飯能市内の小高い住宅街のなかに佇む、一軒のお店「ömatsu(オマツ)」。
手作りパンと自家焙煎コーヒー、焼き菓子に水引雑貨。ここでしか買えないお目当ての商品をもとめて開店と同時に多くの人が訪れる人気店です。
店内には、カウンターが4席。ひとつひとつセレクトされたアンティークな椅子やテーブルが並び、初めての方にもどこか懐かしさと安心感を与える落ち着いた空間になっています。
出迎えてくれるのは、店主の松本 優衣(まつもと ゆい)さん。お店にあるすべての商品を、松本さんお一人でひとつひとつ丁寧に作られています。
おいしくて、癒される空間。大切な人にだけこっそり教えたくなるお店。
そんなömatsuのいろいろを、松本さんに伺いました。
ふんわり甘さ広がる手作り食パン オマツのおもてなし
ömatsu に通う目的はひとそれぞれ。食パン、コーヒー、焼き菓子、雑貨。その人によって”〇〇のお店”という認識で、いろんな角度からömatsuを楽しんでいるそうです。
はじめて訪れたときに食べたのは、生食パンと生はちみつの組み合わせ。厚さが気にならないほど柔らかい触感と、ふんわり甘さが広がっていく食パン。飯能市内の養蜂家から取り寄せている生はちみつとの相性も抜群。ömatsuの食パンは、一度食べたら絶対にファンになる、忘れられない美味しさがあります。
食パンを使ったイートインメニューも豊富で、選んでいる時間もワクワク、楽しい。使われているお皿は、松本さんお気に入りの益子焼。一枚一枚お皿の色やデザインが異なり、可愛らしい見た目も相まって気持ちが華やぎます。
ömatsuでは飯能産の素材を積極的に取り入れているそう。はちみつ、抹茶パウダー、ハーブティー、小麦。今後は、市内の製餡所でつくられている“あんこ”も取り入れたいと考えているとのこと。
「お店を続けてきたなかで、本当にたくさんのいろいろな出会いをいただいて。飯能産のものを使っていると、お客さんにも喜んでもらえている気がします」と話す松本さん。
実際、お店をやりながら飯能産の農産物を使って人と人をつなげる「くるくるはんのう」の活動にも参加されています。
ここでの暮らし、お店に通うお客さんとの出会い、人とモノの繋がりを大切にされていることが松本さんのお話のなかからも、ぐっと伝わってきます。
自家焙煎&オリジナルブレンド オマツコーヒー
ömatsuの人気のひとつ、自家焙煎コーヒー。店内では、オリジナルブレンドでつくられた「すっきり」と「こっくり」の二種類を楽しめます。去年完成した焙煎所では、豆や粉、ドリップバッグでの販売も行っているので、手土産としても喜ばれています。
お店をはじめた当初は、焙煎機もコーヒー販売用のスペースもなく、市内にある“上田珈琲豆焙煎堂”でオリジナルブレンドをつくってもらい提供していたそう。
このブレンドの味を決める際も、松本さんご自身で数種類の豆を何度も試飲し、組み合わせながら、上田さん協力のもと一緒に作り上げたとのこと。そのおかげで、今あるオマツブレンド「すっきり」は、当初からの味わいに近い仕上がりになっているそうです。
「もともとコーヒーが好きで、いつか自分たちで珈琲をつくりたいと思っていたときに気になる焙煎機に出会って、思わず衝動買いしました。新しいことを始めるのは大変。でもコーヒーはおもしろい世界だなと思っています」と明るく話す松本さん。
自分の好きなこと、好きなものに囲まれている空間。でも、それだけでない丁寧なつくりこみがあるからこそのömatsuの世界観。それが“おもてなし”となって、訪れた方の「また来たい」と思える場所になっているのだと感じました。
贈り物にもうれしい オマツのおやつ&お祝い雑貨
お持ち帰りメニューも豊富なömatsu。店内の一角には、お持ち帰り専用のアイシングクッキー、グラノーラ、食パンと、お手製の水引雑貨がずらりと並んでいます。それぞれ選べる味の種類も豊富で、買い物だけに来店される方もたくさんいます。
飯能でömatsuをはじめる前は、都内の飲食店で働きながらアイシングクッキーを作ったり、イベントで販売をしたりして、開店に向けた準備をしてきた松本さん。こどもの頃からものづくりが好きで、いつか自分のお店をもちたいと思い始めたのは中学生のときだそうです。
自然豊かな暮らしをもとめて飯能へ移住し、2019年5月にömatsuをオープン。新しい暮らしのスタートと同時に、長年の夢を飯能で叶えました。
ひとつひとつお手製でつくられている水引雑貨は、独学ではじめたもの。最近では、秋めいた色合いのものが並ぶようになり、季節感も楽しめます。お店を訪れた際はぜひ、お気に入りの雑貨を探してみてください。
お客さんとの心地の良い距離感を大切に
飯能でお店をはじめて、6年目を迎えているömatsu。これまでにいただいたお客さんの声を大切に、営業日やテイクアウトできるパンの種類を増やすなど、新しいことにもチャレンジされています。また、最近では外での販売も始めたことによって、立ち寄ってくださるご近所の方も増えてきたそうです。
「飯能市内の飲食店は個人店も多く、営業日数が少なかったり、場所が分かりにくかったりします。そんななかでも、Instagramを見て市内外からお店にきてくださる皆さんの優しさに触れる場面がたくさんあります」と松本さんは言います。
子育てしながらお店を続ける大変さを、お客さんも理解してくれていたり、飲食店同士もつながっていたりと、お話を伺いながらとても温かい気持ちになりました。
お客さんとの心地よい距離感を大切に、これからも続けていきたいそうです。
ömatsu
住 所:埼玉県飯能市中山662-15
営 業 日:毎月Instagramにて更新
営業時間:10時30分~15時
駐 車 場:3台
Instagram:@omatsu.ig
※その他、詳しい情報はInstagramよりご確認ください。