袋井市は静岡県の西部に位置しています。袋井市は、江戸時代に発展した東海道53次の27番目です。「どまん中」として交通の要所である袋井市にある「東海道 どまん中茶屋」を紹介します。
江戸時代における物流の要であった東海道53次
東海道は、江戸幕府を開いた徳川家康によって整備された街道です。日本橋(現在の東京都中央区)から三条大橋(現在の京都府京都市)を結んでいます。
長い道中には、53の宿場が作られました。「東海道53次」の「次」とは宿場のことです。
宿場は漢字からわかるように、宿泊が可能です。さらに旅人が運ぶ荷物や郵送物などを、次の宿場へつなぐ役割もあります。公用書類や荷物などの運搬には、目的地までの宿場ごとに人馬を交代する伝馬制が実施されていました。
そのため、それぞれの宿場は物流の拠点として街道を支えていました。
東海道53次のどまん中が袋井宿
東海道は「日本橋」をスタートすると、1つ目の宿場が「品川宿」です。神奈川県の「戸塚宿」や「小田原宿」などを経由して、静岡県に入ります。そして愛知県・三重県・滋賀県を進んで、京都府の「三条大橋」へとたどり着きます。
静岡県にある「袋井宿」が27番目の宿場で、どまん中です。袋井宿には大名や公家などが宿泊する「本陣」が3軒、旅人が宿泊するための「旅籠」が50軒ありました。
諸大名による参勤交代の際や旅人の伊勢参りなどで、非常に多くの人が東海道を歩き、さまざまな人が利用する宿場町でした。
歌川広重が浮世絵で描いた風景を再現した「東海道どまん中茶屋」
東海道といえば、歌川広重が描いた浮世絵「東海道五十三次」を思い浮かべる人が多いでしょう。作品ではそれぞれの宿場の様子が旅人と共に描かれています。雪景色の「蒲原宿」や東海道一の長さを誇る矢矧橋が描写されている「岡崎宿」などが有名ですね。
どまん中の「袋井 出茶屋ノ図」には、燕が止まる立札や大樹にやかんを吊るしてお茶の用意をする女性などが描かれています。この図をモチーフにした建物が「東海道 どまん中茶屋」です。
どまん中茶屋はお茶を提供する休憩所として、市民や旅人が訪れます。どまん中茶屋の開業時間中はスタッフが常駐していて、東海道や袋井宿などについてお話をしてくれます。囲炉裏や風鈴などがあり、のどかな時間を過ごせるでしょう。
東海道を旅して集める御宿場印巡り
東海道の宿場を旅する際には、御宿場印を集めることをおすすめします。
江戸時代に栄えた東海道の歴史や文化に触れるため、2023年にすべての宿場で「東海道御宿場印プロジェクト」が始まりました。神社でもらう御朱印のように、東海道の宿場で記念の御宿場印を集めます。
「日本橋」「三条大橋」と53の宿場をあわせた57ヶ所で、それぞれの御宿場印が用意されています。浜松城や富士山など、その宿場にゆかりのものがデザインされた「東海道 御宿場印」を手にしましょう。
御宿場印巡りで、各宿場の歴史や文化を深く知ることができます。55個すべての宿場印を集められたあなたは、東海道マスターと言えるかもしれませんね。
市民にとって憩いの場である袋井宿場公園
「東海道 どまん中茶屋」から東海道を西へ約300m進んだ距離に袋井宿場公園があります。歩いて5分程度です。
袋井宿場公園は、芝生広場と中央に小さな噴水があります。屋根付きのベンチもあるため、袋井市民にとって憩いの場です。
どまん中茶屋と袋井宿場公園を結ぶ道は、江戸時代に多くの人が行き交った「東海道」です。あなたも東海道を歩いてみて、旅人たちに思いを馳せるのも楽しいでしょう。
袋井宿場公園の北側に車を5台ほど止められる駐車場があります。車を使ってどまん中茶屋へ行く際は、この駐車場がおすすめです。
東海道53次のどまん中で袋井の歴史に触れる
静岡県の西部に位置する袋井市は、東海道53次のどまん中です。日本を代表する浮世絵師・歌川広重が描いた「袋井 出茶屋ノ図」をモチーフにした「東海道 どまん中茶屋」があります。
御宿場印を集めながら、袋井の歴史に触れましょう。
お店の情報
東海道どまん中茶屋
住所:静岡県袋井市袋井339
電話番号:0538-44-8595
開業時間:午前9時から午後4時
定休日:月曜日・火曜日(祝日の際は翌日がお休み)・年末年始
利用料:無料
アクセス:JR袋井駅より徒歩で約15分・東名高速道路「袋井I.C」より車で約10分
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