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もの・こと  |    2025.11.05

創業160余年!木桶で味噌を作り続ける「玉那覇味噌醤油」が、クラウドファンディングに挑戦!|沖縄県那覇市  

有限会社 玉那覇味噌醤油の創業開始は、琉球王朝の末期1855~1860年頃。戦争により記録が消失したため、正確な創業開始の年は不明だといわれています。

沖縄県那覇市の首里城近くで、昔ながらの木桶で天然醸造の味噌を作り続ける「有限会社 玉那覇味噌醤油」が、伝統の味を守るためクラウドファンディングに挑戦します。
同社のこだわりの味噌づくりとクラウドファンディングを行う背景について紹介しましょう。

大正時代から残る煙突。昔は、薪で火を焚いて米や大豆を蒸していました。

こだわりの味噌づくり

同社がつくる味噌の主な製造工程は、次のとおりです。

1.製麹(せいぎく)4日間
月曜日から木曜日にかけて米麹をつくる。

2.仕込み
金曜日に蒸した大豆、米麹、塩(シママース)を混ぜ合わせて、木桶に詰める。

3.熟成(夏は3~4カ月前後、冬は5~6カ月前後)
木桶で、天然醸造を行う。人工的な熱を加えたり冷ましたりせずに、自然の温度で熟成するため、季節により必要な期間も異なってくる。

このように同社は自家製麹を使い、熟成期間中は自然な温度のなか木桶で天然醸造を行い、無添加の味噌を作り続けてきました。

大手メーカーでは「速醸法」という、温度を上げて発酵を早め、添加物で味を補う製造法が主流になっているといわれています。

そのようななか、同社は「自家製麹」「天然醸造」「無添加」にこだわりをもってきました。

大豆は「煮る」のではなく「蒸す」というこだわりもあります。煮ることで味噌の色合いは良くなりますが、大豆の旨味が煮汁に出てしまうので、味が物足りなくなるそうです。

さらに「塩」は沖縄で長く愛されてきた「シママース」を使用しています。

2~3日かけてつくった米麹を塩切り(麹菌の繁殖を抑える作業)する様子

伝統の味噌作りを支えた木桶

今回のクラウドファンディングの目的は次の2つです。
・味噌を作る道具としての「木桶」を新しく調達すること
・沖縄の「木桶文化」を復活させること

同社の味噌づくりを支えてきた木桶は、約80年使用しておりかなり古いものです。
数年後に工場の建て替えを予定していて、その前に新しい木桶を使用したいと考えています。なぜなら、今の工場内に染み付いた蔵付き酵母を新しい木桶に移す必要があるからです。

蔵付き酵母は、その蔵(工場)特有のうま味や香りをつくり、個性をもった味噌をつくりだします。

工場内の伝統的な蔵付き酵母を新しい工場に移すために、まずは木桶に移すという計画を立てました。

試しにファイバー製の桶でつくったことがあるのですが、味が全く変わってしまったとのこと。伝統の味を守るためにも「木桶」で熟成するのは欠かせません。

いざ新しく木桶を調達しようとしたところ、沖縄県内には桶屋さんがなく、木桶をつくれる人がいないということが分かりました。2000年頃を境に、沖縄に木桶をつくれる人がいなくなったといわれています。これは沖縄県内における「木桶文化」の危機であり、同社は木桶文化の復活に向けた取り組みを考えました。

その取り組みとは、「木桶を組む様子を沖縄県内の人々に見てもらう」というものです。

今回調達する木桶は2つ。
1つは長崎県の五島列島で、職人に製作を依頼します。
もう1つは、材料の準備や切り出しなどを長崎県で行った後に、沖縄に材料を持ち込みます。そこで、「結い物で繋ぐ会」の木桶職人の方々を全国各地から招き、沖縄で組み上げてもらう予定です。

「この組み上げの様子を公開して、沖縄の人々に見てもらうことで木桶づくりへの関心をもってもらい、やってみたいと思う人が現れたらうれしい」という期待を同社は語っています。

木桶の公開組み上げは2026年2月6日から4日間、沖縄県立芸術大学で行う予定です。

玉那覇味噌醤油の味噌づくりに欠かせない長年使用してきた木桶

今後の展望と事業継承

伝統的な製法を守りつつ、機械化できる部分と手作業を残す部分を見極めながら事業を継承していきたいと考えている同社。

お客様からの「美味しい」という声がなによりの励みになっているとのこと。
「誇りをもって働ける環境をつくり、次の担い手を育てていきたい」という事業継承への想いのもと、多くの人に愛される味噌をつくり続けます。

クラウドファンディングについて

2025年11月5日から開始して、約40日間を予定しています。詳しくは、下記のページをご覧ください。

クラウドファンディングについてはこちらでご確認ください。
https://www.tamanahamiso.co.jp/view/news/20251020145338

(左)縁が欠けた古い木桶の底          (右)予行演習用のミニ木桶
有限会社 玉那覇味噌醤油

住所:〒903-0823  沖縄県那覇市首里大中町1丁目41
電話番号:098-884-1972

オンラインショップ:玉那覇味噌醤油公式オンラインショップ
Instagram:有限会社 玉那覇味噌醤油
X:玉那覇味噌(沖縄 首里の味噌蔵)

直売所(同住所)
営業時間 ※祝日は休み
月曜日:13時30分~15時30分
火曜日:13時30分~15時30分
水曜日:定休日
木曜日:13時30分~15時30分
金曜日:13時30分~15時30分
土曜日:定休日
日曜日:定休日

※味噌は、沖縄県内のスーパーでも購入できます。

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この記事を書いた人

まりん

沖縄生まれ沖縄育ちの沖縄在住ライター。趣味は、ピアノ、ライブ参戦。記事を通して、地元沖縄を応援していきます!

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