今回は、東京都墨田区の両国へ、プチ遠征してきました。
両国国技館で某歌手のコンサートがあり、開演まで時間が空いたので、
すぐ近くの『旧安田庭園』へ行き、しばらく休憩していました。
ここは、江戸時代に造られた回遊式の大名庭園で、大きな池の周囲の散策が楽しめます。
入園料は無料で、ベンチが多く、トイレも2か所あるので、気軽に利用できます。
(残念ながら、ペットは入場できません。)
洒落た太鼓橋と苔むす灯篭
国技館側の西門から入り、風情のある竹垣に囲まれた通路を抜けると、大きな池が見えてきました。
この池は、心字池と言って「心」の字をかたどっているそうです。対岸では鴨と亀がくつろいでいました。
池の周りを順路に沿って進んでみると・・・左手に、灰色の太鼓橋が見えてきました。
その名の通り、橋が太鼓の胴のように、上へ丸く沿っています。欄干の擬宝珠がお洒落ですね。
高木に囲まれ、日陰で湿気が多いせいでしょうか、通路脇の岩をはじめ、その先の広場の地面や石像に至るまで、ありとあらゆる所に苔が生えていました。
きのこのような灯篭の傘にも・・・
由緒ある史跡の数々…
さらに奥へ進むと、「駒止神社」という小さな祠(ほこら)があり、近くに「駒止石」、さらに「駒止井戸」という史跡もありました。
案内板によると、三代将軍家光の寛永年間の半ばにあたる八年(1631年)に秋の台風に見舞われ、
隅田川が大洪水となったそうです。その際、誰もが尻込みをする中、被害状況を調べに来た旗本阿部豊後守忠秋が馬を止めて休憩した所が、駒止石とのこと。また、当時の住民が忠秋の徳を敬い、駒止稲荷を祀ったそうです。
花や実を楽しめる植物と立派な灯篭
周囲の植え込みには、ツワブキやマダケ、ナワシログミ、ツルグミなど、数々の植物が名札付きで植えられていました。時期によって、花や実を楽しめそうです。
すぐ近くには、背丈を超える高さの立派な灯篭もありました。
上の方に、雲や鹿の絵が彫ってあります。
池の畔に戻ると、シンプルな石橋もありました。
何の飾り気もない橋も、風景に溶け込んでいて良いものですね。
その先の植え込みには、アセビの花が綺麗に咲いていました。
アセビは、2月中旬から4月中旬にかけて、まだ花の少ない時期から楽しめます。
但し、葉や茎には、有毒のアセトポキシンが含まれているため、注意が必要です。
馬が食べると酔ったようにふらふらとした足取りになることから、馬酔木(アセビ)と書かれるようになったようです。
ボケの花も咲き始めています。
ボケの花は、3月中旬から5月上旬まで楽しめます。
但し、幹にはトゲがあるので、触れるときは注意して下さいね。
懐かしい飛び石と休憩処
園路後半に差し掛かった頃、池の中に懐かしい物を見つけました。飛び石です。
昔は、自宅の近くの公園や親戚の家にもありました。この飛び石は渡れるようになっていて、
久々に通ってみたところ、幼い頃に怖々歩いていた自分を思い出しました。
土曜日だったこともあり、遊びに来ていた子供たちも、ワイワイはしゃぎながら渡っていました。
東門側にあるトイレの近くには、広場を挟んで「心字亭」という休憩所もあり、
9時30分から16時30分まで利用できます。
ここは、池や庭園も見渡せるので優雅な雰囲気があり、のんびりできます。
トイレやエアコンも完備されているため、一年を通して快適に過ごせます。
ここがあれば、お散歩中に急な雨が降っても安心ですね。
池の周りには野鳥もやってきます。
ムクドリが植木の間をついばんでいたり、ヒヨドリが水浴びしていたり・・・。
ヒヨドリが枯れ枝にちょこんと留まっている姿が愛らしかったです。
江戸時代の遺構「水門跡」
園路を回り終える頃、風流な雪見灯篭と目が合いました。
三日月型の窓が洒落ています。
そのすぐ先の右手、池の端の方には水門跡がありました。
案内板によると、江戸時代にこの庭園が造成された折、隅田川から水を引き込み、
潮の干満によって池の水位を上下させ、それとともに見え隠れする岩や護岸、
浮き沈みする島などの景観変化を楽しむ「潮入」という技法がとられたそうです。
この水門は、潮入池の水位調整のために造られたものでしたが、
昭和30年代までの隅田川の水質悪化や、出水対策のための堤防補強に伴い、
昭和40年頃には閉じられ、排水溝も埋められてしまったとのこと。
現在は遺構として保存されています。
墨田区では、昭和46年に本園北側に約750㎡の貯水槽(貯水量約800トン)を地下に造り、
池と貯水槽に水を移動させることにより、人工的に干満を表現する潮入を再現したそうです。
先程、園路途中にあった駒止井戸の水も、この貯水槽にためられているようです。
池の中には水位計もあり、潮入に合わせて満潮干潮の様子が分かるようになっています。
最後に後ろを振り返ると、庭園の緑の向こうにスカイツリーがそびえ立っていました。
まさに、都会のオアシス。ここにいると、東京にいることを忘れてしまいます。
テラス席は犬連れOK『両国テラスカフェ』
庭園の西門から出て、左方向へ少し歩くと 『両国テラスカフェ』 というイタリアンレストランがあります。この日は貸切で入店できませんでしたが、旧安田庭園の緑を眺めながら食事が楽しめるそうです。
因みに、テラス席のみ犬連れOKとのこと。いつかまた機会があれば行ってみたいです。
基本情報
旧安田庭園
JR総武線両国駅西口より徒歩5分/都営地下鉄大江戸線両国駅より徒歩7分
開園時間 : 4月~9月 9:00~19:30/10月~3月 9:00~18:00
夜間ライトアップ : 日没後から閉園まで
休園日 : 年末年始
両国テラスカフェ
JR総武線 両国駅 西口出口より徒歩6分/都営大江戸線 両国駅 A4出口より徒歩5分
年中無休
[月~金]
LUNCH / 11:30~15:30(14:30 ラストオーダー)
DINNER / 17:30~21:30(20:30 ラストオーダー)
[土日祝]
LUNCH / 11:30~15:00(14:30 ラストオーダー)
CAFE / 11:30~21:00(20:00 ラストオーダー)
DINNER / 17:00~21:00(20:00 ラストオーダー)
※テラス席のみペット同伴OK