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スポット  |    2023.09.12

入場料無料・年中無休には創業者の想いが込められていた。那須高原南ヶ丘牧場 【前編】

栃木県北部に位置し、避暑地として人気の那須高原。四季折々で違った表情を見せる豊かな自然や温泉といった癒しスポット、さまざまな史跡やテーマパークなどのレジャースポットが数多くあります。

そんな那須高原には、高原の気候と立地を活かしたくさんの牧場が点在しています。今回はそのうちの1つ、南ヶ丘牧場をご紹介します。なんと入場料と駐車料は無料。さらに年中無休とあって、県内外からたくさんのお客さんが訪れる人気の牧場です。実はこの入場料無料・年中無休には、創業者の大切にしていた想いが込められていました。

わが家を訪れる人をもてなすように

場内にひっそりと佇む創業者の岡部夫妻と動物たちの像

「わが家を訪れる人からお金をもらいますか?」

これは、創業者・岡部勇雄さんの言葉です。南ヶ丘牧場は、戦後間もない1948年に国による那須開拓事業の一環で入植した岡部さん一家らによって始められました。

「”わが家”を訪れる方のように、お客さまからは入場料はいただきません。入場無料で気軽に立ち寄っていただける、親しみやすい存在としてお客さまをおもてなししたいという想いは、数ある牧場の中でも弊社独自のものだと思っています」と語るのは、株式会社 南ヶ丘牧場の広報担当・吉成奈央さん。

創業者の志を引き継ぎ、今も基本は「酪農家」の姿勢であることが、入場料無料と年中無休でお客さんを迎えている理由です。

「創業75年の長きにわたり年中無休・入場無料で営業していることで、”那須と言えば”と名前が挙がる存在として世代を超えて親しまれる牧場になったと思います。親子孫3世代で来られる方などもいらっしゃって、長く愛していただき嬉しい限りです」と吉成さん。観光客だけではなく、地元の人々も気軽に立ち寄れる身近な存在になっているといいます。

ほかでは食べられない?!濃厚すぎるソフトクリーム

来場者を迎えてくれる看板も創業当時と変わらぬデザインで、現在のものは3代目だそう

暑い夏の日、「南ヶ丘牧場」の看板が下がったうっすらと苔むした木の門をくぐります。ふと足元を見ると「ソフトクリーム売り場 この先およそ50歩」の小さな看板が。

子どもたちと一緒に「1、2、3……」と歩数を数えながら進むと、ソフトクリーム売り場が見えてきました。

さっそく「ここでソフトクリームを!」と思ったのですが、さらに奥に行列ができているのを見つけそちらに向かってみると、なんとも趣のある建物の「ミルク茶屋」にたどり着きました。

こちらでは、ソフトクリームのほかにも牧場名物のペロシキ(ピロシキ)やコーヒー牛乳、のむヨーグルトなども売られています
ペロシキは一般的には「ピロシキ」と呼ばれていますが、満州開拓時代に創業者が耳にした「ペロシキ」をそのまま商品名にしたものだそう

ソフトクリームにはいくつか種類がありましたが、せっかくなので希少なガーンジィ牛から採れたミルクを使ったプレミアムバニラソフトクリームに決めました。

ガーンジィ牛のミルクを使ったプレミアムバニラソフトクリームは、卵を使用していないのにうっすら黄みがかった色をしています

想像以上の濃厚な味にびっくり!ソフトクリームというより、まるでチーズケーキを食べているかのような濃厚さです。ガーンジィ牛は日本での乳牛飼育数が0.5%未満、数にして約200頭ほどとか。とてもありがたい気持ちでいただきました……!

おなかも満たされたところで、いよいよ動物たちのいるエリアへ向かいます。

「入場料無料・年中無休には創業者の想いが込められていた。那須高原南ヶ丘牧場【後編】」へ続く

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この記事を書いた人

那須あさみ

山口県出身→東京都→栃木県→長野県在住4児の母。日々、子どもたちに翻弄されながらもライターとして活動中。趣味は読書、映画鑑賞、ヨガ。お店も人も自然も、まだまだ知られていない地元の魅力をみなさんにお届けしたいと思います。

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