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フード  |    2024.11.19

手作り愛に満ちている。大泉学園の和菓子店【竹紫堂】 |伝統と親しみやすさあふれる老舗

今年92周年を迎える「竹紫堂(ちくしどう)」は、昔懐かしくもスタイリッシュな老舗の和菓子店。地元の子どもから大人、お茶の先生までが訪れる町の和菓子屋さんとして愛されています。

目にも美しく職人技が光る生菓子から、練馬産大根の葉を入れたどら焼きまで、ここにしかない味が盛りだくさん!

今回、そんな竹紫堂を切り盛りする4代目店主・伊藤圭祐さんに、和菓子作りへの想いを伺いました。

懐かしくて新しい、和モダンな店内

大泉学園の和菓子店「竹紫堂」の外観。温かみあふれる雰囲気

西武池袋線・大泉学園駅の南口から徒歩9分の住宅街にたたずむ「竹紫堂」。もともとは江古田で創業し、1980年代に大泉学園へ移転。店内は、和の繊細さとスタイリッシュさが融合した空間となっています。

特に目を引くのが、天井から吊るした生の竹。親戚の方が手掛けたというこの竹からは、自然の温もりと上品さを感じられます。お店の一角にはイートインスペースもあり、この趣深い空間で和菓子を味わうことができますよ。

大泉学園「竹紫堂」の店内。生の竹が吊るされた、和モダンな雰囲気

王道から変わり種まで多彩な和菓子

ショーケースには、毎月8種類ほど登場する生菓子や豆大福、みたらし団子や羊羹など30種類以上もの和菓子がずらり!

ショーケースにずらりと並ぶ和菓子たち。お財布に優しい価格も嬉しい

中でも大泉学園らしいメニューが、練馬区のゆるキャラの刻印がキュートなどら焼「ねり丸焼」。なんと練馬産の大根の葉を蜂蜜入りの生地に練り込み、ココア生地と自家製つぶあんとの絶妙なバランスがたまらないひと品です。

他にも、練馬サブレや杏パイなど、そのどれもがオンリーワンの美味しさなのです。

練馬区のゆるキャラを刻印した「ねり丸焼」
大根の葉入りの生地とココア生地、自家製つぶあんがたまらないひと品

昔懐かしくて新しい、どこか遊びゴコロも感じられる和菓子たち。竹紫堂で腕を振るう店主は、一体どんな方なのでしょうか?

4代目店主が作る「日本の伝統」と「親しみやすさ」

「みんなが知っているものを表現するのは、なかなか楽しいです。かなり時間がかかりますが(笑)」と話すのは、4代目店主の伊藤さん。

日本の伝統を尊重しつつ、みんなが親しみやすいモチーフを取り入れた和菓子作りも大切にしているそうです。

大泉学園・竹紫堂4代目の店主・伊藤圭祐さん

特に、ハロウィンのジャックオーランタンをかたどった生菓子は、地元のお子様に大人気だったのだそう。公式Instagramでは、アニメ『鬼滅の刃』の煉獄さんをイメージした生菓子(※非売品)が披露されたことも!

「あの作品が和のイメージだったので、モチーフにしやすかったですね。で、いろいろ遊んじゃいました(笑)」

伊藤さん自身が漫画好きであることはもちろん、その時々の”旬”を表現してみようという感性からそのアイディアは生まれているようです。

こうした独自の感性と職人技は、王道の和菓子作りでも活かされています。

繊細な技術が光る、目にも美しい生菓子

取材時に作られていたのは、11月限定の上生菓子「鈴」。七五三で参拝する神社に吊るされた鈴をイメージした、繊細な職人技が光るひと品です。

「最近は七五三が11月ということも忘れられがち。だからこそ、日本の伝統を表現しながら、みんなが知っているものをモチーフにすることも大切にしています」

と語る伊藤さん。伝統を重んじつつ、現代の感覚に寄り添った和菓子作りを大切にしていることが伝わってきます。

竹紫堂の生菓子は、パステルカラーの優しい色合いが特徴。こちら「鈴」は優しげな色でありながら、鈴の光沢感が絶妙に表現されているのがポイントです。

淡い黄色と白が絶妙に溶け合う部分は、和菓子独特の技法「はりぼかし」によるもの。職人技で丁寧にぼかした色合いは、間近で見ると思わずうっとりしてしまう見事なグラデーションです。

こしあんを丁寧に包んだ後、鈴の穴と切れ目も綺麗に形どって、今度は紅白のヒモ作り。「小田巻」という道具を使い、細い生地を一筋ずつにゅるっと出し、その一つ一つを全て手作業で組み合わせていきます。

こうして出来上がった上生菓子「鈴」は、まさに手間暇かけた職人技の結晶。まぁるい鈴に、優しい紅白色のヒモをちょこんと添えた、なんとも愛らしいひと品です。

12月には、サンタクロースやトナカイをイメージした生菓子が登場予定。どんな表情に出会えるか、今からとても楽しみですね!

まとめ

老舗の和菓子屋さんといえば、少し敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、竹紫堂はお店の雰囲気や和菓子からも「温かさ」が漂います。初めてでも気軽に入れて、優しく受け容れてくれるお店です。

老舗4代目の職人技に、独自の感性やアイディアを乗せた和菓子はどれもオンリーワン。和菓子が大好きでたまらない皆さんは、ぜひ行かれてみてはいかがでしょう。

お店の情報

竹紫堂

〒178-0063 東京都練馬区東大泉7-31-26 
電話番号:03-3925-2495
営業日時:10:00~18:00 ※当日販売分なくなり次第閉店
定休日:火曜
公式サイト:https://chikushido.wixsite.com/main
公式Instagram:https://www.instagram.com/chikushido/

※記事の情報は取材時点の内容です。ご来店の際は必ず公式情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

水島みほ

東京歴約30年のフリーランスWebライター。 おいしいグルメと商店街、そして「人」が大好きです! まちのいろいろな魅力を熱量たっぷりにお届けします。

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