– 中山道とは –
日本の「古道」のひとつ。
戦国時代から江戸時代にかけて整備された街道です。
大阪から京都、さらに京都から江戸を結び、江戸時代の主要な交通路として栄えました。
現在でも、各地には「古い街並み」や復元整備された「石畳」などが続いており、国内外の日本の文化ファンからのアツい視線を浴びる道となっています。
インバウンド勢からも「Samurai Trail」「Age of Samurai」の名で親しまれるほど。
実際、人気スポットを歩くとパッと見の7割は欧米の方々。
今回はその中山道を岐阜県中津川市を中心にご紹介します。
(実際に歩いてみた記事はまた別でアップさせていただきます)
– 中山道の特徴 : 古い街並み –
街道には地域ごとに旅人が休息や宿泊をするための「宿場町」が存在しました。
今もそれぞれの街によって当時の趣きを残す活動が続けられています。
写真は妻籠宿の屋根。
屋内では当時の生活様式が再現され、地元の方々や観光客の皆さんに親しまれています。
「宿場町」は名前の通り、「宿」が多い地域でもありました。
令和となってからはインバウンドの需要もあり、各地でゲストハウス隆盛期ともなっています。
まさに現代の宿場町といえる光景が広がり続けています。
– 古道 –
例えばあのドラマの水戸黄門が歩いたのも、こうした現代における街道でした。
そう思うと当時の風景が身近に感じられるのではないでしょうか。
場所によっては趣のある石畳が広がっており、グッと距離感を縮めてくれます。
写真は中津川市落合の石畳。
多くの地域では近代の復興作業により再現された石畳ですが、この落合宿は一部だけとはいえ日本では数例しかない江戸時代から現存する石畳が残されています。
– お勧めは秋か春。意外と夏は不向き –
中山道は、場所によっては登山並みのアップダウンがありますが標高はそれほど高くありません。
そのため、風が通り抜けにくく、日当たりが強いルートも多いのが特徴です。
夏はなかなか暑く、暑いを通り越して熱い。
場所によっては真冬に歩いた方が良いくらい。
※冬場は長野県など山間部では登山上級者向けの道のりになります。
– 水や食料、ルートの下調べは念入りに –
ルートにもよりますが、意気込みとしては、登山のつもりで「食料品は事前に全部準備する。ゴールで何か食べる」くらいの計画がちょうどいいかもしれません。
区間によっては、登山道ほどではないものの、コンビニや飲食店がない道を2時間ほど歩くこともあります。
(長野県などの一部区間は草木をかき分ける登山にもなります)
そのため、携帯品やルート、時間配分などの準備はしっかりと行いましょう。
場所によってはバス停もあるので、時間や体力との相談でルートは色んな組み方ができるのも魅力です。
宿場町近くのバス停では当時の趣きを感じられる名前を見かけることも。
やっぱり現地のおいしいものも食べたいですよね…!
そこで、長野県の中山道でお勧めしたいのが「おやき」
野沢菜や切り干し大根、またはアンコなどを詰めた肉まんのような郷土料理。
長野県は蕎麦が有名ですが、中津川辺りの中山道を歩くなら五平餅やこのおやきは欠かせません。
– 場所によっては日本なのに日本じゃない感覚に –
近年ではインバウンドの方々の需要により、中山道沿いでも観光客の人種の比率が大きく変わってきています。
例として挙げた中津川市やその近辺では、日本人よりも外国人の方が多いほど。
一期一会の出会いもあるため、勇気を出して話しかけてみるのも楽しいかもしれません。
筆者は年に1回だけとはいえ中山道を歩いています。
その経験でいえば、とりあえず道中や休憩所で居合わせた方に話しかけるのはアリだな、と感じています。
英語が中学生レベルでも、簡単な単語や身ぶり手ぶりで何とかなります。
その出会いでしか聞けない貴重な話もありました。
個人的に印象深かったのは、地元の方にとっては身近な落合の川を指して「こんなに川が町にあるのは信じられない」という言葉でした。
そのように外の方から言われることで、地元の魅力に気付くキッカケにもなると思います。
– 最後に –
岐阜県中津川市を中心とした中山道のご紹介でした。
中山道を歩く楽しみ方のひとつは、各地域の宿場町が街中からのスタートのため、さまざまな地域からのチャレンジが楽しめるかと思います。
それぞれの町で異なる歴史や文化を感じることができ、歩くだけでも当時の息吹を感じることができます。
歴史に詳しくなくても十分楽しめるスポットも多く、コアな歴史ファンでなくてもおすすめできる場所が中山道です。