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フード  |    2026.09.10

「想作料理 Pages(パージュ)」今日しか出会えない料理【愛媛県松山市】

「今日の料理は何だろう?」

そんなワクワクを楽しめるのが、愛媛県松山市末広町にある「想作料理 Pages(パージュ)」です。

昼は日替わりのオムライスとこばんざい、夜はお酒に合う料理を提供しています。店名の通り、その日の食材や店主のひらめきから料理を生み出すため、同じ料理にまた出会えるとは限りません。

今回は店主に、料理へのこだわりやフードロスへの想い、そしてこれから目指すお店の姿について伺いました。

レシピはなく「その日の自分」が料理を生み出す

Pagesの大きな特徴は、毎日料理が変わること。

しかも、店主には基本的に決まったレシピがありません。

「全部、思いつきで作っているんです」

その日の食材を見ながら、「これとこれを合わせたら面白そう」「今日はこうしてみよう」と頭の中で料理を組み立てていきます。

試作を重ねて完成度を高めるのではなく、むしろ最初に作った料理を大切にしているのだそう。

「一番食材と向き合って、料理と向き合っているのが1回目なんです」

2回目になると、ある程度仕上がりが想像できてしまいます。しかし、初めて作るときには「どうなるんだろう」というワクワクがある。

その気持ちこそが、料理の味にもつながると店主は考えています。

「料理は愛情っていうけど、本当にそうやなと思います」

楽しい気持ちで作った料理、怒りながら作った料理、面倒だと思いながら作った料理。それぞれの状態が、食べる人にも伝わる。

だからこそ、店主は料理をしている時間を楽しむことを大切にしています。

「食材の個性を消したくない」からうま味調味料に頼らない

料理を食べて感じる、奥深い味わい。

その秘密の一つが、食材そのものの味を活かすことです。

Pagesでは、マヨネーズやドレッシング、麹などもできる限り手作りし、うま味調味料などの既製品に頼らない料理を心がけています。

店主が大切にしているのは、「食材の個性を活かすこと」。

うま味調味料は強い味を作れる一方で、食材そのものの個性を覆ってしまうこともあると店主は言います。

だからこそ、それぞれの食材が持つ味を残す。

「鶏を食べたら鶏を食べてるな、オクラを食べたらオクラを食べてるなっていう。自然のうま味なんですよ」

料理のベースとなる出汁にも、その考え方が表れています。

昆布やカツオ、干し椎茸などに加え、野菜の皮やパンの切れ端、肉を下処理した際に出る筋など、本来なら捨ててしまいそうなものも、出汁として料理に活用。

ここにPagesならではの料理哲学があります。

Pagesが目指すフードロスゼロ

店主が料理を通して伝えたいこと。それは「フードロスをなくすこと」です。

もともと子どもの頃から物を大切にする環境で育ったこともあり、「これ、何かに使えないかな」と考えることが自然に身についていたといいます。

野菜のクズを出汁にする。

料理で残ったものを別の料理にリメイクする。

捨てる前に、もう一度使い道を考える。

それは単なる節約ではありません。

店主は、食材も一つの「命」だと考えています。

「食事のこと、食材のこと。これも命だよねっていうふうに考えてもらえるように、伝え続けたい」

料理を食べてもらうだけではなく、料理を通じて「もったいない」という気持ちを持ってもらう。

それがPagesの大きな役割だと話します。

さらに、その先には壮大な構想もあるそうです。

現在は野菜のクズなどを出汁に活用していますが、出汁を取った後のものまで、農家の肥料や養殖魚の餌などに活用できないかと考えています。

食材を最後まで使い切り、別の命へつないでいく。

そんな循環型の飲食店モデルを作ることが、店主の「野望」です。

一人でやりたかった店に女将が加わった

Pagesを語るうえで、欠かせない存在は女将です。

実は店主、もともとは誰かと一緒に働くことを望んでいませんでした。

「一人が一番気楽なんです」

人に雇われるより、自分で店をやる方が心地いい。そんな店主の考えを変えたのが、現在の女将との出会いでした。

「この人がお店にとって、ものすごいプラスになる人やなと思った」

会計ができること以上に、店主が魅力を感じたのは、人を受け入れる力でした。

どんな人でも受け入れられる女将のキャラクターは、Pagesという店に大きな力を与えてくれる。

だから店主は、結婚を申し込むより先に「女将さんになってください」と声をかけたのだそう。

現在は昼の営業にも女将が加わり、店の雰囲気にも新たな変化が生まれています。

美味しそうに食べてくれる人を見ると幸せ

店主に、なぜ料理を作るのかを尋ねると、印象的な答えが返ってきました。

「人に幸せになってもらいたいんですよ」

ただ、店主自身は「自分で幸せを見つけられない人間だから」と笑います。

だからこそ、人が美味しそうに、幸せそうに料理を食べている姿を見ることが、自分の幸せになる。

「美味しそうに食べてくれたら、あー嬉しい、幸せってなります」

料理を提供する側と、食べる側のどちらか一方ではなく、お互いに幸せになれる関係が生まれています。

目標は「好きな店で死ぬこと」

これからPagesをどんな店にしていきたいのか。

店主が掲げる一番の目標は、意外なほどシンプルでした。

「死ぬまで店を続けること」

そして、その先にある夢が「好きな店で死ぬこと」だと店主は話します。

派手に店舗を増やすことや、大きな会社を作ることが最終目的ではありません。

Pagesという場所をなくさず、訪れてくれる人との一期一会を積み重ねていく。

一方で、将来的には、フードロスを減らす飲食店のモデルを作りたいという構想もあります。

「食材を捨てずに、最後まで活かす」という考え方を次の人へつないでいく。

Pagesは、今日もその日にしか生まれない料理を提供しています。

何が食べられるかは、店に行ってみてからのお楽しみ。

だからこそ、「今日のPages」にしかない一皿との出会いがあります。

料理を味わいながら、食材のこと、命のこと、そして「もったいない」という気持ちについて考えてみる。

そんな時間を過ごせるのも、Pagesならではの魅力です。

基本情報

想作料理 Pages(パージュ)

住所:愛媛県松山市末広町15‐6 浅野ビル1階

予約専用TEL:070-8542-3137

営業時間:11:30〜15:00、18:00〜22:00

定休日:不定休

SNS:Instagram

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この記事を書いた人

世界のわたなべけん

地域に眠る人・場所・会社を取材し、 世界に向けて発信しています。 現場に足を運び、丁寧に伝えることを大切にしています。 地域の価値を最大化し、世界に届けるのがテーマです。

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