地方創生メディア  Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンがそこにある 応援の循環を作る 地方創生メディア

スポット  |    2025.03.18

【庄内ひな街道】歴史を感じながら眺めるやさしいお雛様のほほえみ~旧青山本邸~|山形県遊佐町

3月3日は桃の節句、雛祭り。女の子の幸せと健康を願って祝う日です。その起源は平安時代中期、今から約1000年前までさかのぼります。紙で作った人形を自分に見立て、川に流して災厄を払う「流し雛」にはじまり、江戸時代に現在のような雛人形を飾るようになったそうです。歴史的文化財や旧家に当時のお雛様も多く所蔵されています。山形県庄内地方にも多くの文化財や歴史的建物があり、2月の下旬ごろからそれぞれのお雛様の展示が始まります。貴重で個性豊かなお雛様をめぐる、庄内ひな街道の魅力を紹介していきたいと思います。

旧青山本邸とお雛様

庄内ひな街道の第一弾として、山形県遊佐町にある旧青山本邸のお雛様を建物の歴史とともに紹介します。

旧青山本邸

ニシン漁で成功した漁業王『青山留吉』の生まれ故郷、山形県飽海郡遊佐町にある邸宅。明治時代に建てられた本邸の母屋は412.41㎡(約125坪)で、主要の8部屋に台所、浴室、納戸などがあり現代でいえば8LDKの大豪邸です。梁や鴨居、建具などは春慶塗(しゅんけいぬり)が施され、深い品のある紅色が鮮やかに木目を引き立てます。

奥座敷で目に飛び込んでくるのは、天井や廊下につるされた無数の白い折り鶴。これはいったい何のためだろうと思いながら説明書きを読むと、”ハエが白いものにとまる習性を利用して、天井の汚れ防止と美観のためにつけられている” と書かれていました。古の人の知恵に、思わず「なるほど」とうなずいてしまいます。

母屋から眺める庭園も美しく、みているだけで心が安らぎます。鳥海山から相当な労力をかけて運んだ高さ約4mの守護石や、備前焼でつくられた珍しい灯籠など、庭だけでもどれほどの成功だったのかをうかがうことができます。

青山留吉

これほどの邸宅を建てた『青山留吉』とはどんな人物だったのでしょうか?
留吉は貧しい漁師の青山家の六男として誕生します。幼いころから父と母を手伝い、読み書きや漁師の仕事を学ぶ努力家でした。次第に大きな夢を抱き、たった一人で現在の飽海郡遊佐町比子青塚から北海道を目指して船出するほどの野心家でもあります。当時の蝦夷地、北海道でニシン漁を学び、一生の仕事と決意した留吉は人一倍努力を惜しまず働きます。幾度の困難にもめげることなく努力し続け、やがて漁業で成功をおさめます。成功したあともおごることなく漁業を続け、家族のために尽くした人物です。同じ遊佐町に生まれたことを誇りに思い、お手本にして生きていきたいと思いました。

旧青山本邸のお雛様

素晴らしい邸宅とそこで暮らしていた人の歴史を感じたところでお雛様を拝見します。

留吉の養子の子供、歴代の青山家に嫁いできたお嫁さんが嫁入り道具として持ってきたお雛様です。
旧青山本邸所蔵の『古今雛』と五日町本間家所蔵の『昭和初期雛』です。
どちらも現在のお雛様と変わらない特徴の雛人形です。なかには鶴と亀の人形や、お魚が着物を着ているような珍しい人形もあり、楽しみながらみることができます。

当時の留吉や青山家の人たちはどんな気持ちで雛人形を飾り、眺めていたのでしょうか?荒波に立ち向かい、幾度の悲しみや困難を越えて、ひたすら夢を追いかけた留吉。成功したあとも漁業に精をだし、家族を想って家族のために尽くした日々。お雛様はそんな青山家の人たちを見守りながら、そのほほえみで束の間の安らぎや希望を与えていたのかもしれません。留吉や青山家の人たちの歴史を通してみるお雛様は、選んだ道が困難だとしても、諦めずに努力すれば必ず報われる日はくると教えてくれているようでした。

旧青山本邸の詳細

お雛様は期間限定の展示になります。母屋や隣接の蔵、離れにも多くの美術品が常設されています。

住 所 :山形県飽海郡遊佐町比子字青塚155
休館日:月曜日(祝祭日に当たる場合は翌日休館)
12月29日〜1月3日
開館時間:4月~11月:午前9時30分〜午後4時30分(入館は午後4時まで)
12月~3月:午前10時~午後4時(入館は午後3時30分まで)
入館料:<個人>一般 400円 大学・高校生 300円 小・中学生 200円
<団体(20人以上)>一般 350円 大学・高校生 250円 小・中学生 150円
交 通:JR遊佐駅/JR吹浦駅から車で15分
JR酒田駅から車で20分、国道7号遊佐町青塚地内十字路(看板あり)より集落に入り200m先
庄内空港から車で30分
お問い合せ先:遊佐町教育委員会教育課 文化係
TEL:0234-72-5892
E-MAIL:bunka@town.yuza.lg.jp

「旧青山本邸案内人会」
旧青山本邸では、地元の方によって組織される「旧青山本邸案内人会」が、邸内の特徴や展示品についての解説を行っております(要予約)。旧青山本邸にお越しの際はぜひご利用ください。
お申し込みは0234-75-3145(旧青山本邸受付)まで。
※5日前までの予約が必要です。それ以降にご予約の場合は、ガイドを手配できない場合がございますのでご了承願います。
※何名様からでもご利用いただけます。
※料金は無料です。

まとめ

庄内ひな街道の魅力を伝える第一弾として、山形県遊佐町にある旧青山本邸のお雛様を紹介しました。所蔵されているお雛様は貴重で美しく、観るだけでも楽しむことができます。しかし、歴史や当時の人々の暮らし、人生を想いながら眺めるお雛様はさらに特別なものになるはずです。お雛様を通して青山家の歴史や人々を感じてもらいたいです。心が洗われるようなお雛様に出会えます。

記事をシェアする

この記事を書いた人

Tomo

山形出身、酒田市在住のフリーランスライター。自然豊かな田舎町で猫4匹とのんびり暮らしています。都会や海外での暮らしを経て、地元の暮らしの豊かさや素晴らしさをあらためて実感。この街にある魅力を多くの人に知ってもらい、感じてもらいたい。

関連記事