皆さんは読み終わった本はどうしていますか。
フリマアプリに出品したり、業者に買い取ってもらったりする方もいるかもしれませんね。
町田では秋に古本中心のフリーマーケットが開催されます。
今回は本好きの方におすすめの町田市の「文学館まつり」をご紹介します。
文学館での企画展やフリマに参加すれば、新しい本への扉が開くことでしょう。
町田市民文学館では町田ゆかりの作家の企画展を開催中
「町田市民文学館ことばらんど」は、JR横浜線町田駅ターミナル口からゆっくり歩いて約10分。
この文学館は、遠藤周作氏のご遺族から蔵書(約2800冊)や遺品が寄贈されたことがきっかけで2006年に開館。(参照:2019年町田市教育委員会資料)
遠藤周作氏は「狐狸庵」と命名した町田の自宅に1964年から20年余り住んでいました。
2023年10月22日(日)の文学館まつりでは「生誕100年 遠藤周作展 ミライを灯すことば」が開催中でした。『海と毒薬』『沈黙』などの著書や直筆原稿を目の当たりにすると、作家への親近感がわき、また再読してみたくなりました。
町田ゆかりの作家は「三毛猫ホームズシリーズ」の赤川次郎氏、『人間の証明』の森村誠一氏、『舟を編む』の三浦しをん氏、町田の武相荘(旧白洲邸)で有名な白洲正子氏など。文学館では作家の企画展がよく催されています。
1階部分は図書の貸し出しコーナーも。
おまつりの日には映画会や落語寄席が開催され、スーパーボールすくいや鉄道ジオラマのコーナーなど親子で楽しめるイベントが盛り沢山。
フリマでは本や手作り品などの販売も
文学館前の通りは歩行者天国になり、フリマが開催されていました。
皆さん思い思いのお店を出しています。
文学館のおまつりなので古本を出品する方が多いようです。なかには自作の本を売っている方も。
ある店主さんとお話すると、お医者さんをしながら趣味でラジオ発信や読書会をしているとか。札幌から仕事の先輩も駆けつけ一緒にフリマを手伝ってくれているとのこと。札幌から町田に引っ越してきた経緯や勤務先のことなど、話題がいろいろ広がります。
本だけでなく、小物や手作り品を売っている方もいます。
こちらの店主さんは、リフォーム会社をやっている関係であちこちの方と縁がつながり、こだわりの商品を出品中。
ごぼう茶に手作りドレッシングなど、一つひとつの商品の魅力を聞いていると時間を忘れそうです。
お隣ではおしゃれな北欧柄の布で小物入れや手提げを販売している方。丁寧な手仕事の作品に思わずほれぼれ。
天然酵母や有機農法の粉を使用した手作りお菓子を出品している方も。購入したあんぱんは、甘すぎないあんこが丁度良いお味でした。
こちらではバンドの方が歌を披露。道行く人々がうっとりと曲を聴いています。
フードコーナーでは食べ物も充実
お昼をはさむと食べ物も気になるところ。
通り沿いでは飲食店による食べ歩き用の出店がされ、フリマ会場の一角にはフードコーナーもあります。
そのなかでも黄色い車体がかわいいキッチンカーに目が引き寄せられました。
早速トマトカレーとスパイシーレモネードを注文。
トマトカレーはターメリックとトマトの色が鮮やかで、食欲をそそります。ルーの上にはチーズもトッピングされ、酸味もまろやか。
レモネードは有機レモンが使用されているので安心して食べられ、スパイシーで爽やかな味でした。
お店の方によると、キッチンカーはクラウドファンディングで手に入れた車だとか。町田市の鶴川地域で「つるかわ子どもこもんず」として取り組んでいる事業の一つだそうです。近隣の子どもたちと地域の方々を結ぶ学習サポート事業がきっかけで団体が設立されました。キッチンカーの収益は不登校の子を支える活動の運営資金の一部になるのだそう。子どもたちへの熱い想いに、思わず引き込まれてしまいました。
おまつりは本を通して人と出会う場所
今回は町田文学館まつりをご紹介しました。
展示会やフリマをちょっとのぞいてみようと軽い気持ちでしたが、店主さんとの会話がはずみ楽しい1日が過ごせました。
皆さんも秋の「文学館まつり」に参加して、本を通して人とのおしゃべりを楽しんでみてはいかがでしょうか。
町田市民文学館では1年中企画展やイベントがあります。
ぜひ、興味のある作家さんがいたら立ち寄ってくださいね。
芹ヶ谷公園にも近いので、一緒に訪れるのもおすすめです。
町田市民文学館の情報
町田市民文学館ことばらんど
住所:東京都町田市原町田4-16-17
開館時間:午前10時~午後5時
休館日:月曜日(祝休日の場合は開館)、毎月第2木曜日(祝日の場合は次の平日)、12月29日から1月4日/特別整理日等