庄内ひな街道を巡る、第二弾の場所は山形県酒田市にある本間美術館。モダンで洗練された建築、見惚れてしまう美しい庭園とともに、貴重なコレクションやお雛様を堪能します。
本間美術館
山形県庄内地方の大地主であった本間家。その本間家が所蔵していた美術品を公開する美術館として昭和22年に開館しました。本間家所蔵の美術品を中心に、古美術から現代美術までの幅広いジャンルの寄贈品およそ3,000点のコレクションが企画展示されています。
敷地内には、本間家の別荘として建てられた「清遠閣」(せいえんかく)と国指定名勝の庭園「鶴舞園」(かくぶえん)があり、見事な建築と庭を観賞することができます。


清遠閣
本間家4代当主、光道が別荘として建築。庄内藩主が領内巡視するときの休憩所としても使われました。明治時代以降は酒田の迎賓館として使用され、歴史上の著名人や皇族、昭和天皇のお宿にもなった格式高い建物です。
大正ロマンをおもわせる建築様式は、モダンで美しい中に和の雰囲気がある素敵な内観になっています。それぞれの部屋で異なるデザインの照明や、今では貴重なゆがみのあるガラス戸、洗練された格子の建具なども見どころのひとつです。贅を尽くした内装は美しく保たれ、訪れる人を魅了します。





気品溢れる建物で庭園を眺めながら休憩することができます。優雅な気分でお茶を楽しむことができ、贅沢な時間を過ごせます。

鶴舞園
庭園の池の中島に鶴が舞い降りたことから、鶴舞園と名づけられたといわれています。国指定名勝の庭園は、ここが酒田の中心市街地だということを忘れてしまうほどの見事な景色です。庭を見下ろせる「あずまや」には竹林が広がり、池には鯉が優雅に泳ぐ、さまざまな表情を楽しめる庭園になっています。




本間美術館とひな祭り
毎年2月末頃〜旧ひな祭りの4月3日頃まで、庄内各地で貴重なお雛様が展示されます。本間美術館、清遠閣でも個性豊かな人形や優美な雛段飾りを観ることができます。美術館には鶴岡市の実業家、斎藤昌二氏のコレクションが並びます。展示されている人形はどれも表情が豊かでユニークなものが多く、ひとつひとつ眺めるのが楽しくなります。



個性豊かな趣向人形
個人が人形師などに依頼して作らせた、いわゆるオーダーメイドの人形です。趣向性が高く、古の人たちの遊び心あふれるユニークな人形を楽しむことができます。


豪華な雛段飾り
清遠閣に展示されている雛段飾りは、堂々と鎮座する姿に上品な美しさがあります。部屋の横幅のみならず、天井までいっぱいになるほど空間を埋め尽くす雛段飾りは圧巻です。さらに、建物の雰囲気がお雛様をより優雅に引き立てます。




江戸時代の豪商である白崎家の雛段飾りは、横幅が二間(約3.6m)にもなる迫力です。これだけの立派なお雛様を所有できた当時の富豪ぶりが感じられます。内裏雛(だいりびな)が最上段のさらに上、舞台のような場所に並んでいるのが特徴的です。私たちがよく知る現代の雛人形とは違い、三人官女や五人囃子などのほかにも多くの人形が並び、雛段の賑やかさを演出しています。所狭しと並べられた道具も精巧で、見ごたえのある雛段飾りです。


まとめ



庄内ひな街道、第二弾として本間美術館を訪れました。個性豊かな人形や優美な雛段飾りで、こころも華やぐ素敵な時間を過ごすことができました。お雛様とあわせて、モダンで気品ある建築や見事な庭園も楽しめる、魅力のあるスポットです。訪れた日はあいにくの空模様でしたが、建物から眺める雨の庭園や、濡れた小道も乙なものでした。晴れた日にまた違った表情の庭園を散策しに訪れてみたいです。
本間美術館のご案内とアクセス
<ご利用案内>
開館時間 【4月~10月】午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
【11月~3月】午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日 【3月~11月】無休
※展示替えのため美術展覧会場は休館する場合があります。
但し、国指定名勝「本間氏別邸庭園(鶴舞園)」と「清遠閣」はご覧いただけます。
【12月~2月】火・水曜日(祝日の場合はその翌日)
入館料 一般1,100円(990円) 高・大学生500円(450円)小/中学生は無料
※()内は15名以上の団体料金になります。
国指定名勝「本間氏別邸庭園(鶴舞園)」・本間家旧別荘「清遠閣」・美術展覧会場
企画展示・清遠閣会場常設展示をご覧いただけます。
アクセス
・JR酒田駅から徒歩5分
・庄内空港から庄内交通バス酒田駅行き(40分)→終点庄交バスターミナル下車→徒歩1分