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もの・こと  |    2024.02.06

古着の寄付と購入で社会貢献に参加できるお店|江東区清澄白河Uzu charity shop(ウズチャリティショップ)

カフェが立ち並び、緑豊かな公園も多い江東区清澄白河。

少し入り組んだ路地を入るとUzu charity shop(ウズチャリティショップ)があります。
子供服と婦人服の古着を取り扱い、キッズスペースも完備されているかわいらしい店内。

今回は、まだ日本では数少ないチャリティーショップを始めたきっかけと想いについて、店主の荒井さんにお話を聞きました。

小さな力を集めて大きな敵に立ち向うスイミーの物語から魚モチーフの看板にした

チャリティショップってどういうお店?

チャリティショップとは市民から寄付を受けた品物を販売し、得た収益を社会貢献に使うお店のこと。
子どもの貧困、動物愛護、ホームレス支援など、多くの社会問題から何を支援するのかはお店によって違います。

商品の買取りをするリサイクルショップと違い、寄付された商品を販売し、ボランティアスタッフによって運営されているのが特徴です。

「循環の渦で人も動物も地球もHappyに」のコンセプトから名付けられた『Uzu charity shop』

可能な範囲でDIYをした温かみのあるお店

店内にはたくさんの子供服や婦人服、靴、帽子などの小物が並んでいます。
子供服は50cm〜140cmと幅広いサイズを取り扱っており、状態のいいものばかり。

習い事の発表会に使えるドレスや、季節によってはハロウィン用の衣装なども取り扱いがあり、商品が入れ替わるサイクルも早いのでいつ見に行っても新しい服に出会えます。すぐにサイズが合わなくなる子供服を安く購入したいママ、パパさんにとってとても嬉しいお店ですね。

Uzu charity shopでは買取りはしていませんが、寄付してくれた人にワッペンやシールが入ったガチャガチャをさせてくれます。子どもも喜ぶので、それがまた嬉しかったり。

店内にはキッズスペースが完備されており、おもちゃや絵本も豊富。
子どもと一緒に来ても、遊ばせながらゆっくり買い物ができるように嬉しい工夫がされています。

お店を始めたきっかけはアニマルウェルフェア(動物福祉)の考えから

売上金の一部を寄付している山口県の動物保護団体「まあくんハウス」

以前に約3年ほど住んでいたイギリスでは、アニマルウェルフェア(動物福祉)が進んでいたと荒井さんはいいます。

イギリスのペットショップは生体販売をしておらず、ペットを飼いたい場合はブリーダーを経由するか、保護された動物を迎え入れるかの選択をするのがほとんど。
ドラッグストアでは、動物実験をしていないことを証明するマークがコスメに付けられていたりと、アニマルウェルフェア(動物福祉)の考えがかなり進んでいると実感したそうです。

そのような環境で過ごした経験から、荒井さんは帰国後ホームセンターに行くと、ショーケースに入った動物に値段がつけられ、売れなければどんどんディスカウントされる状況に違和感を覚えはじめます。それと同時期に、Instagramで保護犬があと一週間で殺処分されるという投稿を目にしました。自分が迎え入れたい気持ちは山々でしたが、荒井さんは犬猫アレルギーを持っているため飼えません。

他に何かできることはないか考え、仕事で専門だったSNS広告を実費で出して里親探しをしました。しかし、集まったのは「助けてあげて欲しい」といった悲痛のコメントばかり。みんな私のように助けたい、応援したいと思っても保護活動に参加するハードルが高く、善意で出稿したSNS広告が悲しみを拡散していることに申し訳なさも感じたそうです。

動物の保護活動だけでなく、さまざまな社会課題に対して、もっと気持ちよく、気軽に無理なく参加できる方法をとりたかったと荒井さんは話してくれました。

お金や時間がある人だけが参加できるものではなく、学生でも、おじいさんおばあさんでも誰でも参加できる取り組みを考え、始めたのがUzu charity shopです。

ポジティブな感情を持って社会問題を支援したい

気さくで話しやすい店主の荒井さん

イギリスに住んでいる頃、安くてかわいい商品が手に入ることからチャリティショップをよく利用していた荒井さん。日本ではまだめずらしいですが、イギリスには1万店舗以上のお店が存在するそうです。

「イギリスでは、使わなくなったけれどまだ使えるもの、捨てるにはもったいないものなどをお店に寄付したり、路上に回収ボックスがあったりと日常的に寄付ができる環境が整っていました」

お店に寄付し、その場で必要なものを購入することで社会貢献になる。悲しい発信もなく関わった全員が幸せに近づく取り組みが、日本で浸透するのか試してみたいと思いお店を始められたそうです。

Uzu charity shopの仕組み

お店に寄付された衣類は状態を確認し、販売できるもの、寄付するもの、リサイクルに回すものに仕分けされます。

商品の一部は母子生活支援施設に届けたり、破れなどがあったものはリサイクルに回すなどして、できる限り衣類を捨てずに循環させる工夫をしています。また、売り上げの一部を、山口県防府市の動物保護団体「まあくんハウス」に寄付しています。

親子で参加できるワークショップイベントも定期的に開催しており、参加費用が震災支援や動物保護に当てられています。

チャリティショップの存在をもっと知ってもらいたい

「将来的には店舗を増やしたい気持ちがあるけれど、まずは今の店舗を安定的に運営して、地域のイベントにも参加してお店のことを知ってもらう機会を増やしたいですね」と話してくれた荒井さん。

使わなくなった服を寄付することで誰かの支援につながる。

小さな寄付が大きな社会問題に立ち向かう力に変えられる場所として、チャリティショップの存在を知ってもらえるような発信を続けていきたいと教えてくれました。

Uzu charity shopでは衣類の寄付とボランティアさんを募集しています。
日々の活動に関して、詳しくはInstagramをご覧ください。

記名がタグにある場合はタグをカットして利用することもあります
【店舗情報】

Uzu charity shop(ウズチャリティショップ)
住所:東京都江東区平野2丁目3-16-103
最寄駅:清澄白河駅から徒歩10分
営業日:木・金 12:00~16:30、土・日 12:00~17:00
支払い方法:現金、PayPay

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この記事を書いた人

岸野 真利英

北海道旭川市出身、東京在住で、バリスタをする傍ら2人の子供を育てるママライターです。周りは自然や公園が多く、下町文化の中に新しいカフェも点在しています。素敵なお店や地域の魅力をシェアできたら嬉しいです。北海道に帰省する際は、地元の情報も発信していきますね!夢はライターをしながら北海道と東京の2拠点生活を実現することです。

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