農業施設×複合施設で実現する持続可能な地域再生モデル

2025年6月24日 |福島県大熊町
東日本大震災から14年、福島県双葉郡大熊町に新たな地方創生の拠点が誕生しました。株式会社コネクトアラウンドが手がける農業×食×滞在の複合施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」が6月14日にオープンし、震災復興と地域活性化の新しいモデルとして注目を集めています。
「FUN EAT MAKERS in Okuma」とは

さまざまな人が農業に関わり(つくる)、美味しくて体によい食(たべる)を通じて、たくさんの人が大熊町とつながる(であう)場所です。これを実現するべく、「高付加価値農業生産エリア」「食を楽しむエリア」「様々なプロフェッショナルがつながるワーケーション滞在エリア」の3つのエリアで構成する建物と「大熊町と様々な人がつながる」半屋外エリア、「大熊町の自然の景色とつながる」屋外エリアの5つで構成されています。
https://www.instagram.com/funeatmakers_okuma/
「FUN EAT MAKERS in Okuma」の取組み
地方創生の核となる「3つの価値」を提供
同施設は、アグリテック事業を軸とした6次化農業により、以下の価値を地域に提供します:
1. 雇用創出による地域活性化
- AIやIoT技術を活用した最新野菜工場での雇用創出
- ユニバーサルなワークフローで多様な働き方を実現
- 地域住民の定着促進と移住促進効果
2. 持続可能な農業システム
- 明治大学との連携による栽培技術の知財提供
- 高付加価値農業生産による収益性向上
- 環境負荷軽減型の農業モデル構築
3. 交流人口拡大による経済効果
- ワーケーション滞在エリアでの関係人口創出
- レストラン「ノキシタキッチン」での地域食材活用
- 観光コンテンツとしての建築見学会実施
話題の建築コンセプト「連なるノキシタ」が創る新しい交流空間
建築面では、クリーク・アンド・リバー社建築グループが「連なるノキシタ」をコンセプトに設計。木造建築の温もりと機能性を両立させ、地域住民と来訪者を自然につなぐ半屋外空間を創出しています。
写真映えスポット多数:連なるノキシタの魅力

- 総延床面積:1,282.87㎡の木造平屋建て
- 野菜ファクトリーの透明性ある栽培室
- インスタ映えするノキシタパークとビオトープ
- 地域の自然景観と調和した外観デザイン
オープニングイベントに見る地域の期待と反響
6月14日に開催されたオープニングイベントでは、大熊町の吉田淳町長をはじめ、多くの家族連れが来場しました。






イベント内容
- 地元農家の野菜詰め放題(大盛況)
- 特製ランチの提供(地域食材100%使用)
- 参加型ライブペイント(地元アーティスト協力)
- ビオトープでのヨーヨー釣り(子ども向け)
- 建築見学会(専門家による解説付き)
SNS拡散による現代の地方創生の形:公式SNSでの情報発信
来場者によるInstagram投稿やレビュー投稿が、従来の行政発信では届かない層への情報拡散を実現し、関係人口の創出と地域イメージの向上に寄与する取り組みとして、新鮮な地方創生アプローチが期待できる事例です。
- 公式Instagram:@funeatmakers_okuma で運営中
- 施設情報や収穫された野菜、レストラン「ノキシタキッチン」のランチ情報など配信中
雇用創出と今後の展望
雇用創出効果
- 現在従業員を積極募集中(採用ページで詳細確認可能)
- 土日祝日営業開始に向けた人員確保を推進
今後の展開計画
- 2025年秋:土日祝日営業開始予定
- 2026年春:宿泊施設併設を検討
- 2027年:他地域への展開モデル確立
地方創生成功事例としての意義
本プロジェクトは、経済産業省の「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金」を活用し、震災復興と地方創生を同時に実現する先進事例として位置づけられています。
成功要因の分析
- 最新技術と地域資源の融合
- 多様なステークホルダーとの連携
- 持続可能なビジネスモデルの構築
- 地域住民のニーズに応じた段階的展開
【コネクトアラウンド代表取締役社長・浅井司よりコメント】
「FUN EAT MAKERS in Okuma」は、さまざまな人が農業にかかわり(つくる)、美味しくて体によい食(たべる)を通じて、たくさんの人が大熊町とつながる(であう)場所になりたいという想いを込めて開業しました。こちらの施設で生産するリーフ野菜やミニトマト、地元生産者や食品会社の食材を使ったお惣菜パックを、全国の皆さまにご利用いただけるようお届けします。また、日常のお食事やお買い物ができる場所として、大切なご友人やご家族と過ごす場所として、子供たちが食につながる学びを得られる場所として、町内外の皆さまに愛されるように大切に育んでまいります。
全国の皆さま、ぜひ大熊町に遊びに来てください。
施設概要・アクセス情報
FUN EAT MAKERS in Okuma
- 住所:福島県双葉郡大熊町大字下野上字原94-5
- 営業時間:平日11:00~14:00(ラストオーダー13:00)
- 定休日:土・日・祝日(イベント時は営業)
- 公式Instagram:@funeatmakers_okuma
- 駐車場:完備(大型バス対応可)
アクセス
- 常磐自動車道大熊ICより車で5分
- JR大野駅よりタクシーで10分
【本施設に関するお問い合わせ】
株式会社コネクトアラウンド
「Fun Eat Makers in Okuma」担当者
Mail: info@c-aro.com
※本施設で使用する水は、放射性物質モニタリング検査が実施され、放射性物質が不検出の水道水を使用しています。
https://bit.ly/44PIxCD
「FUN EAT MAKERS in Okuma」 建築情報
「FUN EAT MAKERS in Okuma」の建築設計を手掛けたクリーク・アンド・リバー社建築グループは、「連なるノキシタ」を建築コンセプトに据えた設計を実現した。このコンセプトは更新性・透明性・滞在性という3つの要素を備えており、生産・加工・出荷・消費・滞在といった異なる機能を持つ建物群を一つの屋根で結ぶことで、建物間に軒下空間を意図的に創出。地元住民と来訪者を緩やかにつなぐ交流の場として機能している。








■建築コンセプト
「連なるノキシタ」
■所在地
福島県双葉郡大熊町大字下野上字原94-5
■敷地面積
13,967.80㎡
■施設情報
建築面積:1,451.68㎡
延床面積:1,282.87㎡
用途:工場(栽培室、加工場)レストラン、マーケット
構造:木造 地上1階建て
建築完成:2025年5月23日
操業開始:2025年6月14日
■ビニールハウス
延床面積:2,184.00㎡
用途:農作物生産
■設計等関係者情報
施主:コネクトアラウンド
クリエイティブディレクション、マスタープラン:NOTE・青木大輔
企画設計:クリーク・アンド・リバー社
建築PM:クリーク・アンド・リバー社・松葉力
意匠:NOTE・青木大輔
構造:ロウファットストラクチュア・横山太郎
設備:山崎設備設計・山崎純悟
外構:マインドスケープ・柳原博史
施工:クレハ建設
VIデザイン・サイン計画 :NOTE
栽培ユニット:スパイスキューブ・須貝翼
フードディレクション:UMEZOO・梅津信吾
食品加工コンサルティング:ドーワテクノス・江川慎司
ブランドプランニング:ジャンブルジャンクション・加藤寛之
ビニールハウス設計・施工:AGS・向後武彦
栽培技術・知財提供:明治大学
【主なプロジェクトメンバーのプロフィール】

浅井 司/株式会社コネクトアラウンド 代表取締役社長
2001年、明治大学大学院農学研究科農芸化学専攻修了(施設園芸、養液栽培技術研究に従事)後、クリーク・アンド・リバー社入社。Web関連の人材派遣営業、アウトソーシング事業プロジェクトマネジメント、オープンイノベーション推進事業立ち上げなどに従事。2022年、株式会社コネクトアラウンドへ出向、代表取締役社長就任。

青木大輔/株式会社NOTE 代表取締役
2010年、武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程デザイン専攻建築コース修了後、naf architect &design Inc.に入社。14年、NOTEを創業。22年、FUNEAT MAKERS事業立ち上げに伴いC&R社との設計業務を開始。23年、NOTEを法人化し、代表取締役就任。一級建築士。

松葉 力/株式会社クリーク・アンド・リバー社 建築グループ
1991年、芝浦工業大学大学院建設工学専攻修士課程修了後、株式会社武田光史建築デザイン事務所入所。1999年、tele-design collaborationnetwork設立に参画。2002年、株式会社テレデザイン取締役。その後、株式会社リプラス、三菱地所ホーム株式会社などを経て、2015年、クリーク・アンド・リバー社入社。建築プロデューサー。
【本建築に関するお問い合わせ】
株式会社クリーク・アンド・リバー社
「Fun Eat Makers in Okuma」担当
Mail: info_archistudio@hq.cri.co.jp
【コネクトアラウンドと大熊町】
コネクトアラウンドは、2022年10月に経済産業省の「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金(製造・サービス業等立地支援事業)」七次公募の事業者として採択され、東日本大震災による原子力災害により、甚大な被害を受けた福島県双葉郡大熊町の特定復興再生拠点区域(2022年6月に避難指示が解除)において、AIやIoT、最新水耕栽培の先進技術を活かした6次化スマート農業を通じた、震災からの復興と地方創生に貢献する事業を進めております。また、2023年1月には、福島県大熊町と「企業立地に関する基本協定」を締結し、2025年6月にアグリテックを活用したミニトマトなどの野菜の栽培や2次加工品の製造・販売を行う6次化農業施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」を開設いたします。
【クリーク・アンド・リバー社建築グループについて】
C&R社は2013年より、建築業界に特化したエージェンシー事業をスタート。企業合同説明会やキャリア相談、セミナーなど、建築業界に携わるプロフェッショナルの皆さまのキャリアアップとスキルアップをサポートしてまいりました。建築士や設計士など、建築分野のプロフェッショナルの皆さまに向けては転職支援サービス「アーキテクト・エージェンシー」のほか、建築業界の最新情報をお届けする情報サイト「Architect‘s magazine」を展開。また、BIMスペシャリストのコミュニティ「BIMnoba」とBIMスペシャリスト育成のための「BIMnobaスクール」、業界未経験者のための建築プロフェッショナル育成&就業支援プログラム「C&R Architect Academy」を運営しております。そのほか、住み手のライフスタイルとオーナーの収益性を兼ね備えた賃貸住宅をプロデュースする「CREATIVE RESIDENCE®」や、建築士・工務店と注文住宅を建てたい人の双方をVR空間で結び付けるVR建築展示場「XR EXPO®」も展開中です。
https://www.arc-agency.jp
株式会社コネクトアラウンド 会社概要
本 社 : 東京都港区新橋四丁目1番1号 新虎通りCORE
設 立 : 2022年4月
代 表 者 : 代表取締役社長 浅井 司
事業内容:農産物および食料品の生産・加工・販売/レンタルワークスペースの運営/飲食業/有料職業紹介業/ブランディング・プロモーション
U R L : https://c-aro.com/
アグリテックと異業種プロフェッショナルのアイデアを融合させた新たな農業ビジネスを構築し、ダイバーシティ&インクルージョンの実現および農業を基軸とした地域雇用の促進と産業振興などを図るため、2022年4月に設立されました。 2023年2月には、川崎市中原区に6次化i農業ビジネス&実習施設「FUN EAT MAKERS 武蔵新城」を開設し、そこで生産したリーフ野菜を川崎市内や東京都内の飲食店へ販売するほか、企業向けには生産品を活用したトルティーヤサンドや炊き込みごはんなどのランチボックスの提供もスタートしております。また、2025年6月には、「農業」と「食」をテーマとした複合施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」(大熊中央産業拠点プロジェクト)を福島県大熊町にオープンいたします。
株式会社クリーク・アンド・リバー社 会社概要
本 社 : 東京都港区新橋四丁目1番1号 新虎通りCORE
設 立 : 1990年3月
代 表 者: 代表取締役社長 黒崎 淳
拠 点 : 東京(本社)・大阪・札幌・仙台・さいたま・横浜・川崎・高崎・金沢・名古屋・京都・神戸・高松・広島・福岡・熊本・那覇/ソウル・上海・北京・ロサンゼルス・モントリオール
事業内容:映像、ゲーム、Web、広告・出版、作家、舞台芸術、建築、AI/DX、アスリート分野のプロフェッショナルに特化したエージェンシー事業(派遣・紹介)、プロデュース事業(開発・請負)、ライツマネジメント事業(知的財産の企画開発・流通)を展開しています。C&Rグループとしては、医療、IT、会計、法曹、ファッション、食、ライフサイエンス、CXO、アグリカルチャー分野で同事業を展開しており、その分野は合わせて18にまで拡大しています。
U R L : https://www.cri.co.jp (コーポレートサイト)
https://www.cri.co.jp/website-sns/ (公式サイト・SNS一覧)
https://www.creativevillage.ne.jp/ (プロフェッショナル×つながる×メディア「CREATIVE VILLAGE」)