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建物  |    2024.03.18

【北海道開拓の村】を支えるボランティアは語り部的な存在

最近は有名漫画の聖地としても人気が高く、海外からの観光客も増えている北海道有名観光スポットの一つである「北海道開拓の村」

明治、大正、昭和初期と3つの時代から、北海道の開拓生活や当時の文化をリアルに体験することができる貴重な野外博物館です。

北海道開拓の村は野幌森林公園内にあり、豊かな大自然を肌で感じられることでも人気。

また、ボランティアが活躍する先駆けともなった野外博物館で、現在は170名近いボランティアの方がいます。これだけの人数のボランティアがいる野外博物館は他にはないそう。

70代以上のボランティアの方も多く、シニアがおおいに活躍していることも大きな特徴です。

今回は、北海道の開拓の証ともいえる「北海道開拓の村」を支えてきたボランティアの方に、貴重なお話を伺ってきました。

開拓の村でボランティアを30年以上続ける加藤さん

今回は「北海道開拓の村」でガイドボランティアを30年以上続けているという加藤璟子(えいこ)さんにお話を聞かせていただきました。

笑顔がとてもチャーミングな加藤さん。開拓の村でのボランティア活動を楽しそうに語ってくれました。

ーーーいつ頃から開拓の村のボランティアを始められたのですか?

50代のころからですね。子育てもひと段落し、何か社会貢献をしたいという思いがありました。

でも当時は、こういったガイドボランティアはなかなかなかったんですよ。開拓の村のボランティアが初なんじゃないでしょうか。それで私は歴史も好きだったので、いいなと思って始めました

ーーー30年以上、開拓の村でボランティアを続けられているとお聞きしましたが、なぜそこまで長く続けられたのでしょうか?

よく大変でしょうと言われるけど、そんなことはありません。

私は日曜日だけボランティアをしていますが、用事があることを前もって伝えておけばお休みももらえますし、無理なく続けてこられました。

たくさん歩くから健康にもいいんです。開拓の村を全部案内したら2時間はかかりますから。

ーーー2時間!すごいですね。私なら無理かもしれません。

2時間歩くと一万歩にもなります。だからすごく運動になるんですよ(笑)

高校生の男の子との忘れられないエピソードも

ーーーガイドボランティアをしていて何か印象的なエピソードはありますか?

10人いても、話を聞いているのはその半分くらいの高校生の男子グループを案内した時のことなんですけどね。なかに一人、ちょっと見た目がやんちゃそうな子がいて。ちゃんと聞いてくれているのかなぁ、と思いながらも一生懸命お話ししました。

そしてガイドが終わって玄関で見送ろうとしたら、そのやんちゃそうな子が「ボランティアさん、握手しよう」って握手してきたんですよ。そして他の子にも「おい、お前らもボランティアさんと握手しろって」

びっくりしたけど、嬉しかったですね。とても感激しました。

ーーーそれは素敵なエピソードですね。

この年齢で高校生の男の子と触れ合うことなんて少ないでしょう?ボランティアをやっているとそういう出会いがあって、とても楽しいですね。

外ではプロのボランティアの顔に!

加藤さんにお願いしてどのようにボランティアをされているのか、筆者が客となりガイドしていただきました。

外に出たとたん、加藤さんはプロのボランティアの顔に変貌!開拓の村のオススメスポットを教えてくれます。その語り口調の面白さと、ボディランゲージの豊かさは長い年月、多くの方にガイドをされてきた貫禄を感じました。

「こちらは旧開拓使札幌本庁舎。素敵な建物でしょう?実はね、私がボランティアをはじめた頃、塔のてっぺんに登らせてもらったことがあるんですよ。あの高いところにね。それはもう最高の眺めでした」(※現在は登れません)

「旧開拓使札幌本庁舎」を指さしながら加藤さんが教えてくれました。こういったご本人しか知らないエピソードを聞けることも楽しみの一つですね。

加藤さんに縁のある歴史的建造物も

加藤さんが「開拓の村」でボランティアを始めたのは、なんと加藤さんのご先祖様縁(ゆかり)の住宅があることもきっかけの一つだったそうです。

こちらが加藤さんと縁のあるという「旧岩間家農家住宅」。伊達(仙台藩)から士族移民団の一員として北海道に渡ってきたとのこと。

加藤さんのご実家はいまでも仙台のほうにあり、「旧岩間家農家住宅」を訪れると廊下や座敷などの雰囲気にとても懐かしいものを感じるそうです。

北海道は本州から移住した人々が切り開いた地。もしかしたら自分の先祖と関わりある場所もあるかもしれません。加藤さんはそういった点も開拓の村の魅力だと語ります。

ボランティアは語り部のような存在

開拓の村を運営している「北海道歴史文化財団」の営業本部長松井さんにもお話を聞き、ボランティアの方々は開拓の村にとってどのような存在ですかとお聞きしてみました。すると松井さんは「語り部ですね」と答えられました。

「開拓の村で展示されている歴史の一端を肌で感じたことのある年代の方々が多くいます。そのような実体験のある方が、開拓の村をガイドすることで歴史をリアルに感じてもらえる部分があると思います」

また松井さんはこのようにも語ります。

「開拓の村のボランティアだからと言って歴史を知っていないとダメとかそういうことはありません。皆でサポートしますし、ボランティアをはじめてからいろいろ学んでいただければ大丈夫です。そういった意味では生涯学習の場としても最適なんじゃないでしょうか」

明るくパワーいっぱいに!開拓の村を盛り上げます

「新しい建物もいいけど、ぜひ開拓の村に来て古い建物にも触れてほしいです。無くしたくない大切な場所なので、多くの人に訪れてその魅力を知ってほしいと思います。そのためにもこれからも頑張りたいですね」

加藤さんは元気いっぱいにそう語ります。

今日も歴史や文化を伝え続けるボランティアの方々の明るいパワーが、北海道開拓の村には溢れています。

北海道開拓の村情報

住所: 〒004-0006 北海道札幌市厚別区厚別町小野幌50−1
開村時間・休村日:
5月〜9月
9:00〜17:00(入場16:30まで) 無休
10月〜4月
9:00〜16:30(入場16:00まで)
休村日 月曜日(祝日・振替休日の場合は、翌日)
12/29〜1/3 休村
※さっぽろ雪まつり期間の月曜日は開村
電話番号: 011-898-2692

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この記事を書いた人

小糸 あき

夫婦で50代からフリーランスになり北海道札幌で文工房という記事作成事務所を営んでます。ママンライター&パピーカメラマン。北海道という地域に根ざしながら、住む人や暮らしを応援したいと考えています。好奇心を持ち、常に挑戦する姿勢を忘れず、自然や人に寄り添った仕事をすることが目標。趣味は道の駅めぐりと図書館めぐり。

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