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フード  |    2024.10.11

円町をそっと照らす太陽「カレーとお酒のお店 サンライト」でお腹も心もぽかぽかに。

同じ種類の料理店が切磋琢磨しているエリア、そんなエリアが京都にもあるのをご存知でしょうか?

よく知られているのは、ラーメン屋さんがひしめき合う「一乗寺」エリア。
地元民なら知っているラーメン激戦区となっています。

実は近年、カレー屋さんが集まるエリアも生まれていたんです。
それは中京区の中で西寄りに位置する「円町」エリア。
王道の欧風カレー以外に、スパイスカレーやスープカレーなど個性的なカレーのお店が充実しています。

そんな円町エリアの中でも、今回はカレーとお酒のお店 サンライトさんに焦点を当てます。
最後にお話も聞かせていただけたので、どうぞご覧ください。

円町ではフェスティバルも開催

お店のご紹介の前に、まずは円町のカレー屋さんによる盛り上がりの一端をご紹介。
毎年の恒例行事としてこんなイベントが開催されるようになりました。

公式HPから画像を引用

円町カレーフェスティバルです。
2021年に第1回が開催されてから、コロナ禍にも負けず2024年で第4回目を迎えています。

当初は7店舗から始まったフェスも参加店舗が増え、今年はカレー専門店以外も含めて18店舗。
スタンプラリーなどで訪れた方々を楽しませてくれました。

このようなイベントが開催できるのも、このエリアのカレー屋さんたちが良い関係を築かれているからこそですよね。無闇に牽制し合うのではなく、お互いに良い刺激をもらいながら営業されているのがわかります。

JR円町駅からすぐ

さて、今回紹介するお店はカレーとお酒のお店 サンライトさん。
カレーフェスに第1回から参加している店舗の一つでもあります。

場所はJR京都駅から3駅10分のJR円町駅、そこから西へ徒歩5分ほど。

「緑色のストライプ柄の軒先テント」が目印のかわいらしいお店です。テイクアウト商品の受け渡しができる窓から、ご夫婦がせっせと働かれている様子がうかがえます。

裏手に駐輪スペースがあるのは地味にありがたいところ。
余談ですが、以前よくわからず私が迷っていると心配してわざわざ外に出てきてくださいました。気持ちがうれしかった思い出です。

「いらっしゃいませ」
戸を開けると温かく迎えてくださいます。

人気店ながらカウンター5席ということで、お昼時などは少し待つこともあるのはご承知おきを。

あいがけカレーを目と口で楽しもう

カレーの系統はいわゆるスパイスカレーですが、そういうカレーに馴染みのない方でも食べやすいようにアレンジされている印象です。

また、基本「月替わり」ときには「日替わり」で変わるほどカレーの種類はバラエティーに富んでいます。毎日更新されているInstagramでその日のカレーを確認し、自分好みのラインナップの日にうかがうのもアリですよ。

テーブルにはメニュー表、キッチン内には本日のカレーが書かれたホワイトボード。
どちらも手書きで作られていて、ポップな感じが良い。

うかがった日は「チキン南蛮カレー」と「梅しその鶏キーマカレー」が注文できました。
お腹ペコペコで行ったので「あいがけ」でお願いすることに。

いえ、嘘です。
お腹の具合に関係なく、私はあいがけ一択です。オススメいたします。
この日はさらにトッピングでスパイスたまごも付けちゃいました!

別の日には「豆カレー」のような定番のものから、「きのこカレー」や「冷やしカレー」「豆乳坦々カレー」みたいな挑戦的なものまで、いろいろなアイデアで楽しませてくださいます。

手際よく調理と盛り付けをしていただいて、すぐに出来上がりました。

良い眺めだ。。。
まずは目で楽しみます。
新メニューも多いので、何度行っても「今日のカレーはどんな味だろう」と期待が高まります。

そして実食!
うん。まず、それぞれが単品としてしっかり美味しい!

それに、違うカレー同士やトッピングが混ざり合っても、お互いがケンカせずに美味しさの化学反応が起きています。アチャールの酸味と甘味がカレーのいいアクセントにもなっていて、どこから食べ始めても最後まで飽きずに食べられますよ。

「辛くなかったですか?大丈夫でしたか?」と、いつもそっと一声。

あー満足しました。
量もしっかりあってどれもおいしいので、ぜひ食べてほしいです。

お店について聞きました

小中学校の同級生だったというお茶目で素敵なご夫婦、コウヘイさんとアイさん。
コウヘイさんに答えていただきつつ、隣でアイさんにも補足(と、まさに愛あるツッコミ)をしていただきました。

——どういった経緯でお店を始められたんですか?

実は前職は飲食関係ではなかったんですが、転職を考えていた頃に妻のお父さんから聞いた言葉が胸に刺さったんです。

「心を込めて作った料理をお客さんに食べてもらって、『あ〜おいしかった。お腹いっぱい。また来るわ!』って言ってもらえるのって最高やんか」

飲食店を営んできた義父のその言葉で、お客さんに料理を提供してその場で喜んでもらえる飲食業に魅力を感じました。「お腹いっぱいになって帰ってもらいたい」という信念も引き継いでいるかもしれませんね。

——最初からカレーがメインのお店だったのですか?

いえ、最初からカレーをメインにしようと決めていたわけではありません。

居酒屋でしばらく働いた後にお店を開いたので、お酒を提供することは考えていました。でもカレーについては、何なら物件を探し始める段階でも特に絞っていたわけではなかったんです。

物件を回っているうちにカレーも選択肢に入れ始めて、2019年に「お酒」「一品料理」それに「カレー」というメニューでお店をスタートしました。

——今はいろいろなカレーの提供に力を入れておられますが、カレー作りの転機などがあれば教えてください。

コロナ禍でお酒の提供が難しい時期があったこと、円町エリアにカレー屋さんが増えてきたことが転機になりました。居酒屋の業態は難しくなり、カレーでもお客さんをもっと惹きつけられるようにならないとって。

お店を始めてしばらくすると、道を挟んだ向かいに本格的なカレーを提供するお店(SPICE JUNKYさん)が開業されました。ちょうど第1回のフェスを控えていた頃でもあり、「このままではいけない」と刺激を受けてカレー作りに本腰を入れることを決めたんです。
実際に2週間お店を休んで、メニュー開発のヒントになればと人気店へ足を運んだりもしながら、味のブラッシュアップに励みました。

また同時期ですが、他の人気カレー店の店主さんとたまたまお話する機会があって、新メニューに対するチャレンジ精神を聞いたことも心に響きました。普段の食事からアンテナが立って、月替わりメニューの企画を今も続けられているのは、そのお話に感化されたことが大きいですね。

カレー作りに力を入れ始めると、おかげさまで新しくなったカレーを求めて徐々にお客さんに来てもらえるようになりました。そこから現在のカレー専門店のような業態につながっています。

——Instagramを見ると「立ち呑みの日」や「予約DAY」というおもしろい取り組みもされていますね。

もともと居酒屋から飲食業界に入ったので、お酒を提供しつつお客さんと楽しく交流する形は残したかったんです。なので、月1回は椅子を片付けた立ち飲みスタイルの夜営業の「立ち呑みの日」として、常連さん・ご新規さんどちらにも楽しんでいただいています。

「予約DAY」は、待ち時間の出てしまう日に来れない方やゆっくり食事を取りたい方のために、時間帯を区切る形でご用意した営業日です。1時間ごとに5名様分の枠を設けているので、ご多忙な方やご年配、家族連れの方にも予約していただけるとうれしいです。

——今後の展望などあれば教えてください。
今来ていただいているお客さんを大事にしたいのは前提ですが、よりたくさんの方に来ていただけるお店にしたいなとも思います。

現状、待っていただくことも多くてお客さんにご迷惑をかけている部分もあるので、本当はテーブル席を増やしたりして稼動効率を上げられればいいんですが。

ただ、せっかく来ていただいたのに全てのお客さんに目が行き届かないのは、正直言うと嫌なんです。
もう少しだけ席数が確保できて、今と同じようにきめ細やかにコミュニケーションを取れるのが理想ですね。

取材を終えて

サンライト(SUNLIGHT)の由来はお子さんの名前から。
「子どもからもエネルギーをもらって働いて、それをお客さんにも還元できればと思ったんです」

「そうか、そうだったんだ」
私は妙に納得しました。

ご夫婦の作るお店は、私も含めたお客さん達にとっての太陽だと思っていましたが、その背後にはお二人にとっての太陽もあったんですね。

サンライトさんへ行くと、料理と心遣いでお腹も心も満足して帰れる自分がいます。お二方とも「接客は好きだけど人見知り」とおっしゃっていましたが、お客さんに対する思いはちゃんと伝わっているはず。

美味しいカレーとお酒と何気ない会話で、これからも満腹感とぽかぽか感をお客さんに提供していってほしいなと心から思います。

お店の情報

カレーとお酒のお店 サンライト

住所:京都府京都市中京区西ノ京伯楽町25−2
時間帯:ランチ営業日  11:30〜15:00
    ディナー営業日 17:00〜21:00
定休日:日曜日+不定休

詳しくは公式Instagram https://www.instagram.com/sunlight_curry

参考リンク

円町カレーフェスティバル2024 https://enmachi-curry.com/
SPICE JUNKY https://www.instagram.com/spice_junky/

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この記事を書いた人

𠮷川 ノクオ

シブいお店や観光地を愛する、昭和生まれの関西人。 SEO記事や取材記事などを扱うライターとして活動しています。 主に京都にまつわるヒト・モノ・コトについて、読んで楽しんでもらえるような発信をさせていただきます。

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