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アート  |    2023.10.14

「観る」だけじゃない!江別市セラミックアートセンターで北のやきものを丸ごと楽しもう|北海道江別市

9月に入ってもかなりの暑さが続いた今夏の北海道。

「まだまだ暑いけど、家族で秋を楽しみたい!」と、江別市にあるセラミックアートセンターを訪ねました。

さまざまな北のやきものを観て学べるだけではなく、子どもも参加できる体験があり、家族で楽しめるセラミックアートセンター。

その魅力をたっぷりご紹介します!

江別市セラミックアートセンターとは

江別市は、隣接する札幌市へのアクセスの良さと自然豊かな環境の両方を兼ね備えた、道内でも人気の都市です。

明治24年に始まったれんが生産が盛んで、現在でも国内有数の生産地となっています。

センター外観。隣接する野幌原始林の緑にれんがの赤褐色が映えます

セラミックアートセンターは、そんな江別市に開館した「観る」「創る」「集う」をコンセプトとした「やきもの」の総合施設です。

「やきもの」の壮大な作品が迎えてくれる

自然光がたっぷり入る大きな窓が印象的なロビー

この先は緑あふれる中庭なのですが、取材日は出入口に「ハチに注意」「熊が出没したため、ここからは出られません」との貼り紙が!

北海道の大自然と隣り合う施設ならではの光景です。

「火の如く明日を開け」(1994)會田雄亮さんの作品

階段横の壁には、やきものを使ったダイナミックな展示があります。

陶器の温もりとともに、質感の異なるカラータイルの繊細な美しさを感じられる作品です。

「どういうつくりなんだろう?」と思わず触れてしまう

また、廊下の壁には、れんがで作られたレリーフも。やきものに興味が湧くような遊び心たっぷりのつくりです。

やきものショップには、温かみのあるマグカップやかわいい絵の付いたお皿も

奥にあるやきものショップでは、江別市内の陶芸作家さんの作品を実際に見てお買い物ができます。

「北のやきもの」は涼やかな魅力も

受付で観覧料を支払い、2つの常設展示室に向かいます。

観覧料は高校生以上300円、小・中学生150円となっています。(団体料金値引きあり)

まずは、北のやきもの展示室へ。

ガラスケースに納められているやきものたち

こちらではお皿や壺、花瓶など、約60点もの作品が展示されています。

一つひとつ大切に扱われているのがわかります

ずらっと並べられたやきものたちは、ガラスケースの中にきれいに納められて何だか誇らしげに見えます。

「北斗の煌めき―小森忍と石坂勝美の釉(うわぐすり)」

こちらは6/10~8/20まででしたが、延長されていた展示です。

「練込渦文壺 氷紋」表面が氷の結晶の模様で表現されている

まだ暑さが残る日でしたが、表面に氷の結晶や凍てついた木々などの模様が施された寒色の作品たちを見ていると、北海道の厳しい冬を連想して涼しさを感じられます。

隣には、北のやきものの発展に寄与した小森忍さんの記念室も。

陶磁器研究の第一人者、小森忍さん

小森忍さんは、釉薬研究に注力する中で、ここ江別を拠点に活動された陶磁器研究の第一人者です。

北海道産原料を使い、北海道の環境を取り入れた作品を作るために活動されました。

江別に定住していた時代。アイヌ文様の陶磁器も

この記念室では、小森さんが過ごした時系列ごとに作品が並べられています。

北海道らしい乳牛の置物も!一緒に訪れていた子どもも楽しそう

陶磁器で有名となった小森さんが北海道外から訪れ、江別を拠点に活動されたというのは、江別市民としては嬉しく、誇らしく感じます。

れんが積み体験で楽しみながら学べる

続いては、れんが資料展示室へ。

江別のれんがの歴史を展示やジオラマ、映像で学ぶことができます。

「江別のれんが」は平成16年に北海道遺産に認定されています。市内でもれんがの建物やオブジェが多く見られ、市民とのつながりが深い存在です。

さまざまな形や色、大きさがあるれんが
窯のジオラマ。子どもが真っ先に食いついた蒸気機関車も当時使われていました

れんが工場で実際に使われていた窯の一部分(煙道)をそのまま移設したもの。大迫力です

れんがシアター。れんが工場では作る個数で報酬が決まっていたそうです

れんがの積み方にはさまざまな手法がありますが、こちらでは「フランス積み」と「イギリス積み」が展示されています。

フランス積み

フランス積みは、同じ横の列で長辺と短辺を交互に並べる方法です。

例)北海道庁旧本庁舎(北海道札幌市)

最も外観が美しい並べ方がフランス積み

イギリス積み

イギリス積みは、長辺を並べる長手積みと短辺を並べる小口積みを段ごとに交互に並べる方法です。

例)金森赤レンガ倉庫(北海道函館市)

最も強固で無駄のない並べ方がイギリス積み

子どもとれんが積み体験にチャレンジ

この展示室では、木のブロックを使ったれんが積み体験ができます。

今回は子どもと一緒にイギリス積みにチャレンジ!

なかなかチャレンジが始まらない!

やっと開始!縦と横の段を交互に並べていきます

2人で協力して…

何とか完成!

見本を参考にして、子どもと一緒に楽しめました!

れんがの建造物を見かけたら、どんな積み方で造られているかチェックしてみてくださいね。

ランドマークの望楼で秋を感じる

センターの三角屋根の部分は、景色を360度見渡せる望楼になっています。

階段を上った先にあるので達成感もあります

取材日はまだ暑さが残る時期でしたが、センター横の木々の紅葉が始まっていて、近づく秋を感じられました。

陶芸教室や他イベントも毎月開催中

セラミックアートセンターでは、電動ろくろを使った陶芸教室や、子どもも楽しめる陶芸体験などのイベントが毎月開催されています。

レンタル工房やガス窯の設備もあり、陶芸に気軽にチャレンジできそうですね!

また、星空観察会などの地域に向けたイベントも行われています。

まとめ

やきものを「観れる」だけではなく「創れる」「集まれる」ミュージアム、江別市セラミックアートセンター。

子どもと楽しめる体験やイベントもあり、家族で訪れるのもおすすめです。

秋が深まるこの季節、心温まるやきもの文化と江別が誇る「れんが」に触れに、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

施設の情報

江別市セラミックアートセンター
住所:北海道江別市西野幌114番地の5

アクセス:
【車】札幌駅から国道12号線経由で40分
【JR】札幌駅から15分→野幌駅でJRバスに乗り換え11分→セラミックアートセンター前下車
TEL:011-385-1004

開館時間:
【常設展示室】9:30~17:00(最終入場16:30)
【工房・研修室】9:00~21:00(夜間利用は3日前までに要連絡)
【企画展示室】9:30~17:00(利用は要連絡、詳細はHPにて)

利用料金:
【常設展示室】
高校生以上/300円(240円)
小・中学生/150円(120円)小学生未満・身障者手帳をお持ちの方は無料
※20名以上の団体の方は( )内の料金が適用されます

料金の詳細はセラミックアートセンターのHPでご確認ください
休館日:月曜日(祝日を除く)、祝日の翌日(その日が土・日のときは火曜日)、12月29日~1月3日
HP:https://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/site/ceramic/

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この記事を書いた人

北吉 うみ

生まれも育ちも北海道!北海道大好き!道産子ママライター。4歳の子育て中。北海道の美味しい食べ物や素晴らしい景色、温かい人たちの想いを文章で届けるため、日々勉強中です。住んでいる江別市や近隣地域のまだまだ伝わっていないローカルな魅力をたくさん発信していきます!

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