SLといちごが有名な栃木県真岡市にある国産バナナ農園「ラフファーム」。
後編では香り高く甘い「とちおとこ」の魅力や、インパクトのある名前の由来について迫ります。
「とちおとこ」ってどんなバナナ?
市場では見かけない稀少な品種
一般的に、スーパーや青果店で購入できるバナナは「キャベンディッシュ」という品種です。
フィリピンやエクアドル、メキシコといった亜熱帯地方で生産されるバナナで、日本での流通率は9割以上を占めています。
しっとりした食感とあっさりした甘みが特徴ですが、ラフファームのバナナはひと味違います。
ラフファームが育てているバナナ「とちおとこ」は、マレーシア原産のサンジャクという品種に近いといわれています。
日本国内ではサンプルが少ないため、品種をはっきりとは特定できないんだとか。
甘い香りにもっちりした食感、しっかりした甘みが特徴で、バナナ特有の青臭さはほとんど感じません。
食べるタイミングで味と効能が変わる
とちおとこは収穫したあと、5~6日ほど追熟してから食べるのがおすすめ。
うっすらと緑色が残る状態だと、さっぱりした味わい。黒い斑点が現れるほど追熟させると、もっちりと甘くなります。
食べられる状態になってすぐは整腸作用がありますが、完熟させると免疫効果やストレス解消と効能が変わるんだとか。
バナナはほかにもカリウムやビタミン、食物繊維を含むスーパーフードです。
そのまま食べるのもおいしいですが、凍らせてスムージーとして食べると抜群においしいとのこと。
筆者も挑戦しましたが、砂糖が必要ないほど甘い、濃厚なスムージーができました。
1年半かけてじっくり育てた自慢の味
子株から成長してバナナを収穫するまでには、およそ1年半の月日がかかります。
大きく育ったバナナの株は、一度しか実を付けないんだそう。
切り倒したバナナの子株を定植し、また1年半かけて大きく育てていきます。
バナナはウイルスが入ると一気に死滅してしまうため、農園に入る際は注意しなければなりません。
豊田さんたちが長い年月をかけて育てたバナナは、安心・安全の無農薬。
赤ちゃんのバナナデビューにもおすすめだそうです。
「とちおとこ」に込められた願い
「とちおとこ」は、栃木県民の筆者からすると「思い切った名前だな」という印象。
栃木県が生産する代表的ないちご「とちおとめ」を思わせる名前には、さまざまな想いが込められています。
バナナの名前を決めるとき、豊田さんたちは非常に悩んだそう。「インパクトのある名前にしたい」「一度聞いたら忘れられない名前にしたい」と考え、選ばれたのが「とちおとこ」でした。ただの高級バナナではなく、真岡市のバナナ「とちおとこ」として、とちおとめと並ぶ存在にしたいと語ってくれました。
「とちおとこ」を食べてみたいなら
オンラインショップを狙おう
現在は県内のスーパーでも入手が困難な「とちおとこ」。
北海道・沖縄・離島以外ならば、オンラインショップで注文できます。
注文後に収穫を行うため時間はかかりますが、産地直送の国産バナナを食べたいと思う方はぜひチェックしてみてください。
子どもたちと触れ合う、イベント出店
ラフファームではさまざまなイベントに出店し、存在をPRしています。
筆者も息子とともに「バナナの収穫体験」イベントに参加しましたが、ほかではできない貴重な体験に大喜びでした。
現在は気軽に農園の見学はできませんが、いずれは子どもたちに楽しんでもらえる観光農園をつくりたいそうです。
企業とのコラボレーションも企画
今後は、さまざまな企業とコラボレーションした商品開発を考えているそうです。
気軽に持って帰れるようなスイーツにする計画もあるんだとか。
数年後には道の駅やPAに「とちおとめVSとちおとこ」と特設コーナーが作られるかもしれません。
真岡市に恩返しできる特産品へ
栃木県真岡市で生まれ育った豊田さんが、とちおとこを通じて目指すのは「地域貢献」です。
真岡市のいいところを全国の人に知ってもらい、とちおとこをきっかけに真岡市に足を運んでもらえればうれしいと話してくださいました。
SLといちごの街、真岡市に新たな風を吹き込む「ラフファーム」。
これからの活躍が楽しみな、素敵なバナナ農園です。
【住所】栃木県真岡市西高間木
【オンラインショップ】https://www.tochiotoko.com/
【公式Instagram】https://www.instagram.com/laugh_farm/
※イベントや出店情報は公式Instagramをご覧ください