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スポット  |    2025.04.22

悠久の時を経た自然の芸術!日本最南端の自然洞窟「石垣島鍾乳洞」

日本最南端の観光鍾乳洞である「石垣島鍾乳洞」。20万年もの時をかけて地球が作り出した、石垣島で最大、日本では7番目に大きい鍾乳洞です。全長3,200mという広大な鍾乳洞の中に約660mの通路が設けられており、キラキラと光る白い小道を歩いて散策することができます。

実は沖縄には鍾乳洞(ガマ)が多く存在します。沖縄本島には約2,000もの鍾乳洞があり、古くから信仰の対象となったり戦時中には住民の避難場所や野戦病院として利用されたりしてきました。

なぜ沖縄にはこんなに鍾乳洞が多いのでしょうか?それは、鍾乳洞を形成する「石灰石」が海底で生まれ、それが隆起して地上に姿を現しているから。つまり鍾乳洞は、その地がかつては海だったことを示しています。海に囲まれた沖縄ならではの、自然が作り出した美しい芸術なのです。

石垣島鍾乳洞の魅力と、そもそも鍾乳洞ができる仕組みについて、さらに詳しく掘り下げてみましょう。

石垣島鍾乳洞の見どころは?

石垣島鍾乳洞の魅力は、鍾乳洞ならではの地球の力強さを感じられることだけではありません。白くキラキラ輝く鍾乳石の自然美や、幻想的な輝きの鍾乳洞イルミネーション、透明感のある雫の音が響く水琴窟(すいきんくつ)、トトロの鍾乳石など、飽きずに散策できる工夫がなされています。

キラキラ光る鍾乳石

全国的に見られる鍾乳洞にも鍾乳石が見られますが、石垣島鍾乳洞では炭酸カルシウムの含有量が多い鍾乳石があちこちにあり、キラキラと光る輝きは他に類を見ないと言われています。

上から氷柱(つらら)のように垂れ下がる鍾乳石もキラキラ、石灰質を含む水滴が長い間したたり続けて固まり筍のように盛り上がった石筍(せきじゅん)もキラキラ。足元から頭上まで鍾乳石の白い輝きに囲まれます。

鍾乳洞イルミネーション

刻々と色を変えるイルミネーションが鍾乳石に投影されています。自然美と人の手が生み出した技術のコラボレーションです。

鍾乳石トトロ

誰が発見して名付けたのか、トトロのような形をした鍾乳石も。イメージを膨らませば、他の鍾乳石もいろんなものに見えるかもしれませんね。

滴る水の音が美しい水琴窟

水琴窟(すいきんくつ)とは、水滴が落ちる場所に穴をあけた水瓶(みずがめ)を逆さまにして置くことで、水滴のかすかな音を反響させて琴のような音を奏でる仕組みのこと。ポヨン…ピヨン…と、透明感のある音色を楽しむことができます。耳を澄ませて聞いてみてください。

シャコ貝などの化石

鍾乳洞はもともと海底にサンゴや貝などの死骸が堆積したものなので、何万年も前のシャコ貝の化石も見ることができます。見つけやすいようにプレートに書いて案内してくれているので、探してみましょう。

鍾乳洞のなりたちをもっと詳しく!

鍾乳洞ができる仕組みを、ステップごとに見ていきましょう。

  • 1. 海底にサンゴや貝などの死骸が堆積し、石灰岩が形成される
  • 2. 地殻変動によって石灰岩が陸上に隆起する
  • 3. 雨水が石灰岩の割れ目や断層に沿って浸透し、石灰岩を溶かして空洞ができる
  • 4. 空洞同士がつながったり天井が崩れたりして空洞が広がる
  • 5. 滴り落ちる水が石灰岩を溶かして、鍾乳石や石筍が成長する

Step5の滴り落ちる水には石灰質が溶けており、この水が岩肌を伝って落ちることで氷柱状の石、石筍、石柱など、さまざまな形の鍾乳石が作り出されます。人間には想像もできないほど長い年月をかけて地球が作り出す芸術ともいえます。

石垣島を訪れたら、ぜひ鍾乳洞で太古からの歴史や悠久の自然を感じてみてください。


【石垣島鍾乳洞】
  • 所在地  〒907-0023 沖縄県石垣市石垣1666番地
  • 営業時間 9:00~18:30 (最終入洞受付18:00)
  • 入場料  大人:1,200円、子ども:600円
  • 駐車場  無料
  • URL    石垣島鍾乳洞 公式サイト

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この記事を書いた人

藤原 志帆

国内外を旅しながら暮らすフリーライター。美味しい食べ物、お酒、スパイス・ハーブ、自然が好きで、五感を刺激し人の興味をそそる文章を書くのが得意。これまで暮らしてきた主な国や地域は、奄美大島、西表島、石垣島、大阪、チリ、スペイン、アメリカなど。旅では中南米6カ国28都市をバックパッカーとして周遊するなど、世界をわくわくして見つめるのが大好き。アフリカンダンサー、スパイスカレー屋さん、由布島水牛車乗務員としても活動。

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