世界一の大太鼓を肌で感じられる場所が秋田県北秋田市にあります。
この大太鼓は、地元にある綴子(つづれこ)神社に奉納するために作られたもので、綴子神社の例祭で奉納される芸能が「綴子大太鼓」として、選択無形民俗文化財にも指定されています。
この大太鼓を肌で感じられる場所が「大太鼓の館」。大太鼓や例祭の道具類、世界から集められた太鼓、上映室があり、大人も子どもも楽しめるイチオシの場所なんです。
見上げるほどの大太鼓が並ぶホールでは、運が良ければ大迫力の演奏を目の前で体験できますよ。
世界一の大太鼓「綴子大太鼓」とは
「大太鼓の館」に入ると驚くのは、その太鼓の大きさと数。
直径が2mを超えるものだけでも6基あり、最も大きい太鼓は直径3.8m、胴の長さ4m52cm、重さ3.5tもあるそう。
そのうち2番目に大きい太鼓が「牛の1枚皮を使った世界一の和太鼓」としてギネスブックに認定されています。
ホールには大太鼓が並び、まわりには綴子神社の例祭行列の衣装や、持ち物、太鼓がどんどん大きくなっていく様を表した展示などがあります。
綴子神社例祭と大太鼓の演奏
大太鼓が奉納される例祭は毎年7月14日と15日に行われ、鎌倉時代から750年以上続く祭りです。
この祭りは、雨乞いがはじまりといわれており、日照りが続き困った農民たちは、雷のような大太鼓の音を神様に届け祈りました。
実際に大太鼓の実演を体験してみると、本当に雷のような大きな音。ビリビリと響いた音が、地面から身体に伝わり、そのまま空へとのぼっていくような感覚がしました。
写真をみてもわかるように、この太鼓は長いバチを使って叩きますが、下から叩く人に加えて、太鼓の上に乗って叩く人も必要。例祭の際には、上に4人下に2人を両面から叩くため計12人の叩き手が必要なのだそうです。
実演に出会えなくても、映像ホールにて「綴子神社祭典」の様子が見られるのでご安心くださいね。
とはいえ大昔から太鼓が大きかったわけではなく、上町と下町が競い合うようにして奉納をしていたため、次第に大きくなっていったそうです。そして昭和5年からは上町と下町の1年交代での奉納になりました。
江戸時代から現在も上町が徳川方の葵の紋章、下町が豊臣方の千成り瓢箪の紋章を掲げて出陣しています。
世界40カ国の太鼓にふれる
奥の展示室には、世界40カ国から集めたさまざまな太鼓が約140個展示してあり、中には実際に叩けるものもあります。(手を触れてはいけない太鼓もありますのでご注意ください)
アフリカや東南アジア、アメリカ大陸といった世界中の太鼓の中には、木製のもの、木製の土台に動物の皮をはったもの、鳥やハチュウ類、魚類の皮、毛や羽がついたまま張られた太鼓、鉄製のものなどがあります。形も大きいものから小さいもの、長いものなどさまざま。
世界の太鼓を見て驚くことは、とても共通点が多いこと。今のようにつながりのなかった時代にも世界では同時多発的に同じように人々が太鼓を使っていたのですね。
群馬県の古墳から出土した「太鼓を打つ人物埴輪」のレプリカも展示してあります。可愛さもありながら、現代とあまり変わらない姿に、太鼓の奥深さを感じました。
綴子神社にもお参りしたい
あわせて行きたいのが、太鼓の演奏が奉納される綴子神社です。
大太鼓の館から綴子神社までは、徒歩で12分ほどの道のり。
道中は「あの大きな太鼓が、こんな細い坂道を通るの?」と驚くかもしれません。
綴子神社は東北最古の八幡宮とされる由緒ある神社。特徴的な形のしめ縄と大きな千年桂、独特な式内社なども見どころです。
夏に訪れると蝉の大合唱が迎えてくれますよ。
物産館と遊び場も楽しめる!
大太鼓の館の隣には「ドリームワールド」という子どもの遊び場があります。
滑り台やトランポリンがついたアスレチックに、蓮の花が美しい池のまわりを回れる、二人乗りの自転車の貸出も行っています。
秋田の名産品が入手できる「ぶっさん館」やトイレもあるので、休憩がてら立ち寄ってみるのもいいでしょう。
また、9月には大太鼓の轟音が見られる「たかのす太鼓まつり」も開催されています。
まとめ〜「綴子大太鼓」や世界の太鼓を体験しよう〜
大迫力の大太鼓に圧倒されるだけでなく、世界各国の太鼓に親しめる大太鼓の館は、太鼓の奥深さを肌で感じられる場所です。
お近くに行かれる際には、ぜひお立ち寄りくださいね。
大太鼓の館の情報
所在地 〒018-3301 秋田県北秋田市綴子大堤道下62-1
電話 0186-63-0111
営業時間 午前9時〜午後5時
休館日 12/31、1/1
綴子神社の情報
所在地 〒018-3301 秋田県北秋田市綴子西館46
電話 0186-62-0471
ホームページ http://www.tsudurekojinja.or.jp/festival.html