている。

上田食品のかき氷は、夏の間限定で販売されている。かき氷を売り始める日は特に決めておらず、「かき氷が食べたくなる気温になったら」売り始めるそうだ。ちなみに、今年(2025年)は5月初めから売り出したそう。

上田食品のかき氷メニューの一部

上田食品のかき氷

かき氷の定番、いちご味やハワイアンブルー味に加え、マンゴー、グレープ、青りんご味なども選べる。どれでも一杯¥250(2025年7月現在、トッピングによって追加料金有り)というお手頃な値段だが、ボリュームたっぷりだ。厳しい暑さで汗ばむ身体を冷やすのに丁度良い。

シロップだけでは物足りないと思うのであれば、抹茶ミルク金時かき氷がおすすめ。抹茶、練乳、あずきの組み合わせに間違いは無い。

もう一つおすすめしたいのが、コーヒーミルクかき氷。子供のおやつに付き合う大人にも嬉しい味なので、親子でかき氷を楽しむことができる。

今年は子供の日にちなんで、いろいろな味が一気に楽しめる「カラフルポップかき氷」を期間限定で販売した。子供たちに人気なため、子供の日が過ぎてもメニューはそのまま。昔懐かしい「パチパチ」お菓子入りで、子供たちは大喜び。

上田食品のかき氷はその場で食べても良し、持ち帰りも可能。お店の中にはテーブル席が用意されており、お店で食べるとガラスの器にかき氷をたっぷり盛って、ステンレスのスプーンを渡されるのも嬉しい。各テーブルにティッシュとゴミ箱が用意されている所も気が利いている。

抹茶ミルク金時かき氷

意外と知らない氷の話

上田さんから聞いた氷のお話。氷は風が無ければ簡単に溶けることはなく、氷の配達時は、風が当たらないように氷を包み、常温で配達しているそう。氷は冷凍庫でなければすぐに溶けてしまうと思ったが、実はそうではなかった。家に帰った後実験してみた。二つの器に氷を入れ、片方にはラップをかける。もう片方はそのまま。二つとも常温に置いておくと、確かにラップがかかっている方の氷はなかなか溶けない。

簡単に冷蔵庫の製氷機で氷を作ったり、コンビニで氷を買ったりできる時代。それでも、氷屋で買う氷は少し違う。じっくり時間をかけて作る氷は透明度が高く、溶けにくいのが特徴。氷屋で氷を販売する時は、1貫、2貫と言う単位で売る。上田食品の場合、100円単位で砕氷(かちわり)の購入も可能。大きい氷の固まりを扱うのに、道具も様々だ。機械で氷を切断したり、のこぎりなどを使用したりする。その道具の一部を見せてもらい、上田食品の氷に対するこだわりを感じた。

ちなみに、かき氷に使う氷は、カチコチに冷凍された氷よりも少々溶けている方がふわふわした氷ができる。なので、上田食品のかき氷用の氷は冷凍ではなく、冷蔵庫で保存している。少し溶かしてから削った氷はやわらかく、シロップと食べると暑い今の時期にはたまらない。

氷の価格表と氷を扱う道具の一部

ずっと続けてほしいかき氷屋

こんにゃく屋として始まった上田食品。器械の買い替え費用と需要を考え、今ではもうこんにゃくは売っていない。だが、お店に入ると所々にこんにゃく屋の面影がある。氷屋を始めて50年以上経った今、業務用氷の売り上げも減っているだろう。時代の流れとともに変化してきた営み。上田食品がかき氷を売り始めると、「今年も夏が来た」と思う。どんな時代になっても、美味しいかき氷を売り続けてほしい。

上田食品店舗
店舗情報

住所:徳島県鳴門市撫養町斎田字浜端西93
営業時間:7:00~18:00
駐車場有

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この記事を書いた人

narutojournal

徳島県鳴門市在住、クリスチャン。 第一次世界大戦時に捕虜となったドイツ兵がベートーヴェンの第九をアジアで初演奏した地、大盛りワカメ汁が新鮮な海鮮丼と付いてくる場所、世にも不思議な渦が海中で巻き続ける場所。 海と山に囲まれ、鳴門市には魅力が沢山あります。本業の専業主婦の合間に、鳴門市の歴史、グルメ、人物、子連れの旅におすすめなスポットなどなど、多ジャンルでお届けします。

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