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フード  |    2024.11.10

飯能産の“生はちみつ”とは。暮らしに寄り添う「まほらマルシェ」|埼玉県 飯能市

天然の栄養成分が豊富な“はちみつ”。体を潤す作用にも優れているので、これからの乾燥した季節に備えて、積極的に取り入れたい食材のひとつです。

今回ご紹介したいお店は、埼玉県飯能市で“生はちみつ”を取り扱っている「まほらマルシェ」。長年続けてきたネット販売やイベント出展に加えて、2023年11月に店舗をオープン。店内には、飯能と神奈川県の湯河原・藤沢にある3か所の養蜂場で自家採蜜された“生はちみつ”を中心に、色や味の異なる12種類のはちみつが並んでいます。

高い栄養価が重宝されている“生はちみつ“とは?

“生はちみつ”とは、加熱処理をされていない「非加熱はちみつ」のことをいいます。一方で、加熱処理されている「加熱はちみつ」は、一般的にスーパーなどで見かけるほとんどのものが該当しています。

加熱処理の有無によって、大きく異なるのは栄養成分の違い。はちみつの栄養素は、熱に弱く45度以上で栄養素の破壊がはじまり、60度でほぼ完全に失われるとされています。そのため、「非加熱はちみつ」=“生はちみつ”は、栄養素が豊富に含まれていて、健康や美容にも優れていると言われています。

産地のちがいを味わう。“生はちみつ“のたのしみ方

はちみつは、ミツバチが草花から集めてきた蜜によって味がつくられます。その地域に咲いている草花の種類によって味が決まるため、飯能市内に咲いている草花から採れたはちみつは、まさに“飯能産のはちみつ”ということになります。

季節によって咲く花々が違うため、また毎年同じように花が咲くとも限らないため、その時々にしかない味をそのまま楽しむのがはちみつ選びの醍醐味。

まほらマルシェにある“生はちみつ”の産地は、飯能産、藤沢産・湯河原産(神奈川)、北海道産の4か所。それぞれの特徴を伺いました。

飯能産「さくら」「ふじ」「アカシア」「ハゼの木」など

ひとつひとつが個性的で繊細な味。花の種類が少なく、単花蜜でつくられることが多い。 はちみつそのものの味をしっかりと感じられるため、初めての方におすすめ。

湯河原産(神奈川)「みかん」「カラスザンショウ」「山の百花蜜」など

色はオレンジ色に近く、柑橘系の香りとさっぱりとした味わいが特徴。トーストやコーヒーに入れると、フルーティーな味のアクセントがたのしめる。

藤沢産(神奈川)「シイ」「野の百花蜜」など

透明感がありながらコクのある味わいが特徴。養蜂場周辺に有機農家菜園があるため、蜜源が豊富で味の種類が多い。

北海道産「ソバ」「ボダイジュ」

クセのある味だが栄養価の高さから近年人気が高まっている「ソバ」。ミネラル分が高く鉄分も豊富なので、貧血予防や健康意識の高い方へおすすめ。「ボダイジュ」は芳醇な香りと深い甘みが特徴。

同じ“はちみつ”といっても、産地や咲いている草花によって味や見た目の違いがたくさんあります。豊富な種類のなかから、ぜひお気に入りを見つけてみてください。

新入荷!飯能産はちみつキャンディー

まほらマルシェには、はちみつ屋さんならではの関連商品も並んでいます。

期間限定で販売されているのは、飯能産のはちみつを使ったオリジナルキャンディー。愛知県の飴職人さんに手掛けていただいている手作り商品だそうです。毎年好評なので気になる方はお早めに。乾燥したこれからの時期、手元に置いておきたいアイテムですね。

写真提供:まほらマルシェ

今期からニュージーランド産のマヌカハニーも新登場!高い抗菌作用が特徴のマヌカハニーは、オーストラリアやニュージーランドに自生する「マヌカブッシュ」という花の蜜からとれる単蜂蜜なのだそう。年に4~6週間しか咲かないため、蜜がとれる採蜜期間の短さから非常に高価なものとされていますが、抗菌性や高い栄養価から世界中で大人気のはちみつです。

写真提供:まほらマルシェ

他にも、店内には“はちみつ入り”のコーヒーをはじめ、自家製はちみつをふんだんに使ったドリンクメニューも豊富。お年寄りから部活帰りの学生まで、幅広い客層から人気です。

「まほらマルシェ」のシンボルとなっているミツバチのロゴや店内にあるポップなど、すべて手掛けているのは伊東有希さん。養蜂業はご主人の裕彰さんが中心となり、ご夫婦で役割分担しながら長年続けてこられています。

はちみつと相性の良いハーブティーやコーヒー、国産の良いものを集めた雑貨、農薬不使用の有機野菜など、マルシェならではの幅広いラインナップがたのしめるのも「まほらマルシェ」の魅力のひとつ。

暮らしのなかに良いものを添えてくれる場所。お気に入りが見つかるかもしれません。ぜひ「まほらマルシェ」で探してみてください。

“生はちみつ”づくりの現場へ!養蜂場を見学

飯能市内にある養蜂場

飯能市内にある養蜂場は、移住してくる前の2021年ごろから始めたそう。この辺りは杉が多く、花が少ない地域のため採れるはちみつが少ないとのこと。そのため、今も湯河原と藤沢にも通いながら10年以上養蜂業を営んでいますと話すのは、ご主人の伊東裕彰さん。

4月にさくらが咲き、次にフジが咲いて、アカシア、ハゼと続いていくように、まほらマルシェにある“生はちみつ”の味は時期を追ってどんどん種類が増えていきます。春先の花が咲き誇る時期から夏場にかけてが、養蜂家の一番忙しい時期とのこと。

藤沢から養蜂家としてスタートしたとき、巣箱は2個だったそう。そこから蜜蜂を育成して数を増やし、現在に至るまで3か所の自家養蜂場を伊東さんお一人で管理しています。

飯能市内にある養蜂場では、近くに蜜が採れる草花が少ないという理由から、花や木を自身で植えて育てていると話す伊東さん。現在、北海道から取り寄せている「ボダイジュ」も新たに植えたそうです。

それ以外にも、オオスズメバチや蜂に寄生するダニなどの外敵からも守ることがミツバチの飼育には欠かせないとのこと。外敵にやられてしまうと一気に巣箱のミツバチは全滅してしまうそうなので、日々の対策や早期発見がとても大切なんだとか。

ミツバチが一生かけて集める蜜の量は、たったのスプーン一杯。その一杯を集められるように、養蜂場の草花といった環境づくりや、日々の細やかな飼育と向き合っている伊東さん。

また、“はちみつ”として販売するためには糖度が78度以上必要だそうです。糖度に関係している水分を飛ばすために、市販のものは加熱されているものがほとんど。それに対し、伊東さんが手掛けるはちみつは、じっと熟成を待ち続けることでできあがります。

採れたての花の蜜は水分が多く、そこまで糖度は高くありません。巣のなかでは、ミツバチが体内にある酵素を分泌し、蜜を分解。そのあと、羽を動かし巣内に風を送り、温度や湿度を一定に保つ。こうして徐々に蜜の水分を蒸発させて濃縮させるといった作業を行っているようです。

ミツバチの作業をじっと待つ。とても時間と手間のかかる作業ですが、こうして出来上がるのが、栄養価の高い上品な“生はちみつ”です。

「まほらマルシェ」こだわりの “生はちみつ”いかがでしたか?体調をくずしやすいこれからの季節にそなえて、ぜひ暮らしのなかに取り入れてみてください。

まほらマルシェ

住所:埼玉県飯能市栄町11-1

営業日:火・水・木(祝日を除く)

営業時間:9:30 ~ 15:30

HP https://mahoraya.com/

Instagram @mahraya.honey

※詳しくはHP、またはInstagramからご確認ください。

※はちみつは公式HPからも購入可能です。

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この記事を書いた人

ハネジユキエ

沖縄出身、埼玉在住のフリーライター。30代、二児の母。ものづくり、伝統芸能、暮らしを豊かにするモノ、地域を元気にするヒト、大人からこどもまで楽しめるコトを取材しています。

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