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スポット  |    2023.09.22

入場料無料・年中無休には創業者の想いが込められていた。那須高原南ヶ丘牧場【後編】

初代牧場長がほれ込んだ「ガーンジィ牛」

【前編】では名物のソフトクリームをいただきましたが、場内をさらに奥へと進み、動物たちのいるエリアにやって来ました。広々とした放牧場では牛たちがのんびり。暑さが厳しいせいか、ほとんどの牛が日陰で休んでいました。

別の日の牛たちの様子。とても気持ちよさそうに寝ています。

こちらの牧場で飼育している乳牛は、すべて「ガーンジィ牛」という非常に希少な乳牛です。

「初代牧場長がその乳質にほれ込んだガーンジィの牛乳。この牛乳に合わせた商品づくりを長年行っています。これらの製品を生産から販売まで自社で担い、自信を持って提供できることが南ヶ丘牧場のオンリーワンでナンバーワンな部分であると思います」と、吉成さんは言います。

ガーンジィ牛についての説明が書かれた看板。一般的に飼育されているホルスタインとの違いがよく分かります

南ヶ丘牧場では入植当初から生産・加工・販売の一貫経営にこだわり、それは現在も変わりません。こうしたこだわりのもと数々の自社製品を生み出していますが、牧場と言えばやっぱり牛乳。南ヶ丘牧場では、ガーンジィ牛から採れたミルクに低温での丁寧な殺菌処理(パスチャライズ)を施しています。これは一般的な超高温・瞬間殺菌と比べて、牛乳の栄養成分や風味を損なわない手法です。

この「ガーンジィゴールデンミルク」は、濃厚ながらもすっきりとした後味が特徴で、全国ご当地牛乳グランプリで最高金賞を受賞。また那須高原の観光名品として「那須ブランド」にも認定されています。ほかにもたくさんのオリジナル商品が、牧場内の売店だけでなくネットショップでも購入できます。

放牧場の前にはレトロな雰囲気の顔はめパネルが

場内には、放牧場のほかにヤギや羊とふれあえる「めぇ~めぇ~広場」や、うさぎの散歩ができる「うさんぽ広場」があります。筆者は餌を持ってヤギたちに追いかけられている間に「うさんぽ」の受付時間が終わってしまい悔しい思いをしました。次回はうさぎたちとも戯れたい……!

餌ほしさにどんどん寄って来る羊
小さいお子さん向けにロバ乗り場も。出番を待つロバ

自然のままの風景で四季を感じる

長蛇の列ができていたのが乗馬体験コーナー。柵の周りをひまわりが囲んでいて、筆者が訪れたときはあと少しで見頃というところでした。乗馬場からは関東平野を一望することができ、馬に乗りながら絶景を見渡せる最高のひとときが過ごせそうです。

森の向こうには那須連山と関東平野が広がる

写真からもお分かりいただけるように、南ヶ丘牧場はできる限り自然のままの姿を場内に残しています。そのためか、動物たちものびのびと思い思いに過ごしていました。四季折々で変わる自然豊かな風景もまた来場者を楽しませてくれるポイントです。

春の放牧場。霧の中で咲くソメイヨシノが幻想的です。

秋は美しい紅葉を見ることができます。秋晴れの空の下、のんびりと草を食むロバたち。

冬は雪が積もることも。雪化粧をした木々と青空のコントラストがきれいです。

「牧場を訪れた方に今後も変わらず安心した”食”を届け、乳製品や体験を通して笑顔をお届けしたいと考えています。そのためにも”酪農家”としての務めを貫き、より必要とされる商品や場所・サービスなどを提供していきたいです」と話してくださった吉成さん。

初めて訪れたにもかかわらずなぜか懐かしいような気持ちになったのも、豊かな自然と、創業時から引き継がれる温かいおもてなしの心のおかげかもしれません。まるでごく親しい友人の家を訪ねるように、また遊びに来たい、そう思わせてくれる夏の一日でした。

施設の情報

那須高原 南ヶ丘牧場

住所: 栃木県那須郡那須町湯本579

電話番号:0287-76-2150

定休日:年中無休

営業時間:8:00~17:30 季節・天候等により変更になる場合あり

駐車場:約400台駐車可

公式Instagramはこちらから

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この記事を書いた人

那須あさみ

山口県出身→東京都→栃木県→長野県在住4児の母。日々、子どもたちに翻弄されながらもライターとして活動中。趣味は読書、映画鑑賞、ヨガ。お店も人も自然も、まだまだ知られていない地元の魅力をみなさんにお届けしたいと思います。

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