なんだか賑わっている道の駅・京丹波「味夢の里」。その隣にあるのは、なんと古墳。
京丹波町にある『塩谷(しおたに)古墳公園』は、貴重な巫女埴輪が見つかった12基の古墳の集合体。散策してもよし!小高い丘の上(古墳の上)に登って、古墳時代を想像するもよし!運動不足解消にもなる場所です。
これから、この古墳の何がすごいのか、ご紹介しますね!
塩谷古墳群って?
古墳群は、小高い丘の上に築かれた直径8メートルから最大15.5メートルの12基の古墳が集まった「群集墳」と呼ばれるもの。
すべての古墳が丸い形をした「円墳」で、調査の結果、古墳のてっぺんに長方形の穴を堀り、その中に木の棺を直接置く方法で埋葬したことがわかっています。
時期は、5〜6世紀(今から1500年くらい前)、古墳時代中期の終わり頃から古墳時代後期のはじめにかけて築造されました。当時の京丹波地域は、日本海や丹後地方と大和王権を結ぶ重要な拠点でもあったのです。
この古墳たちのなかでも最も大きく、最も高いところにあるのが「5号墳」です。
5号墳には、この地域の有力者が埋葬されていたと考えられていますが、すでに盗掘されており、埋葬されたものは見つかっていません。
ただ、周辺からは土器や鉄製の鏃(やじり)、刀子(とうす)が、斜面からは大量の埴輪が発見されました。
そのなかでも、最も注目されたのが「巫女(みこ)埴輪」です。
貴重な巫女埴輪が出土
元年8月。1番大きくてっぺんにある5号墳から、巫女の形をした埴輪が2体出土しました。
巫女はシャーマンのことで、古墳時代に祭祀を司った女性のこと。その女性を表した巫女埴輪は、5号墳の頂上に置かれたと想定されています。
写真を見てもわかる通り、凛とした顔つきをしており、首飾りや衣服のひだなど細かく丁寧につくられています。
高さは約75cmで、スカートのような服(裳)筒状の上着を着て、襲(おすい)と呼ばれるものを羽織っています。服や帯、たすきには斜線や円形の模様が丁寧に描かれ、勾玉と丸玉の首飾りをしています。美しいですね。
また、巫女埴輪は京都府指定文化財に指定され、公益財団法人・京都府埋蔵文化財調査研究センターに保管されていますが、隣接する「味夢の里」でレプリカを見ることができます。営業時間内であれば、いつでも見られますので、ぜひ見てみてください。
他にもあった!出土品
あまり知られていませんが、塩谷古墳群からは巫女埴輪以外にも発掘されたものがあるんです。
1つめは「円筒埴輪」。古墳の斜面から多量に見つかっており、下部が埋まった状態で22本発見されています。古墳のまわりにぐるりと35〜40本ほど置かれていたのではと考えられています。
2つめは、鉄製の武器、工具です。弓矢を使う際に矢の先につける先の尖った鏃(やじり)や、調理の際の包丁、木器や埴輪を作る際の工具として使用されたナイフ「刀子(とうす)」が見つかっています。古墳時代は、戦いや狩りに使う武器が古墳の副葬品として埋葬されることが一般的でした。
3つめは、須恵器(すえき)。須恵器とは古墳時代から平安時代にかけて作られた土器で、お祭りのときに食べ物を置く台である高杯や蓋(ふた)つきの器、壺が出土しています。
巫女埴輪が注目されていますが、実はいろいろ発掘されていたのですね。円筒埴輪が多くて驚きですが、古墳時代には、5号墳の上に巫女埴輪が並び、その周りを円筒埴輪がぐるりと囲んでいたのでしょうか。
道の駅・京丹波「味夢の里」も楽しい
さて、古墳公園を巡ったあとは、隣接するパーキングエリア、道の駅・京丹波「味夢の里」にも行ってみましょう。京丹波の特産品が目白押しのマルシェや観光案内所、フードコートにレストラン、ドッグランもあります。
味夢の里からは塩谷古墳群が一望できるので、古墳の配置などをみても楽しいですよ。
古墳時代のロマンを感じられる塩谷古墳公園
てっぺんの5号墳の上に恐れ多くも立ってみると、とても見晴らしがよく、周囲を見渡せます。ここに眠っていた人物はどんな人なんだろう?ここに立っていた巫女埴輪たちは何を見たんだろう?と思わず考えてしまいました。
一般道からも、高速道路からも立ち寄れますので、お近くにお越しの際はぜひ、古墳時代のロマンを味わいにきてくださいね。
塩谷古墳公園の情報
住所:〒622-0232 京都府船井郡京丹波町曽根
道の駅・味夢の里の情報
住所:〒622-0232 京都府船井郡京丹波町曽根深シノ65−1
電話番号:0771-89-2310
ホームページ:http://ajim.info