栃木県南部に位置する壬生町は「おもちゃ博物館」や「バンダイミュージアム」を有するおもちゃの町として有名です。川が多く平坦な土地であるため、農業が盛んに行われています。
そんな壬生町に、そばとスイーツという異色の組み合わせの飲食店がありました。壬生の豊かな自然で育てた自社製造のそば粉を使い、地元客に支持されています。
父の意志を継いだ姉妹が経営
「蕎麦とスイーツ みかど」は、女性店主が姉妹で営んでいます。もともとは「そば処 みかど」というそば専門店で、お二人のお父様が代表として経営していました。
18年もの間、そば店を続けたお父様が「そろそろ引退を」と考えたとき、現在の店主である田中姉妹がお店の存続を申し出たそうです。
柱時計の音が響く、明るい空間
窓から光が差し込む明るい店内は、石と木を組み合わせたモダンな空間。1時間ごとに心地いい音を奏でる柱時計が、コチコチと時を刻んでいます。
席数は6席と多くはないので、確実に食べたいときは予約してほしいとのこと。席と席の間隔が広いので、周りを気にせず過ごせますよ。
提供する料理やデザートへのこだわり
自社の畑で育てた、本格そば粉を使用
現在、8か所のそば畑を持つ「蕎麦とスイーツ みかど」。夏と秋の2回に分けて、そば粉を生産しているそうです。
店内ではそば粉や生そばの販売もしています。美味しかったらすぐに持ち帰れるのは、うれしいですよね。
提供しているのはすべて十割そば
提供されるのは、すべて十割で打たれた特製のそば。口に入れた瞬間、奥深い香りが広がります。のどごしがいいので、あっという間に完食できますよ。
食後はそば湯も堪能してみてください。
なぜ「蕎麦」と「スイーツ」なのか
そば専門店から「スイーツ」にも力を入れるようになった経緯を尋ねてみました。
「みかど」では、そばを食べ終わったお客様にケーキとコーヒーを提供していたそうです。ケーキは手作り、コーヒーは栃木県内の有名ロースタリーから仕入れたものを使用するなど、こだわった品は評判が上々。
田中姉妹がおいしいと思うもの、好きなものを提供したいという想いが加わり、現在の形になったそうです。
一番人気は、つるんとした昔ながらのかためプリン。注文するお客様が多く、一時期は毎日仕込んでいたという看板メニューです。
そば×スイーツで生まれた新しい変化
スイーツのおかげで女性客が増えた
ランチタイムの客層は、サラリーマンから家族連れまでさまざま。お昼を過ぎると、スイーツ目当ての女性客も増えてくるようです。もちろん、スイーツのみの利用も歓迎だそうですよ。
スイーツを取り入れたことで、女性が入りやすくなったのではないでしょうか。全体として見ても、そば専門店の頃より女性のお客様の割合は上がっているそう。
お客様がゆっくり過ごすようになった
以前はそば専門店らしく、座敷を設けていた店内。店主お二人の「ゆっくりしてほしい」という想いから、座敷をなくしてゆったりできるソファーを設置しました。
1人でも、友人とでも、ゆったりできる雰囲気づくりを心がけているそうです。常連客のなかには、居眠りをしてしまう人もいるんだとか。
季節に合わせたメニューを開発
「蕎麦とスイーツ みかど」では、季節に合わせたメニュー展開を行っています。
筆者が訪問したのは夏だったので、暑い日にぴったりな「ピリ辛そば」を販売していました。秋冬にはきのこを使ったメニューを予定しています。
また、スイーツも季節に合わせて変化していくそう。いちじくのロールケーキやカラメルりんごのタルトなど、旬のフルーツを取り入れたスイーツは必見です。
美味しいそばと、やさしいスイーツでひとやすみ
そば店の枠を超えて、さまざまな挑戦を続けている「蕎麦とスイーツ みかど」。自社そば粉を使って打った十割そばは、一度食べていただきたい奥深い味わいです。
ランチタイムに空腹を満たしたい人にも、昼下がりにスイーツとコーヒーでひとやすみしたい人にもぴったりの場所。近くにきた時は、ぜひ訪ねてみてください。
店舗情報
蕎麦とスイーツ みかど
住所: 栃木県下都賀郡壬生町至宝1-5-10
電話:0282-82-2213
営業時間:11:30~15:00(蕎麦はなくなり次第終了)
定休日:日曜日、月曜日
駐車場:12台
Instagram:@soba1113mikado