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歴史  |    2024.02.09

目指せ世界遺産!埼玉古墳群|埼玉県名発祥の地、国宝から世界へ|埼玉県行田市【後編】

埼玉県の県名発祥の地、行田市にある「埼玉古墳群」。前編では私が実際に行き、古墳を見学して古墳の全容や簡単な歴史などをわかりやすく紹介しました。

後編では、国宝指定された金錯銘鉄剣、遺物を掘り下げ、将軍山古墳展示館でみた貴重な展示物に、更には近日中に公開される発掘調査の一般公開の情報をお届けします。

もちろん今回も、歴史が苦手な人にもわかりやすく紹介します!

国宝?なんだか難しそう…というあなた!ちょっと待ってください!埼玉県在住の方が誇れる、そして世界に誇れる歴史や国宝を知らないのはもったいない!

これを読めば更にさきたまの歴史の深みにハマれます!

それでは後編スタートです。

日本でもかなり珍しい!?将軍山古墳

園内の一番端にある将軍山古墳。どうやらこの古墳は展示館が併設しているらしく、古墳の中が見学できるとか。

確かめるために向かってみることにしました。

一度園内を出て、公園の周りを沿うように進みます。

古墳内部の石室(石造りの埋葬施設)を復元しています。とても楽しみです。

将軍山古墳について

古墳の上には復原した埴輪(模造品だそうです)が並べられていますね。他の古墳とは違った雰囲気です。この状態は当時に近い形で整備されているんだとか。

全長90mの前方後円墳です。明治27年(1894)に地元の人々に発掘され、横穴式石室から多数の副葬品(埋葬される器具のこと)が出土したそうです。副葬品に関しては別項にて説明します。

墳丘と堀を復原し、実物の横穴式石室をなんと建物の中から見学できる国内初の施設、将軍山古墳展示館!この施設は国内でもかなり珍しく、古墳内を覗く事ができ、複製の石室や遺物の置かれた状態で見学できるようになっています。

古墳が造られた時期は、6世紀中頃と考えれています。

いざっ!将軍山古墳展示館へ

観覧料                   

個人団体(20名以上)
中学生以下無料無料
高校生・学生100円1人60円
一般200円1人120円

年間観覧料

一般1200円
高校生・学生600円

開館時間

9:00〜16:30(入館は16:00まで)

※7月1日〜8月31日は9:00〜17:00(入館は16:30まで)

休館日

  • 月曜日(国民の祝日、振替休日、県民の日(11月14日)4月29日〜5月5日は開館します)
  • 12月29日〜1月3日
  • その他臨時休館日等については、当館ホームページをご参照ください。

早速展示館に入ってみたいと思います!

貴重な国宝のレプリカや石室の展示場をわかりやすく説明します。興味を持ってくださった方は是非足を運んでみたり、ホームページに更に詳しく載っているのでご覧になってください!

入館して最初に迎えてくれたのは「古墳の断面」

すでに露出していた将軍山古墳の断面を剥ぎ取ったものです。様々な地層が交互に積み重なっており、墳丘が崩れないように工夫されています。将軍山古墳の盛土は、周囲の地層と一致しているため、古墳の周りの土が利用されました。

石室に使われた「房州石」

将軍山古墳の横穴式石室には、この「房州石」が使われていて、千葉県富津市にある鋸山周辺の海岸に見られる凝灰質砂岩という岩石です。表面の穴は貝が住み込むために開けた穴で、今でも穴の中に貝殻が残っていることがあります。

東京湾から川をさかのぼって運ばれたと考えられ、なんと採取地から120kmも離れています。この事から将軍山古墳の築造者は、強力な権力と房総地方(千葉県)との深いつながりが想定されます。

国宝 金錯銘鉄剣

さきたま古墳群の看板と言っても過言ではない鉄剣です。展示館に置かれているのは複製品です。

なお、本館が休館しているので、令和6年3月上旬までの期間限定で展示されています。4月からは、本館で複製が展示される予定です。

稲荷山古墳の埋葬施設である礫槨・粘土槨から出土した副葬品で昭和53年(1978)に保存処理がおこなわれました。鉄剣のレントゲンを撮ると金属に溝を彫り、金を埋め込んで装飾したあと(金象嵌)が見られます。古墳時代の石碑や石製品、金属などの遺物に刻まれた文字や文章(金石文)としては最も多い115文字が刻まれていました。この銘文が発見されたことにより、昭和58年(1983)この鉄剣を含めた稲荷山古墳の埋葬施設の出土品全てが国宝に指定されました。

鉄剣には「(わたくし)ヲワケの先祖は、代々杖刀人首(親衛隊長)を務めてきた。わたくしはワカタケル王(雄略天皇)に仕え、天下を治めるのを補佐した。そこで辛亥の年(471)7月に、このすばらしい刀剣にこれまでの輝かしい功績を刻んで記念とする」と記されています。

古墳時代の馬具

写真は復原された古墳時代の騎馬と出土された馬具の像。馬具の金属部を繋いでいた革や布、木質部分は腐食してしまうので残りません。装着方法は馬具の形状や馬形埴輪を参考に復原されました。

このように金色にきらびやかに飾り立てられた馬は、儀式や式典で重要な役割を果たし、時に馬冑をつけて武装し威信を高めることもあったと考えられます。

石室断面図

将軍山古墳の石室は、明治27年(1894)に最初の発掘が行われ、多数の遺物が発掘されています。多くの遺物は破損、腐食していたため、これらの復原模型を制作して当時の状態を想定して、埋葬の様子が再現されているそうです。

古墳の中は不思議な雰囲気があり、静かな威圧感のようなものを私は感じました。

この石室の壁には、穴が特徴の房州石が使われていますね。写真左には馬具が配置されてます。

副葬品には時期差があるそうで、追葬(同じ古墳に違う人を葬ること)が行われていた事が考えられるといいます。

博物館(本館)の工事休館

将軍山古墳展示館の受付で、博物館が休館期間:令和5年9月1日(金)~令和6年3月31日(日)(令和6年4月1日は月曜定休)まで改修工事のため休館になっていると聞かされました。

この博物館で見られる本物の国宝は、工事終了まで見れませんが、工事休館が終わりオープンしたら是非見に行きたいですね。

なお、国宝の金錯銘鉄剣は、資料保存のため当面の間複製が展示されるそうです(公式サイトより)。

2024最新の発掘情報!

2024年1月現在、発掘調査が行われている愛宕山古墳。さきたま古墳群の中の前方後円墳で最小で、隣の古墳群の中で最大の二子山古墳との大きさの違いが体感できます。

かつては愛宕神社が墳頂に建っており、古墳の名前の由来になっています。現在は墳丘の上に石仏がひっそりと立っています。

2024年2月10日、9:00〜13:00になんと発掘調査の一般公開をするそうです!

発掘したての出土品を見ることができます。

まとめ

数々の国宝、古墳群について知ることができましたね。今回の記事はより多くの人達に知ってもらうことを目的に書きました。なので大まかな説明や要約になってしまっています。さきたま古墳群、将軍山古墳展示館では精巧な模造品をみたり、古墳にふれあったりして学ぶ事ができます。さきたま史跡の博物館では本物の国宝が展示してあり、学芸員さんもいます。更に詳しく知りたい方は一度足を運んでみてください!

また、公園内はとても広くふらり散歩するのも良いです。

多くの人に知ってもらい、県内から国へ。目指せ世界遺産!

埼玉県立さきたま史跡の博物館

〒361-0025
埼玉県行田市埼玉4834

[ TEL ]048-559-1111(代表)048-559-1181(学芸)

[ FAX ]048-559-1112[ mail ]k591111@pref.saitama.lg.jp

[ 休館日 ]毎週月曜日、年末年始(12/29~1/3)、ほか臨時休館あり

令和6年3月末まで工事休館、4月2以降再開

[ 観覧時間 ]9:00~16:30(7/1~8/31のみ 9:00~17:00)
※入館は閉館の30分前まで

公式サイト

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この記事を書いた人

そーや

埼玉在住の取材ライター。「相手のために考え、寄り添う」が取材ポリシー。得意ジャンルはフィットネス系と取材ライティング。地元に関わらず、お気に入りや気になる場所を発信。人生経験全てがライティングに活かせると思っています。趣味はトレーニングとバイク。

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