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もの・こと  |    2024.02.28

親子で盛り上がる!!保育園主催の節分イベント「お菓子まき@オニ公園」をレポート

2024年2月3日、東京都立川市の錦第二公園(通称:オニ公園)で開催された節分イベント「お菓子まき@オニ公園」に行ってきました!

通常の節分では追い払われる鬼が、未就学児の子どもたちに袋入りのお菓子をまくイベント。日本の伝統行事を取り入れた画期的なイベントを主催するのは、立川市内にある「みらいのたね保育園」です。

「節分イベントに行こう!」と提案した私に、「えー、混んでいて疲れそう…」とあまり乗り気ではない様子の夫。しかし!イベント終了後には「すばらしいイベントだった」「久しぶりに夢中になった気がする」とうれしそうに話していました。

子どもはもちろん、大人も夢中になれるイベントの内容をたっぷりと紹介します。来年も開催が予定されているそうなので、参考にしてみてくださいね。

あのドラマの舞台にもなった「オニ公園」が会場

▲インパクト大!の滑り台は記念撮影にもピッタリ

イベントの会場となったオニ公園があるのは、JR「立川駅」から歩いて6分ほどの場所です。私たちは「ホテル日航立川 東京」近くのコインパーキングに車を停め、歩いて公園に向かいました。

オニ公園は赤い鬼の滑り台がシンボルで、「凪のお暇」をはじめとするドラマや、映画のロケ地にも選ばれています。

出典:立川市「凪のお暇 舞台を巡ろうin立川」

赤い鬼の滑り台は、公園をつくる際に「まちの鬼門を守り、災いを防ぐ」という目的で設置されたそうです。「子どもたちを見守ってくれる、やさしい鬼」として、住民たちから親しまれています。

「福はうち、鬼もうち?!」イベント内容を大公開

正直なところ、子どもが生まれてからはイベントをあまり楽しめずにいた私たち夫婦。「子どもが迷子にならないか」「人混みに押しつぶされないか」「退屈してぐずらないか」など、心配事が多すぎてイベントどころではなかったのが本音です。

そんな私たちも「お菓子まき@オニ公園」は久しぶりに心から楽しめました。ここからは、子連れにうれしいポイントと併せて、会場に到着してからお菓子まきに参加するまでの流れを紹介します。

ポイント1:待ち時間にうれしい「ゆるキャラとの写真撮影」

私たち家族が会場に着いた10時15分ごろには、既に親子連れの行列がズラリと入り口付近まで続いていました。

夫は案の定「これ並ぶのかー」と、げんなりした様子。私も正直「小さな子どもを連れて並ぶのはキツイなぁ」と思いました。

そんなときに登場したのが、立川市の企業「立飛ホールディングス」のマスコットキャラクター「たっぴくん」と「たっぴちゃん」です。

▲ブルーでクールに決めた「たっぴくん」
▲明るいカラーが特徴的な「たっぴちゃん」

なんともかわいいビジュアルのたっぴくん・たっぴちゃんに、「待っていました!」とばかりに子どもたちが駆け寄ります。順番に記念撮影をしてもらっているうちに「かわいいねー」「一緒に撮ろう」など、子どもたち同士が会話をするシーンも見られました。

▲たっぴくんとたっぴちゃんの丸いメガネは、赤とんぼをイメージしているそう

ポイント2:お菓子をまく回数を区切って人混みを緩和

参加者が多かったこともあり、3回に分けてお菓子まきが行われました。さすが保育園主催のイベント、「子どもたちが人混みに押しつぶされないように」との配慮が感じられます。

私たち家族は3回目に参加しました。能登半島地震のチャリティーを兼ねたイベントなので、2回目が行われているうちに募金に参加します。金額は決められておらず、いくらでもOK。募金箱にはたくさんの寄付が集まっていました。

チャリティーを終えると、受付で番号を書いたテープを貼ってもらいます。鬼の面やツノなど、何らかの仮装スタイルで参加した子どもたちには、お菓子のプレゼントがありました。お菓子の家が作れるキットなど豪華なプレゼントに、息子たちもビックリ。

▲お菓子をまく赤鬼も受付に参加。写真を撮ってもらっている親子も♪

受付が終わると番号順にお菓子まきのスペースに案内され、イベントが始まるのを待ちます。子どもたちをお菓子を拾いやすい前方に集め、大人は後ろで見守るスタイルなので、順番に関係なくお菓子まきが楽しめました。

ポイント3:かけ声の意味や、食べる前の注意点を説明

受付をしていた赤鬼が滑り台の上に移動すると、いよいよお菓子まきのスタート!!と思いきや、スタッフからかけ声の由来や、お菓子を食べる際の注意点などが説明されます。

「オニ公園の鬼は、みんなをやさしく見守っているんだよ」「だから、かけ声は『福はうち、鬼もうち』にしましょう」と、事前に説明してもらえるのは親としてもうれしいところ。「ねぇ、なんで『鬼もうち』なの?」と言っていた息子も「なるほどー!」と納得した様子でした。

親目線で「ありがたいなー!」と思ったのは、取ったお菓子の扱い方を説明してもらえたこと。袋に入っているとはいえ、取ったお菓子をそのまま食べさせるのは不安です。

お菓子まきの前にスタッフが「落ちたときに、お菓子が破れたり、土がついたりするかもしれません。必ずおうちの人に確認してから、食べるようにしてくださいね」と伝えてくれたので、お菓子に目のない息子も勝手に食べることなく済みました。

ポイント4:ビッグサイズのお菓子が登場!大人も童心に返って楽しめる

▲子どもたちが集まっている前方を中心に、大量のお菓子がまかれる

10分ほどのお菓子まきでは、地元企業などから寄付された大量のお菓子がこれでもか!というほど投下されました。最初は冷静に見ていた大人たちも、お菓子がバラまかれるにつれて少しずつ必死になっていきます。

両手を伸ばしてお菓子をキャッチする準備をする人や、落ちたお菓子を集中的に狙う人、さすが大人は計画的。夫も例外ではなく「次は片手でお菓子を取ってみせる」と、イベントを楽しんでいる様子でした。

前方にいる子どもたちは、たくさんのお菓子をキャッチ。時折登場するビッグサイズの袋入りお菓子には「おおー!!!」と大人からも歓声が上がり、必死さに拍車がかかります。自分ではなかなか買わない大袋タイプ、ゲットできたときの喜びはひとしおです。

▲息子が大袋をゲット!我が家の戦利品

「みらいのたね保育園」事務局長・石橋由美子さんにインタビュー

▲「みらいのたね保育園」事務局長の石橋さん

イベントで印象的だったのは、とことん親子目線に立った運営です。保育園が主催しているだけあって、小さな子どもも気兼ねなく参加できる雰囲気でした。

子連れで参加しやすい節分イベントには、どのような思いが込められているのでしょうか。「みらいのたね保育園」の事務局長・石橋由美子さんに、節分イベントを始めたきっかけなどを伺いました。

人混みに押しつぶされそう…親子の実体験から生まれた節分イベント

ーー節分イベントを開催するようになったきっかけを教えていただけますか?

石橋さん:子どもが小さいころ、親子で大きな神社の節分イベントに参加したことがあります。しかし、人が多すぎて子どもが押しつぶされるのが怖くて…結局引き返してきました。初詣しかり、日本の伝統的な行事に参加しようとすると、人混みは避けられませんよね。

とはいえ、子どもに日本の伝統行事を伝えていくことも大切だと思います。そこで「未就学児でも安全に参加できる節分イベント」として、今回のイベントを企画しました。

「子どもを育てる親」として被災地の方々に目を向けてほしい

ーーイベントの参加方法を、能登半島地震の復興支援募金への協力とされていましたね。参加方法を募金にした理由をお聞かせください。

石橋さん:1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」の被災者には、幼いお子さんを抱え、避難所生活を余儀なくされている方々もたくさんいらっしゃると聞いています。

今の私たちにできることは、やはり経済的な支援だと思います。イベントを楽しんでいただくと同時に「過酷な状況で生活されている被災者の方々に、少しでも目を向けてもらえたら」と考えました。今回のイベントで集まった5万6,443円は、全額石川県に寄付します。

「より多くの子どもが安全かつ楽しく参加できるイベント」を目指す

▲イベントを盛り上げたスタッフの方々と石橋さん

ーー節分というと豆をまくイメージがあります。なぜ、豆ではなくお菓子をまいたのでしょうか?

石橋さん:消費者庁が、5歳以下の子どもには硬い豆やナッツ類を食べさせないようにと注意喚起しているからです。かむ力の弱い子どもは、のどや気管に詰まらせて窒息する恐れがあるといわれています。硬い豆にはもちろん、節分の豆も含まれます。

出典:Vol.580 硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないで! | 消費者庁

豆をまいて食べるのが節分の醍醐味でもあるのに、豆を口にできないのはつらいでしょう。とはいえ安全第一なので、5歳以下の子どもに豆を食べさせるのは危険です。そこで子どもたちが大好きなお菓子をまくことにしたんです。

お菓子をまく形なら、「豆を食べさせるのは不安」という親御さまでも、安心してお子さんを参加させられると思いました。来年は、お菓子をまくと同時に、自由に選んでいただく形でアレルギー用のお菓子も用意しようと考えています。ぜひご家族そろってご参加くださいね。

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この記事を書いた人

伊藤 サクラ

大阪出身、東京・多摩地域で合計20年近く暮らすフリーライター。累計250以上のインタビュー記事を作成。地道な取り組みをしている方々にスポットライトを当て、地域を、日本を盛り上げていきたいと思っています。第二の故郷・東京多摩の魅力を記事に載せて発信中。

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