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もの・こと  |    2026.08.31

新店「古着&POPUP」店長が語る古着の魅力とは【愛媛県松山市】

愛媛県松山市、道後の街を歩いていると、ふと目に入る一軒の古着屋があります。

その名も「古着&POPUP」。

古着を扱いながら、愛媛で新しいことに挑戦する人たちが出店できる「POPUPの場」としても活用していく、ちょっとユニークなお店です。

今回は運営に携わる隠岐さんに、古着に対するこだわりから、お店づくり、そして「実店舗だからこそできること」まで、じっくりお話を伺いました。

アパレル業界で17年以上の経験

隠岐さんは、これまで東京・大阪・名古屋・福岡など、人口規模の大きな都市を中心にアパレルの仕事をしてきました。

扱っていたのは、主に新品の洋服。

現在は古着を扱っていますが、これまでの経験が無駄になっているわけではありません。

デザイナーやバイヤーとして商品に携わるだけでなく、店舗づくりにも長く関わってきたからこそ、古着を並べる際にも「一着一着を見る」だけではなく、「お店全体を見る」ことを大切にしています。

愛媛と首都圏では、人の動き方や出会い方も違います。

だからこそ、これまでの経験をそのまま持ってくるのではなく、愛媛という土地に合わせながらお店を作っていく。

それも現在の挑戦の一つです。

古着の魅力は「その時代にしか作れなかったもの」

そもそも、隠岐さんは古着のどこに魅力を感じているのでしょうか。

隠岐さんが注目しているのは、その服が生まれた時代背景や、当時の生地、製法です。

洋服は、衣食住の一つ。

時代や景気、世界情勢などの影響を受けながら、その時代に必要とされるものが作られてきました。

例えば、不景気になれば、良いものでも安く売られることがあります。

一方で、時代が変われば、その当時使われていた生地や製法を再現できなくなることもあります。

工場がなくなったり、職人がいなくなったりすることで、当時は当たり前だったものが、今では希少なものになることもあるのです。

だからこそ古着には、「その時代にしか存在しない価値」があります。

「その時のいいもの、いい作りというものが、今でも残っている」

隠岐さんが語る古着の魅力は、そんなところにあります。

そして、新品との大きな違いがもう一つ。

「自分がいいなと思ったものが、ずっとあるとは限らない」

この一期一会の感覚も、古着ならではの楽しさでしょう。

一着だけではなく「お店全体」で選ぶ

店内に並ぶ洋服を見ると、どれも個々が主張しすぎることなく、全体としてまとまっています。

その理由を聞くと、隠岐さんならではのこだわりがありました。

「一点が良ければいいってものでもなくて、お店にした時にまとまるように選ぶ」

例えば、一着の商品を見て「これは良い」と思ったとしても、すでに店内に似たものがあれば入れない。

逆に、今ある商品との組み合わせを考えながら、必要な一着を選ぶこともあります。

頭の中で、

「これとこれがあるから、こうしよう」

と考えながら、商品を足したり、外したりしていくのだそう。

長年のバイヤー経験があるからこそできる、感覚的な仕事です。

そして隠岐さん自身、その部分を「言語化するのが難しい」と話します。

直感や感覚で判断する部分は、簡単にはコピーできません。

だからこそ、長年の経験が店舗づくりにそのまま表れているのです。

まず古着を楽しんでほしい

古着屋というと、店員さんから積極的に商品を勧められるイメージを持つ人もいるかもしれません。

しかし、隠岐さんが目指している接客は少し違います。

初めて古着を買う人には、まず「古着って楽しい」と感じてもらいたい。

「デニムがおすすめです」「このTシャツが人気です」と一方的に商品を勧めるのではなく、お客さんが感じたワクワクに寄り添う。

そのうえで、その洋服が持つ背景や魅力を伝える。

そんな接客を大切にしています。

「売ろうとすると、お客さんに『何この人?』って思われるかと」

だからこそ、商品を売ることよりも、まずは目の前のお客さんとの会話を大切にする。

お客さんによって会話のテンポも、距離感も変える。

その人に合わせて自然に接することを心がけているそうです。

実店舗だからこそ生まれる「空気感」

インターネットで検索すれば、古着についての情報はいくらでも見つかります。

ブランドの歴史も、洋服の年代も、商品の特徴も、AIを使えば簡単に調べられる時代です。

そんな時代だからこそ、隠岐さんは「実店舗の良さ」が重要になると考えています。

実際に服を触った時の質感。

店内の広さ。

照明の色。

音楽。

洋服の並べ方。

会話。

一つひとつは小さな要素ですが、それらが組み合わさって、お店ならではの空気が生まれます。

「全部がつながっていると思うんですよ」

これは洋服店に限った話ではありません。

カフェでも、居酒屋でも、バーでも同じ。

「なぜかまた行きたくなるお店」には、商品だけではない何かがあります。

隠岐さんが目指しているのも、そんなお店なのかもしれません。

商品を強く売り込まなくても、

「ここにあるものなら間違いないよね」と思ってもらえる。

その信頼を、これから時間をかけて積み重ねていきたいといいます。

古着との出会いを、もっと自由に

古着には、正解がありません。

年代やブランドを深く知って選ぶ人もいれば、単純に「この服、なんか好き」と感じて選ぶ人もいます。

隠岐さんが大切にしているのは、古着に初めて触れる人にも、その自由さを楽しんでもらうこと。

まずはお店に入って、洋服を見て、触って、「なんかいいな」と思える一着を探してみる。

そんなところから古着との出会いが始まるのかもしれません。

道後の街に生まれた「古着&POPUP」。

そこには、洋服を買うだけではない、人や地域との新しい出会いがあります。

基本情報

古着&POPUP

住所:愛媛県松山市道後湯之町13-3

営業時間:13:00〜20:00

定休日:火曜日

SNS:Instagram

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この記事を書いた人

世界のわたなべけん

地域に眠る人・場所・会社を取材し、 世界に向けて発信しています。 現場に足を運び、丁寧に伝えることを大切にしています。 地域の価値を最大化し、世界に届けるのがテーマです。

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