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歴史  |    2024.11.12

橋を渡るとそこは縄文⁉︎岩手県・御所野遺跡

岩手県二戸(にのへ)郡一戸(いちのへ)町にある、縄文時代の遺跡「御所野遺跡」。
世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の南の玄関口でもあり、多くの竪穴建物跡や、遺物が見つかっています。

展示室全体を活用したプロジェクションマッピング、床下の竪穴建物など見応えたっぷりの博物館。そして竪穴建物や掘立柱建物、配石遺構、縄文人が利用したとされる植物が学べる屋外の縄文遺跡公園。
屋内も屋外も両方楽しめる御所野縄文遺跡をご紹介します。

御所野遺跡とは?

縄文遺跡公園・竪穴建物

御所野遺跡とは、5000〜4200年前の縄文時代中期の遺跡です。遺跡のあった場所は御所野縄文公園になっており、公園には配石遺構を中心に、3つの集落が広がる景観や土屋根の竪穴建物、掘立柱建物などが復元されています。

2021年に世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」のひとつで、そのなかでも最も南に位置しています。

吊り橋からいざなわれ、博物館へ

エントランス・これから縄文の世界へいざなわれます

駐車場から入口へ入ると、木でできたアーチ型の天井を持つ長い橋(きききのつりはし)がかけられていました。橋を通ると、御所野縄文公園と博物館に辿り着きます。まるで時空を歩いているような感覚になりました!

まずは、博物館に入館。

焼けた竪穴建物を中心とした展示室

焼けた竪穴建物跡

御所野縄文博物館の第1展示室は、主に焼けた建物についての展示です。

ガラス張りの床下に4200年前の焼失建物跡が展示されており、発掘状況や復元の様子が学べます。
実はこの焼けた竪穴建物の発見のおかげで、屋根に土をのせた建物が縄文時代に存在していたことが明らかになったそうです。

御所野遺跡の竪穴建物はクリの木でできているそうで、800年間で800を超える竪穴建物跡が残されていると推定されています。

集落では、建物数棟でまとまって1つのグループになり、さらに複数のグループがまとまって遺跡の東側・中央・西側に分かれて分布していることがわかっています。

プロジェクションマッピングが圧巻!縄文人の生活がわかる展示室

プロジェクションマッピングの様子

続いては、御所野遺跡に暮らした縄文人の生活が分かる展示室です。ここでは展示室全体を使った大迫力のプロジェクションマッピングが上映されています。
春夏秋冬の縄文の暮らしが表現されており、没入感がありました。

土器などの出土品がずらりと並びます

さらに、出土した土器や石器もバラエティに富み、見応えがあります。
例えば、煮炊きに使われた土器、狩りに使われた石鏃(せきぞく)や剥片石器(はくへんせっき)。祭祀に使われたとされるトックリ型土器やミニチュア土器、石棒などがずらりと並んでいました。

火とまつりの展示室

蒔前遺跡出土の「鼻曲がり土面」(当時は他博物館へ出張中のため、これはレプリカ)

スロープをのぼり、2階へあがると「火とまつり」をテーマにした展示室があり、御所野遺跡周辺の遺跡から出土した土器などが見られます。

注目すべきは、蒔前(まくまえ)遺跡で発見された、国の重要文化財「鼻曲り土面」です。このような土面はおもに縄文時代後期後半〜晩期前半にかけて、東北北部の太平洋側に分布しているそうです。他にも、独特なかたちの土器や土偶が展示されていました。

竪穴住居に入って体験!広い縄文公園

掘立柱建物と配石遺構のある中央ムラ

博物館の外に出ると、御所野縄文公園が広がります。東ムラ、中央ムラ、西ムラに集落が分かれており、大小さまざまな竪穴建物や掘立柱建物に入ることができます。

祭祀が行われていたとされる中央ムラには、掘立柱建物と配石遺構がありました。この中央広場の南には、土を高く盛った場所があり、ここで火を使ったまつりをしていたと考えられています。

また、縄文人たちが暮らしに使用した植物が15種類ほど植えられており、マップをみながら、縄文時代の植物利用についても学ぶことができます。

ミュージアムショップもオシャレ

縄文モチーフのスタンプを押して、オリジナルショップバッグが作れます

最後に博物館のなかにある、ミュージアムショップをご紹介します。販売しているグッズもオシャレで、どれも欲しくなってしまいました。

買い物に使うカゴが竹のカゴというのも素敵なうえに、お買い物をした人は、紙の袋に縄文モチーフのスタンプを押してオリジナルショップバッグが作れます。子どもたちも喜んでいました。

ほかにも博物館内には、体験工房や郷土資料のコーナー、出土品の展示コーナーもあり、見応えがありました。

まとめ〜屋内も屋外も楽しめる、縄文の世界へ〜

筆者がミュージアムショプで購入したもの

博物館で、焼けた竪穴建物について学び、プロジェクションマッピングに没入。多彩な出土品を堪能して、ショップでわくわく。屋外の御所野縄文公園では、蝉の大合唱に包まれながら、竪穴建物に入ってみたり、植物を観察したり。

たくさん楽しんで、「きききのつりはし」を渡り、駐車場へ。つい「あぁ、現代に帰ってきた」という言葉が出てきました。
御所野縄文遺跡は、屋内も屋外も没入して楽しめる場所です。ぜひ、縄文にタイムスリップしに来てくださいね。

御所野縄文遺跡の情報

住所 〒028-5316 岩手県二戸郡一戸町岩舘字御所野2
電話番号 0195-32-2652
ホームページ https://goshono-iseki.com/index.html

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この記事を書いた人

くるみ

京都府在住、歴史が得意な5児子育て中ライター。Webライティング・ブログ・Kindle執筆を中心に活動しています。得意ジャンルは、歴史とWeb3。歴史の勉強、読書、神社仏閣や遺跡、博物館巡りが好き。秋田県に生まれ育ち、大学進学を機に関西へ。京都といえども雅な古都ではない、一味違う京都府の魅力&ふるさと東北の魅力をお伝えします。

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