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スポット  |    2024.10.23

家族で楽しめる!「板橋こども動物園」の地域交流とエコな取り組み【前編】

ヤギの赤ちゃん2匹がカメラマンに興味を示している様子

板橋こども動物園は、東板橋公園内にある動物園。1975年に設立されて以降、親子の思い出作りの場としてだけでなく、子どもたちの遊び場として、ときには教育の場として重要な役割を担ってきました。そんな板橋こども動物園は、2025年に設立50周年を迎えます。

以前は子どもとして、現在は親として板橋こども動物園を利用している方も多いのではないでしょうか?

動物園を通じて、地域に根ざした活動を続ける板橋こども動物園の様子を、前編・後編に分けてお伝えします。前編となるこの記事では、飼育員になって動物のお世話を体験できる親子向け人気イベント「親子動物クラブ」に密着しました。

親子動物クラブとは?

板橋区在住の満5歳〜小学2年生の子どもと保護者を対象にした体験型のイベント。普段は見られないバックヤードを見れたり、飼育員さんの仕事を体験したりできます。参加費は無料です。イベントは年に2回開催しています。
※2024年の親子動物クラブは終了しました。

開園前の板橋こども動物園に潜入!

板橋こども動物園入口

板橋こども動物園に到着したのは午前9時ごろ。朝にもかかわらず真夏を感じさせる暑さのなか、すでに飼育員のみなさんが、動物たちのお世話や開園前の準備に汗を流していました。

親子動物クラブ参加者向けに行われていた開園前準備の様子をご紹介します。

ポニーの蹄(ひづめ)と小屋をきれいにする

蹄の掃除を待っている5頭のポニー

最初に案内していただいたのが、ポニーの小屋。飼育員が4人がかりできれいな土・草とうんち(ボロ)・食べ残しを分ける「馬房掃除(ばぼうそうじ)」を行っていました。

馬房掃除の作業は人力です。土と草をザルに入れて振るいにかけたり、おしっこで濡れた土をスコップで取り除いたりといった作業を繰り返し行い、ポニーが健康的で快適に過ごせる小屋に整備していきます。

馬房掃除はとても運動量の多い大変な作業

馬房掃除は、SDGsが目指す「サスティナブルな社会」の実現にも貢献しています。

ボロは農家さんのところに持って行っていくので、廃棄にはなりません。野菜を作るときの肥料として農家さんが使ってくれています。

板橋こども動物園 場長代行 水野さん

取材日は親子動物クラブが開催される日ということで、参加する親子が作業を体験する箇所を考えながら、馬房掃除が進められていました。

蹄をきれいにしている様子

ポニーの蹄の清掃は、馬房掃除と平行して行われます。動いたり、嫌がったりすることなく、大人しく飼育員に足を預けるポニーの愛らしさにほっこり。とても人懐っこい性格です。

親子動物クラブに向けてモルモットの部屋作り

親子動物クラブでの掃除体験用にモルモットの部屋を準備している様子

親子動物クラブでは、ケースを用いて作ったモルモットの部屋を使って掃除体験をします。

モルモットの部屋の掃除を体験してもらうにあたって、汚れているところがわかりやすいように。はじめての方でも掃除ができるようにしています。

飼育員 加藤さん

通常のモルモットの部屋も掃除を進めていたのは、動物の専門学校に通いながらアルバイトとして飼育を学んでいる飼育員さん。板橋こども動物園でのやりがいをうかがったところ、「愛情を持って担当した動物が成長しているところを見られることが楽しい」と教えてくれました。

モルモットの部屋を掃除している飼育員さん

板橋こども動物園の開園&親子動物クラブのスタート

塩分補給をしているヤギの様子

入口の目の前にある「ふれあい広場」には、ヤギや羊といった動物が放されています。開園直後から多くのファミリーが入園し、園内にいる動物とのふれあいを楽しんでいました。気軽に動物に触れられるのは、板橋こども動物園ならではの魅力です。

いよいよ親子動物クラブもスタート!今回は4組のファミリーが参加。「楽しみ!」「早くお世話したい!」という気持ちが伝わってくる子どもたちのワクワクした表情が印象的でした。

親子動物クラブに参加する4組のファミリー
参加する親子が1人ずつ自己紹介します

親子動物クラブは、下記のプログラムで構成されています。

ポニー

  • 馬房掃除
  • 餌づくり
  • お手入れ

モルモット

  • 部屋の掃除
  • 図鑑の作成
  • 接客体験

最初に取り掛かったのはポニー小屋の掃除。大人でも大変な作業を子どもたちが元気にこなしていきます。

率先して作業をしていく姿が頼もしい!

小屋の掃除が早く終わったら、作業が終わっていない親子を手伝います。初対面の子どもたちが友達になっていく光景は、親子動物クラブならではのものです。

飼育員によるチェックのあと、「終わったよ~!」の掛け声

小屋の掃除後、しっかりと休憩と水分補給を挟んだら、2組に分かれて餌づくりとポニーのお手入れを交代して行います。実際にポニーのお世話ができるとあって、子どもたちの元気が復活。親御さんからは「体力がうらやましい(笑)」との声も。

量を測りながらエサを作っている親子
ブラッシングされて気持ちよさそうなポニー

1日に5kgもエサを食べるポニーもいるとの説明に驚いたり、ポニーの豆知識に興味深く耳を傾けたりしている親子の様子が随所に見られました。

大人気のモルモットと真剣に向き合う

モルモットの抱っこの仕方を教えています。

モルモットのお世話は、子どもたちが待ちに待った体験。親子動物クラブの開始前に子どもたちに話をうかがったところ、「モルモット」が一番人気でした。作業前には、抱っこの仕方から教えてくれるので、触れ慣れていなくても安心してモルモットのお世話ができます。

モルモットの体験学習の主な内容は、カゴの清掃・図鑑作成・接客体験の3つ。実際にモルモットとふれあいながら体験します。

清掃作業のポイントを真剣に聞いている参加者

清掃作業時、ひと家族につき、モルモットが1匹入ったカゴ1つが振り分けられます。下に敷くおがくずやわらを新しいものに変えたり、モルモットを移動させたりと、ひと言に清掃といっても工程はいくつもあります。

きれいになったカゴを気に入ってくれたようです!

接客体験で「飼育員」のお仕事を体験

飼育員さんが接客のお手本を見せてくれています。

親子動物クラブのメインイベントとなるのが「接客体験」です。子どもが飼育員となり、親にモルモットを手渡し、触り方や注意点を説明します。ここまで教わったことを思い出しながらモルモットの説明をする姿がかわいらしかったです。

親御さんは、みなさん嬉しそうな表情を浮かべていました。

お世話をしたモルモットを図鑑にして思い出を形に

飼育員さんによるモルモットの解説を興味深く聞いている子どもたち

プログラムの最後を飾るのは「図鑑作成」。お世話をしたモルモットたちを改めてじっくりと観察し、図鑑を作っていきます。図鑑作成は、ここまで学んだ知識を定着させると同時に、新たな発見にも繋がる学びの時間です。

モルモットに関するクイズや解説をしている飼育員さん
親子で話しながら図鑑作りを進めていきます。

親子動物クラブの締めくくりは元気な挨拶で!

ハキハキと明るく最後の挨拶をする子どもたち

最初は緊張していた子どもたちも、親子動物クラブのプログラムが終わる頃には、笑顔で会話をするようになっていました。体験を通じて、お世話の大変さや動物への優しさだけでなく、人とのコミュニケーションも学べるようです。

親御さんからも「子どもと一緒に参加できて楽しかった」「がんばって掃除をしている姿に驚いた」といった声がありました。

親子動物クラブは人として成長できる

親子動物クラブを取材する前は、「飼育員の体験ができるイベント」というイメージ以外ありませんでした。しかし、体験している親子の様子や子どもの変化を目にしたことで、飼育員の仕事を体験する以上のものが得られるイベントであることがわかりました。

板橋こども動物園では、体験型のイベントを定期的に開催しています。ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。

後編では、板橋こども動物園 場長代行 水野さんのインタビューとともに、環境への取り組みや施設についてご紹介します。

後編はこちら

家族で楽しめる!「板橋こども動物園」の地域交流とエコな取り組み【後編】

板橋こども動物園 詳細
  • 住所|東京都板橋区板橋3-50-1 東板橋公園内
  • 開園時間|3月~11月:10時~16時30分、12月~2月:10時~16時
  • 電話番号|03-3963-8003
  • 休園日|月曜(祝日の場合は翌平日)・12月29日~1月3日・2月の第3火曜日
  • 駐車場|なし
  • 最寄り駅|都営三田線 板橋区役所前駅  徒歩8分
  • リンク|公式サイトX(旧Twitter)

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この記事を書いた人

大橋とおる

東京都出身。関西出身の両親の影響でたまに出てしまう方言が玉に瑕。旅行と音楽が大好きなWEBライターです。Mediallを通じて、「久しぶりに地元に帰ってみよう」「週末に出かけてみよう」など、読者の皆さまの行動に繋がる地域の魅力を発信します!

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