みなさん駄菓子屋さんというとガムや当たり付きお菓子、レトロなおもちゃを想像しますよね。
しかし、静岡県島田市にはおでんとところてんを目当てにお客さんが集まる駄菓子屋さんがあります。
今回は地元民に愛される駄菓子屋「かんとんや」を紹介します。
長年愛される駄菓子屋「かんとんや」
静岡県島田市にある新金谷駅から徒歩2分ほどの所にある駄菓子屋さん「かんとんや」。
お店の壁にも案内があるように、新金谷駅は大井川鉄道のきかんしゃトーマス号が走っており、平日でも子供連れの多い観光スポットです。
お店には「かんとんや」の看板はなく、店前にぶら下がった赤ちょうちんが目印です。
かんとんや自慢のおでん
昔ながらの引き戸を開けると、おでんのいいにおいがふわぁ~と鼻に抜けます。
そう。かんとんやでは駄菓子よりも先に目に入るのが、美味しそうなおでん!
静岡では駄菓子屋でおでんが販売されているのは珍しくなく、駄菓子屋とおでんがセットという認識が強く残っています。
おでんの種類は11種類
- こんにゃく
- じゃがいも
- 昆布
- たまご
- ボール
- 角揚げ
- ごぼう巻き
- 黒はんぺん
- ちくわ
- すじ(牛すじではありません)
- とり皮
とっても美味しそうなおでんですが、なんととり皮以外1本50円!!
前日から煮込んでいるおでんは味が染み染み。
長年継ぎ足しで作っているため、定休日もお店に来ておでんに火を入れているそうです。
だからこんなに美味しいんですね!
黒はんぺんもやわらかく煮こまれています。
ご近所の方はタッパーを持参して、ご飯のおかずや晩酌のお供に買っていく方も多いそうです。
この日もふらっとおじさんが入ってきて、自前のタッパーにおでんを詰めて帰っていきました。
天草にこだわったところてん
かんとんやにはおでんだけでなく、手作りのところてんもあります。
ところてんを詰めて、ぎゅ~っと押すと…
ちゅる~ん!
美味しそうなところてんが出てきます。
かんとんやのところてんは伊豆土肥産の天草を使用しており、ツルツルな食感が最高です!
ところてんを食べたお客さんからは「他のところてんとは歯ごたえが全然違う!」とリピーターも多いそう。
お好みで酢、醤油、からしを付けてお召し上がりください!
実はところてんは一本箸でいただくそうです。
かんとんやのところてんはツルッツルなのでこぼさないよう、気を付けくださいね!
かんとんやの由来
かんとんやの始まりは戦時中のお寿司屋さんです。駄菓子屋の起源が寿司屋とは驚きですね。
初代店主の弟さんが戦争で広東に行っていたことから、この店名になったそうです。
お店がオープンした年を詳しくわかる人はおらず、創業何年かは不明。
その後2代目がお寿司屋さんを辞め、おでんとかき氷、黄金饅頭や駄菓子などを始めたそうです。
2代目のおでん屋さんになってから今年で61年目、今は3代目の奥様と娘さんがお店を切り盛りしています。
長年地元民に愛されるかんとんやには、常連のお客さんやご近所の方がたくさん利用しています。
取材中にも電話が鳴り、おでんの注文が入りました。
お客さんが取りに来るのかと思いきや…。
「ちょっと届けてくるから店番しててもらってもいい~?」
近所の高齢の常連さんには、電話で注文を聞いて届けに行くそうです。
「ちょっと店番してて~」なんだか昭和な感じでホッコリしますね!
赤字覚悟の当たり付きお菓子
かんとんやの駄菓子は他のお店に比べてとても安く、日頃から子供と駄菓子を買っている筆者はびっくりしてしまいました。
10円~40円で値段が設定されており、子供たちが自分で計算しやすいように切りのいい数になっています。
たくさんの種類の駄菓子が並ぶかんとんやですが、当たり付きのお菓子は10種類以上!
その中には10円で購入して「100円分のお菓子」と交換できるものもあります。
正直原価と同じくらいの値段で売っているので、当たりが出ると赤字なんだとか…!
当たった金額は次回に持ち越すことができ、子供達は大金持ちになった気分に!!
おでんやお菓子を安く販売しているのは、子供たちが小銭を握りしめてお店に来て「たくさん買い物ができるように」と、店主の想いが詰まっています。
甘いものを食べた後はしょっぱいものが食べたくなるのは、大人も子供も同じ。
駄菓子とおでんを交互に食べる人も多いようです!
みんなに愛される駄菓子屋かんとんや
創業半世紀以上、地元民のみならず観光客からも愛されるかんとんや。
長年継ぎ足しで作られる自慢のおでんと、手作りところてんは絶品です。
島田に訪れた際はぜひ、お立ち寄りください。
かんとんや
施設情報
住所:〒428-0014 静岡県島田市金谷泉町1122−5
電話:0547-45-2308
定休日:水曜・第1土曜
新金谷駅から徒歩2分
駐車場・駐輪場:あり