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フード  |    2025.03.28

気心知れた仲間と一杯。神村酒造の泡盛でゆるりと楽しむ島時間|沖縄県うるま市

沖縄料理に、お土産に、旅行の思い出に。沖縄好きの方なら一度は泡盛の独特な味わいを体験された方も多いかと思います。沖縄県内には離島も含めて47の泡盛酒造所があり、それぞれの地域性や風土を活かした造り方、味の違いなどが泡盛の魅力として知られています。

今回は、沖縄県中部に位置するうるま市の泡盛酒造所「有限会社 神村酒造」と、代表する泡盛3商品についてご紹介いたします。

伝統を守り、挑戦し続ける神村酒造

神村酒造の創業は明治15年(1882年)。那覇市の繁多川(はんたがわ)から始まりました。沖縄県内の酒造所では三番目に古く、戦後の泡盛離れを救った「暖流」や伝統的製法の「守禮」は、神村酒造の主力商品として多くの方々に長年親しまれています。

令和5年度には「暖流CRAFT 3年古酒40度」が沖縄県泡盛鑑評会で“沖縄県知事賞”と“沖縄国税事務所長賞”をダブル受賞。熟成年数が若くても美味しい泡盛として評価され、泡盛業界から脚光を浴びました。

写真提供:神村酒造HPより W受賞した暖流CRAFT 3年古酒40度

大切なのはきっかけ作り。商品開発に秘めた想い

今回、神村酒造の中里迅志社長にご協力をいただき、神村酒造の代表的銘柄「暖流」と「守禮」の魅力についてお話を伺いました。

写真提供:神村酒造HPより 神村酒造 中里社長

プロフィール:中里 迅志(なかざと はやし)

沖縄県那覇市出身。1999年に那覇市からうるま市へ移転するタイミングで神村酒造へ入社。伝統的な泡盛の味を守り続けながら、泡盛の魅力を世界へ発信するべくさまざまな取り組みも積極的に行っている。

泡盛初心者はここから!ゴーヤーチャンプルーにぴったり“夏泡盛20度”

写真提供:神村酒造HPより 夏泡盛

“泡盛=きつい、アルコール度数が高い”と思われがちですが、とても飲みやすく泡盛初心者の方にもおすすめしたい商品が“夏泡盛”。 夏泡盛は、ゴーヤーなどの夏野菜の料理に合わせてつくられた泡盛です。

数種類の泡盛をブレンドした爽やかな香りとすっきりとした後味が人気。アルコール度数は20度と、とても飲みやすいのが特徴です。ブルーのボトルは沖縄の海や爽やかさをイメージしてつくられており、夏限定の商品だそうです。

NEWラベル!沖縄県産米をブレンド“守禮30度”

昔ながらの泡盛らしさと美味しさを楽しめる守禮は、多くの方に飲んでもらえるようお買い求めしやすい価格で販売されています。そしてこの守禮30度は、沖縄県産米で作られた泡盛を30%ブレンドし、お米の柔らかい甘みを加えているのが特徴。2025年3月3日に新ラベルバージョンが発売開始!おかずの味を引き立てる泡盛として、いま注目の商品です。

ウイスキー樽で熟成させた泡盛“暖流”!定番の炭酸割り“暖ボール”

写真提供:神村酒造HPより 暖流SHIP30度

暖流の始まりは、戦後の間もない頃まで遡ります。当時、ウイスキーなどのアメリカのお酒の需要が高まり、泡盛離れが進んでいた沖縄。そのような中でどうにか泡盛を飲んでもらいたいという想いから、ウイスキー樽に貯蔵してつくる新しい泡盛として“暖流”が誕生しました。構想から商品化まで10年かかったとされる暖流。今では暖流の炭酸割りは“暖ボール”として親しまれ、神村酒造のなかでも圧倒的な人気を誇るブランド商品となっています。

神村酒造の商品は、どれも飲み方や飲むシーンまでを設定してつくられているのが特徴です。食事に合った泡盛を選ぶ楽しさもあれば、自分の好きな飲み方を見つける楽しさもある。

「美味しいと思ってもらえるきっかけをどう作るかが大切」と中里社長が話すように、飲む人を想い、その時間を楽しく過ごしてもらいたいという想いを大切にされています。伝統的な味と製法を守りながら、神村酒造の泡盛は今日まで造り続けられてきました。

泡盛の印象が変わった!飲み比べで楽しむ泡盛時間

ここまでご紹介してきた神村酒造の泡盛3商品。ひとえに“泡盛”と言っても、度数や製法、それに合う料理など、それぞれに違いがあります。その違いを楽しんでもらうためには、実際に飲んでみるのが一番!ということで、友人たちを招いて神村酒造の泡盛飲み比べ会を開催しました。

関東出身の友人たちは、普段からお酒を飲むけれど泡盛に関しては数年ぶり。泡盛を口にするのは沖縄旅行以来だそうです。今回は、泡盛とそれに合った料理をいくつか食べられるということで、日曜日にも関わらず前のめりで撮影に協力してくれました。

事前に泡盛の印象を尋ねると「度数が高く、濃い」「飲んでいるときも、翌日もきつかった」との回答。“強すぎるお酒”や“沖縄で飲むから美味しい”というイメージから、日々の暮らしの中まではなかなか馴染みがないようです。

試飲を始める前に、まずは泡盛の原材料やつくり方といった基礎知識の説明からスタート。神村酒造オリジナルの3商品を目の前に、三人の表情はとても興味津々。度数、香り、色の違いを比べながら、早速20度の夏泡盛から試飲してもらいました。

夏泡盛20度オンザロック+ピーマンの塩昆布和え

ゴーヤーチャンプルーに合う泡盛として開発された「夏泡盛」ですが、野菜本来の青っぽい味と相性が良いとのこと。冬場の時期はゴーヤーが手に入りにくいので、中里社長にアドバイスをいただき、ピーマンの塩昆布和えを一品用意しました。

「夏泡盛」おすすめの飲み方は、氷たっぷりのオンザロック。20度という軽やかさと爽やかな味わいが特徴の泡盛です。初めて口にする友人たちも“飲みやすい”と声を揃えていました。古酒もブレンドされているので、香りも味わいも非常にまろやか。野菜のうま味を引き立てる夏泡盛は、季節にも食べ合わせにも特化した泡盛です。

友人のひとりは、夏泡盛の味わいを「流れ星みたい!」と表現。独特過ぎてちょっとピンとこないかもですが、爽やかに通り抜ける香りと後味の軽やかさを兼ね備えた夏泡盛にはぴったりな表現かもしれません。

守禮30度水割り+フーチャンプルー

つづいて、守禮30度。こちらは泡盛:水=3:7となるように水割りでつくりました。「おかずが美味しい泡盛」というキャッチコピーにふさわしい、ご家庭でのお食事にぴったりの泡盛です。

守禮に合わせたのは、フーチャンプルー。おかずに欠かせない“だし”との相性が抜群ということで、お麩を卵で炒るときに少し“だし”を加えて作りました。写真を撮る前に食べられてしまったのですが、だし巻き卵にも合います!

先ほどのすっきりとした夏泡盛に対して、泡盛の風味と味わいをしっかりと感じられる守禮。料理に合わせて飲み進めるほど、お酒のペースも上がって泡盛飲み比べ会も大盛り上がり。二杯目は、炭酸割りにシークヮーサーを追加。沖縄の人にとっては定番の飲み方です。

沖縄ではシークヮーサーの原液がどこでも手に入るのですが、今回は果汁10%のものしか見つけられませんでした。それでもシークヮーサーの酸味が加わることで、ガラッと変わった味わいに友人たちは満足気な様子。泡盛の独特な風味が苦手な方でも、この飲み方はシークヮーサーがとても良い仕事をしてくれますので、ぜひ試してみてください。

二種類を飲み比べた時点で、「泡盛はキツイお酒」という印象から「美味しい」「いいお酒」という風に変わったと友人は話してくれました。自分に合った飲み方、濃さを探りながらお酒の味わいもしっかり感じられると、より楽しい時間になりますよね。

暖流30度炭酸割り(暖ボール)+唐揚げ

最後は、暖流30度の炭酸割りです。暖流は、樽貯蔵ならではの琥珀色とウイスキー樽の香りが広がるのが特徴。炭酸との相性が抜群で、暖流の炭酸割り(通称“暖ボール”)は、一口飲むとこれまでの泡盛の印象がガラリと変わります。友人たちも「美味しい!泡盛?!」と驚きを隠せない様子でした。

暖ボールに合わせたのは、定番の唐揚げ。ソーセージやポテトフライも並べてあっという間に完飲完食。“初めて飲んだけど、どこか味に馴染みがある”として、暖ボールのリピート率が一番高かったです。

最近は、日本中でハイボールが飲まれるようになってきましたね。こうした背景も相まって、「“暖ボール”への関心も高まってきているのではないか」と中里社長は話されていました。

美味しいと思ってもらえる泡盛をつくり続けたい

伝統的な味わいと製法を守り続けてきた神村酒造。守り続けることは、やはり大変な時もあったと中里社長は振り返ります。古酒を熟成させるために必要な期間は三年。そのため、時代のブームに対して泡盛をすぐに供給できないもどかしさを抱えた時代もあったそうです。

「それでも品質を落とすことなく伝統的な製法を守り続けてきたからこそ、暖流のようなブランド商品の定着につながったのではないかと思う。新しい取組みに対しても“美味しい泡盛を作ったね”って言ってもらえる今がある」と語る中里社長。

飲食業界に大きな影響を与えたコロナ禍のときも、ひとりひとりのお客さんを大切にすることが重要だと再認識したそうです。こうした想いが、飲む人のことを考えた神村酒造の丁寧な商品づくりにつながっていると感じます。

泡盛を飲んだことがない方、少し苦手意識がある方はぜひ、140年以上つづく神村酒造の泡盛を一度味わってみてください。

◆神村酒造オンラインショップ

https://www.koosugura.jp

写真提供:神村酒造HP
有限会社 神村酒造

所在地:沖縄県うるま市石川嘉手苅570番地

アクセス:石川ICから車で5分(県道6号線沿)

電話:098-964-7628

※商品に関するお問い合わせは、0120-841-628まで(9:30~17:00 日曜休)

お問い合わせメール:info@kamimura-shuzo.co.jp

公式HP:https://kamimura-shuzo.co.jp/

公式Facebook:https://www.facebook.com/koosugura2000

公式Instagram:https://www.instagram.com/kamimurashuzo/

公式YouTube:https://www.youtube.com/@kamimurashuzo

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有限会社 神村酒造

神村酒造は、1882年創業の沖縄県うるま市にある泡盛酒造所です。戦後の泡盛離れを救った「暖流」や伝統的製法の「守禮」が代表銘柄です。独自のブレンド技術を活かし、時代のニーズに合わせた味の開発に挑戦し続けています。2023年には工場長が「泡盛ブレンダー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。"暖かいご縁をつなぐ"をミッションとし、泡盛を通じて人々がつながることを大切にしています。見学や直売店も運営しており、泡盛の魅力を広く伝える活動も行っています。

この記事を書いた人

ハネジユキエ

沖縄出身、埼玉在住のフリーライター。30代、二児の母。ものづくり、伝統芸能、暮らしを豊かにするモノ、地域を元気にするヒト、大人からこどもまで楽しめるコトを取材しています。

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