「欽明館」は岩国市の欽明路道路沿いにある自販機コーナー。
昭和時代の自販機うどんやラーメンが楽しめるレアスポットです。
昭和から令和の今まで岩国を見守ってきた、地元民の憩いの場となっています。
本来はドライブやツーリングの休憩スポットです。
休憩目的の家族連れや小腹を満たすトラックドライバーをはじめ、わざわざ県外からレトロ自販機マニアが訪れるほど。
地元民にとってはなぜかふとした瞬間思い出して食べたくなる味です。
「欽明館」は昭和の香り漂うみんなの癒しスポット
子供のころ、夏祭りの屋台ではしまきや焼きそばを買って食べた時のことを覚えていますか。
ベンチや道路わきの縁石に腰掛け、外の空気を吸いながら食べると不思議と美味しく感じなかったでしょうか。
そんな懐かしい雰囲気をいつでも味わえる場所が、岩国市の県道15号(通称欽明路道路)沿いにある「欽明館」です。
まるで昭和にタイムスリップしたかのよう。
レトロ自販機にトキメく
現在欽明館では3台のレトロ自販機が稼働しています。
メニューはこちら
- 肉そば 300円
- チャーシュー麺 400円
- きつねうどん 300円
- 肉うどん 350円
- 天ぷらうどん 300円
- ラーメン 350円
現代の自販機の照明といえば煌々としたLEDライトですが、こちらの自販機は優しい明かりでほっこり癒されます。
そしてこの色合いや文字のフォントがなんともエモい。
個人的に一番好きなポイントが、カウントダウンの部分。
中にグルグルと細い針金状のものが入っているのが分かるでしょうか。
「ニキシー官」と言います。
このニキシー官、液晶ディスプレイなどの出現により1990年代に生産中止になりました。
デジタルの機械的な感じとは違った、優しい温かみが感じられます。
まるで線香花火の火を眺めているような感覚です。
こちらはガムの自販機。
それからUCCのドリンク自販機。
残念ながらお金を入れてもガムやジュースは出てきません。オブジェとして置かれているそうです。
塗装のかすれ具合や所々にみられる錆びつき、それから「¥100」の表示が時代の流れを感じさせます。
通の食しかた
それでは実際に食べてみましょう。
①小銭をゆっくり投入する。
1枚ずつゆっくり投入します。素早く入れると落ちてきます。
その場合はまたゆっくりと入れ直しましょう。
1000円札と500円玉の両替機がありますが、たまに少なく出てくることがあるようです。
あらかじめ小銭を用意しておく方が安心です。
②箸と薬味を取り出す
自販機の左下の扉の中に、割りばしや唐辛子、コショウが入っています。
③両手で水平を保ちながらそっと取り出す
汁がタプタプに入っていることがあります。
こぼさないように注意。
④底に入った具を掘り出して盛り付ける
「具が入ってない!」と慌てることなかれ。
機械の仕組み上最初に具が、次に麺が投入されます。
底に埋まっている具を掘り出してきれいに盛り付け直しましょう。
⑤食べ終わったら殻入れへ
器と箸は用意された殻入れの中に入れましょう。
うどんだしの味はやや甘め。麺は柔らかめです。
ほんのりゆずの風味がします。
猫舌に丁度良い温かさ。肉も甘めの味付けでおいしい。
一見普通のうどんですが、この雰囲気がうどんの味を倍増しにさせます。
機械が古いせいか、汁の量が毎回まばらです。
タプタプの時は薄味で少なめの時は濃い味になります。
複数人で来て「それ汁多くない?」なんてやり取りをするもの楽しいひと時です。
からあげ屋さんとパン屋さん
欽明館には他に「風林火山」という、手羽先や唐揚げなどのテイクアクトのお店と、ホリエモンがプロデュースした「小麦の奴隷」というパン屋さんがあります。
「風林火山」は地元のうどん屋で岩国駅の東口で営業されています。
「小麦の奴隷」は北海道に本社があるパン屋でカレーパンが売りです。
まとめ
それでは最後は岩国の方言で締めたいと思います。
「欽明館」は地元の空気と昭和の懐かしさを味わえる気持ちが暖かくなるスポットなんよ。
良かったら錦帯橋観光とセットで来てみてっちゃ。
ほいじゃあ、またの~。
お店の情報
住所:山口県岩国市川西3-12-45
アクセス:車 錦帯橋方面から周南・徳山方面に向かって左側/電車 「川西駅」から徒歩8分(電車は本数が少ないので注意)/バス 「岩国高校前」から徒歩8分
営業時間:自販機 24時間/風林火山 11:00~19:00(月曜定休日)/小麦の奴隷 10:30~17:00(日・月曜定休日)