北陸自動車道や国道8号線で福井県鯖江市付近を通過すると、ひときわ目を引く建物がある。鯖江市には背の高い建物がほとんどないため、建物の上部に取り付けられた赤い眼鏡が気になる人も多いだろう。
その建物こそ「めがねミュージアム」。鯖江市のシンボルともいうべきものだ。
眼鏡の産地はイタリア、中国、そして鯖江だ。鯖江市は「世界三大眼鏡生産地」のひとつとされている。鯖江市が眼鏡の街として有名になったのは、ここ10年の話だという。それまでは「福井の眼鏡」と認知されていたが、現在では眼鏡といえば鯖江と認識する人も多い。
実は、筆者は学生時代を鯖江市で過ごしていたが、めがねミュージアムには入ったことがなかった。そこで、今回は長年の夢を叶えるべく、めがねミュージアムを訪れることにした。
めがねミュージアムでは、鯖江市とめがねの歴史を学べるだけでなく、眼鏡好きの心をくすぐる施設となっている。眼鏡好きの人やものづくり好きの人は、ぜひ記事を読んでいただきたい。
めがねミュージアムを目指して「めがねストリート」を進む
南北に走っている国道8号線の「鯖江駅東口」交差点の信号を東に向かって進むと、道路の両脇にいくつもの「めがねストリート」の幟がある。JR鯖江駅からめがねミュージアムまで続く道路を、鯖江市が正式に「めがねストリート」としたそうだ。
そんなめがねストリートを500mほど進むと、めがねミュージアムにたどり着く。めがねミュージアム前には「長旅お疲れ様でした」と言わんばかりに、ベンチが設置してある。
設置してあるベンチをよく見ると、赤い眼鏡の形をしている。近くで見るとよくわからないかもしれないので、上から眺めるのがおすすめ。
めがねミュージアム付近は遊び心にあふれている。後から知ったが、ベンチだけでなくJR鯖江駅の階段やマンホールなどにもワクワクするような工夫が凝らしてあるとのこと。
無料駐車場にも眼鏡のモチーフ
めがねミュージアムには東側、西側、正面に駐車場がある。今回は西側の駐車場に入ったが、車を停車するときになにか違和感を感じた。数字が表示されているように見えたが、よく見てみると数字ではなく、眼鏡のシルエットだった。
眼鏡を踏まないよう、最新の注意を払いながら駐車しなければならない。実際は踏んでも全く問題ないが、どうしても眼鏡を踏んだ瞬間の、あの嫌な気分が頭をよぎる。
めがねミュージアムの無料駐車場が満車の場合は、向かいの鯖江市文化センターの駐車場も利用可能。鯖江市文化センターの駐車場は有料だが、4時間までは無料なので、ゆっくり見学しても問題ないだろう。
めがねミュージアムに入ると……
車を降りて入口へ向かうと「めがねミュージアム」の表示が見える。建物は「眼鏡会館」であり、その中の1階と2階部分が「めがねミュージアム」となっていた。
館内に入ると左側で出迎えてくれたのが、福井の眼鏡産業の創始者である増永五左衛門の銅像だ。増永五左衛門は明治38年(1905年)から眼鏡づくりに心血を注いだとある。
大正、昭和、平成、令和と時代が移り変わっても増永五左衛門の意思を受け継ぎ、鯖江市では国内のメガネフレーム90%以上のシェアを誇っている。現在の日本の眼鏡産業があるのは、増永五左衛門のお陰といっても過言ではないだろう。
しかも、ブランドによっては令和になった今でも「Made in Japan」にこだわっているという。日本の眼鏡技術の礎を築いたのは、間違いなく増永五左衛門と鯖江市の職人たちだ。
5つの施設で楽しみながら学べる
めがねミュージアムの入口を抜け、真っ直ぐに進むと、案内板があった。
めがねミュージアムには3つの施設にスイーツショップやカフェなどが併設されている。詳細は下記のとおり。
- 体験工房
「めがね手作り教室(要予約)」や「めがね型ストラップ作り体験」が楽しめる - ショップ
福井県内約50社の最新モデル3,000本以上の眼鏡を展示販売 - 博物館
福井県鯖江市の眼鏡づくりの歴史を学べる - Sabae Sweets
鯖江市内の厳選スイーツやモノづくり商品を販売 - MUSEUM CAFE
珈琲やスイーツを楽しめるおしゃれなカフェ
また、眼鏡会館の9階には「さばえSDGs推進センター」があり、鯖江市の取り組みについても最新情報を学べる。
めがねミュージアムは眼鏡について楽しみながら学べる、国内でも数少ない施設だ。
【後編】では、博物館、ショップやカフェの様子などを詳しくお伝えするので、お楽しみに!
>>鯖江市のシンボル「めがねミュージアム」には何がある?【後編】
めがねミュージアム基本情報
めがねミュージアムの基本情報については下記のとおり。
- 入館料:無料
- 駐車場:無料駐車場あり
- 〒916-0042
福井県鯖江市新横江2-3-4 めがね会館 - 電話番号:0778-42-8311
- 公式サイト:めがねミュージアム
アクセス
- 北陸自動車道鯖江ICから車約2分
- JR鯖江駅徒歩約10分
営業時間
- めがねSHOP:10:00~19:00
- 体験工房/めがね博物館/SabaeSweets:10:00~17:00
- MUSEUM CAFE:10:00~16:00
- 定休日:毎週水曜日・年末年始