2025年7月22日、宇陀市・那智勝浦町・カンボジア国際交流事業 OLYMPIC Trials 2025 記者発表会に参加しました。
日本式の教育を受けたカンボジアの小学生一行が来日し、国内2か所で日本を代表するトップアスリート、地元小学生らとスポーツを通じた国際交流を始めます。
記者発表会では、カンボジアと日本の友好に尽力された第100代・第101代内閣総理大臣の岸田文雄氏を迎え表敬セレモニーが開催されました。

“魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える”
公益社団法人 CIESF(シーセフ)は、この方針を掲げ2009年より「国境なき教師団」の派遣をしています。
この方針のきっかけとなったのが、創立者の大久保秀夫氏がカンボジアでの支援を要請され、現地を視察した際のこと。
カンボジアはポルポト政権時に知識層8割が殺害され、すべての教育が失われた歴史があります。
各国・各団体が施設など《ハード面》を短期的に支援していた中、実際にカンボジアの現地の悲惨な状況を目の当たりにした大久保氏は、本当に大切で必要な支援はモノを与えるのではなく人や教育をサポートすることだと感じたそうです。
「自分さえよければ、自分の国さえよければ、今さえよければ」このような考え方が蔓延している現代で、国連が採択した持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには地球益【地球上すべての者にとっていいこと】という考え方を持った人材を育成することが重要と、CIESFは考えています。
カンボジアの子どもたちに質の高い教育を届ける
CIESFは「地球益があたりまえの未来を実現する」ため、2016年に幼小中一貫校 CIESF Leaders Academy(以下:CLA)を設立。
カンボジアの子どもたちに質の高い教育を届け、カンボジアの次世代のリーダーを育てています。
2024年10月には小学6年生までが揃い、2025年10月からは中学部がスタートする予定です。
今回はCLAで日本式の教育を受けた第一期入学生10名が日本を訪問し、日本のトップアスリートの方々とスポーツを通じて国際交流を3日間にわたって行います。
この写真は記者発表会にて、CLA第一期生10名がCLAの校歌を岸田文雄氏に披露した際の写真です。

日本語の歌詞も多く、岸田氏へのご挨拶も直接日本語でしていました!
通訳なしで話せるよう、練習してきたのでしょう。
今回訪問地として選ばれたのは、下記の2市町です。
・奈良県宇陀市
日本発祥の地、薬草発祥の地、日本刀発祥の地、日本初オーガニックビレッジ宣言 他
世界で最もDXが進んでいる国家と言われているエストニアと中学生国際交流を実施している
・和歌山県那智勝浦町
神武天皇上陸地、生まぐろ水揚げ日本一、世界遺産「熊野那智大社」「那智御瀧」 他
アメリカ合衆国・カリフォルニア州モントレーパーク市と高校生国際交流を実施している
国際貢献のため立ち上がった日本のオリンピック選手たち
カンボジアでは年間2000人の児童が水難事故で犠牲になっています。
カンボジアにおける「水の事故」を減らすという国際貢献のため、日本のオリンピック選手が立ち上がりました。
・寺川綾さん-2012年ロンドンオリンピック100m背泳ぎ・400mメドレーリレー銅メダリスト。
・千葉すずさん‐1993年パンパシフィック選手権200m・400m日本新記録更新。1996年アトランタオリンピック女子水泳チームキャプテン
・佐伯美香さん‐全日本チームのエースとして1996年アトランタオリンピックに出場。
・遊佐雅美さん‐ライフセービング世界選手権ビーチフラッグス優勝4回。「全日本ライフセービング選手権」通算22回優勝。
・石川雄介さん‐北京オリンピックバレーボール日本代表。東京オリンピックビーチバレーボール日本代表。
宇陀市では寺川綾さん・千葉すずさんによる水泳教室を開催します。
また、和歌山県下最大級のビーチを持つ那智勝浦町では、佐伯美香さん・遊佐雅美さん・石川雄介さんによる海辺の安全教室・ビーチスポーツ体験が実施されます。
上段:オリンピアンによる水泳教室|宇陀市
下段:日本代表アスリートによるビーチスポーツ体験と海辺の安全教室|那智勝浦町






スポーツを通じた国際交流が持つ意味とは
奈良県宇陀市と和歌山県那智勝浦町は、「日本建国象徴の地」として、太古からつながりがあります。
初代天皇の神武天皇は現在の宮崎県から、船で那智勝浦町に上陸。八咫烏(やたがらす)に導かれ宇陀市での戦いに勝利し大和平定を成し遂げ、日本建国を宣言したと古事記・日本書紀に記されています。
こうした日本を象徴する地域で、異なる地域の子どもたちが「スポーツ」を通じて交流することで、相互理解や友情を深めるきっかけとなります。
これからの日本においては、「グローバル社会で生き抜く力」が重視されています。
この企画では、今回の国際交流を通じて子どもたちが他国の価値観や文化を理解し、国際的な課題にも目を向けるきっかけとなることを目指しています。