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フード  |    2024.05.08

創業寛永元年。江戸時代から世代を超えて愛される福本商店の「亀乃饅頭」|大阪市平野区【後編】

みなさまの地元には長く愛される銘菓はありますでしょうか。

私は自身の地元(平野)の銘菓を考えたときに福本商店の「亀乃饅頭」を思い浮かべました。
ふんわりとした生地の中には白餡が入っており、優しい味で何個でも食べれる美味しさです。

江戸時代から400年。これだけ長く愛される秘訣はなんなのだろう。
「亀乃饅頭」のことをもっと知りたい!
そして、私の地元の銘菓である「亀乃饅頭」を多くの人に知ってもらいたい!
そのような気持ちで前編では「亀乃饅頭」を販売されている「福本商店」の歴史を中心に執筆しました。

後編では銘菓である「亀乃饅頭」について福本さん(福本商店・九代目店主)のお話も交えてご紹介させてください。

「亀乃饅頭」の福本商店

創業寛永元年(1624年)と400年の歴史をもつ老舗和菓子店、福本商店。

お店は、大阪メトロ谷町線平野駅・JR平野駅どちらからでも歩いて10分程。


まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような歴史的な建物が特徴です。
お店の外観に惹かれ、デッサンをしに足を運ばれる方もいらっしゃるそうです。


その中でも名物といえば「亀乃饅頭」

平野では「亀乃饅頭」の名で親しまれています。

「亀乃饅頭」は、保存料などを一切使っておらずお子様からお年寄りまで世代を超えて、美味しく味わうことができます。

「亀乃饅頭」の魅力

ー福本さん(福本商店・九代目店主)。「亀乃饅頭」のこだわりを教えてください。

「カステラの生地は蜂蜜がほんのり香るふんわりした生地で、餡は先代がいろいろな餡を試し『亀乃饅頭は白餡ひと手だ!!』とこだわって決めた白餡です。

お客様からも甘さがくどくなく、あっさりしており、ペロッと食べてしまうと言っていただけます。保存料は一切使用しておりません。

ご年配の方からお子様まで人気の商品となっております」

ーどの時期に多く売れるのでしょうか。また、売り切れて買えないこともあるのでしょうか。

「私の記憶では大念佛寺さんの万部法要というゴールデンウィークに行われる法要のさいに、お土産として販売させていただいている時が一番多いように感じます。

日々の販売では、土日に進物で購入される方が多いので昼過ぎには売り切れてしまうことが多々あります」

ー福本さんのおすすめ商品とおすすめポイントをお伺いしたいです。

「まずは、昔の人も食べてきた亀乃饅頭をおすすめしております。

ポイントは甘すぎず、あっさりとしていることからお子様からお年寄りまでたくさんのかたに寄り添えるような味になっているからです。

他は季節の商品です。
春なら桜餅や草餅、夏ならくず饅頭のように季節に合わせてお口に合うもの、そしておすすめの食べ方(冷やすべきか常温か)なども合わせてお伝えさせていただいています」

亀乃饅頭の由来

亀乃饅頭の由来は、平野区の大念佛寺の亀鉦(かめがね)のお話から。

福本さんよりいただいた「亀乃饅頭の由来」冊子には、
「亀鉦(かめがね)の伝えは、今を去る六六〇余年の昔、鎌倉時代の元亨三年(一三二三年)に遡ります」の冒頭より始まり詳しいお話が掲載されていました。

ぜひ手に取って読んでみてください。

「亀乃饅頭」づくりを見学

実際に「亀乃饅頭」づくりを見学させていただきました。

製造場所は店内の一角。機械などは使わずひとつひとつ手作りで製造されています。
愛情のこもった一品ですね。

こだわりの白餡。

一度に5つの亀乃饅頭が誕生します。

毎日製造されていて、3時間半ほどで約400個作られるそうです。

できたての亀乃饅頭。美味しそうでお腹が空いてきます。

福本商店の名物。そして平野の銘菓「亀乃饅頭」

亀乃饅頭 130円

ふんわりしたカステラ生地にこだわりの白餡。優しい味でついつい2つ、3つ目に手が伸びてしまいます。

亀乃饅頭のデザインは想像以上に繊細です。

手に取った瞬間にぱくっと口にいれたくなると思いますが、その前に細かい模様の入った亀のデザインにも注目してみてください。

また、箱詰めでの購入も可能です。

季節の和菓子

ー福本さんの和菓子のこだわりを教えてください。

「先代が亀乃饅頭の餡を試行錯誤し、こだわって決めたように、私は老若男女、たくさんの方へ“昔ながらの優しい味”を届けたいと決め、日々試行錯誤しております」

(4月上旬にご訪問したさいのラインナップ)

色鮮やかでかわいい「おはじき」

おはじき 148円

カラフルで見た目もかわいく、行くたびに購入してしまいます。
中には白餡が入っており、こちらも優しいお味。

季節を感じられる「はる」

はる 450円

こちらも見た目のかわいさで手に取りました。
花びらの中には、ごま餡。うぐいすの中には、こしあんが詰まっています。

2つセットなので、誰かと一緒に食べるのもいいですね。
もちろん、味が違うのでひとりでも楽しめます。

デザインのかわいさ故に食べることに少し躊躇してしまいましたが、写真に残すことで(そういえば、この時期には春をモチーフにした和菓子を楽しんだな)と振り返ることもできます。

このラインナップの他にも赤飯が1日、15日のみ店頭販売。
また季節のイベントに合わせて、その前後にしか販売していないものもあります。

亀乃饅頭・季節の和菓子を美味しく食べられる期間。

商品のお日持ちは、お部屋のなるべく涼しい場所での保管で焼き菓子は「3、4日」。
焼き菓子以外の商品は「明日中」でお楽しみください。

福本商店のこれから

ー最後に、今後の目指すものや目標などはありますでしょうか。

「目標は昔ながらの味をこの平野という歴史ある街で後世に伝えることでしょうか。

時代と共に変わるニーズに流されすぎることなく、代々受け継がれてきた味と思いを次の世代に繋げていけたらいいなと思っています」

ー本日はありがとうございました。

まとめ

私がご訪問したさいも福本さんが切り盛りをされているというよりは、ご家族で支えながら営業されているのがとても印象的でした。また保存料などを一切使用しないことで、小さいお子様からお年寄りまで幅広い世代で同じ味を一緒に楽しめるのは嬉しいですよね。

福本商店の歴史の深さだけでなく、福本さんのお人柄も垣間見れるインタビューで、亀乃饅頭だけでなく福本商店のファンにもなりました。

私自身も地元でありながらはじめて知ったことが多く、お話をおうかがいできて楽しかったです。

ぜひ一度、歴史ある平野の「亀乃饅頭」を食べてみてください。

店舗情報

福本商店
住所:〒547-0045 大阪府大阪市平野区平野上町2-9-10
電話番号:06-6791-0977
営業時間:9:30~16:30
定休日:月・火曜日

駐車場:なし

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この記事を書いた人

藤葉 彩矢(あーや)

大阪府生まれ、大阪府育ちの副業ライター 藤葉 彩矢(あーや)です。グルメと国内外旅行、テーマパークが好き。「気になる!」「楽しそう!」「行ってみたい!」とみなさんの好奇心を掻き立てられる記事を目指して、大阪の魅力を発信していきます。

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