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もの・こと  |    2024.05.13

楽器のまち・浜松で無料開催!“ちょっと音楽に触れてみたい”を叶える「オルガンミニコンサート」【前編】

ヤマハ、カワイ、ローランド…世界に誇る楽器メーカーの拠点があり、楽器のまちとして知られている静岡県浜松市。
市内のいたるところで音楽イベントが開催される音楽のまちでもあります。

今回ご紹介するのは、浜松駅前にあるアクトシティ浜松の中ホールで、定期的に開催されている「オルガンミニコンサート」。
なんと、プロのオルガニストが弾くパイプオルガンの音色を、無料で楽しめる貴重なコンサートなのです。

クラシック音楽と聞くとハードルが高そうなイメージがありますが、取材してみると気軽に立ち寄れるよう気配りに満ちたコンサートだとわかりました。

前編と後編に分け、オルガンミニコンサートの様子と、主催者からお伺いしたコンサートの魅力をお伝えします。

全身に降り注ぐ音を楽しむ「オルガンミニコンサート」

夏日になると予報が出ていた4月19日(金)、静岡県浜松市のアクトシティ浜松中ホールで開催された「オルガンミニコンサート」は、

・入場無料
・公演はお昼の20分間
・演奏中でも出入りOK
・乳幼児からお子さん大歓迎

という珍しいコンサートです。

他のクラシックコンサートとは一味違うオルガンミニコンサートの様子をレポートします。

会場は駅前のシンボル「アクトシティ浜松」

アクトシティ浜松は、今年開館30周年。浜松駅の北東に位置し、浜松のシンボルとして親しまれている施設です。
市内の学校や団体の定期演奏会はもちろん、国際的な音楽コンクールの会場としても使われるコンサートホールを有しています。

今回のコンサートで主役となるパイプオルガンがあるのは中ホール。
浜松駅から徒歩10分ほどと、アクセスの良い場所にあります。

中ホール入り口

12時10分開場ですが、入り口近くには20分前からすでにお客さんが列を作っていました。
スタッフが “最後尾” のプラカードを持ち、整理を行うほどの盛況ぶり。
時間が経つほどに列は長く伸びていきます。

ひとりで来ている方もいれば、友人と一緒に、ご夫婦で、親子で、とさまざまです。
抱っこ紐でまだ1歳ほどのお子さんを抱えているお母さんの姿や、スーツ姿の男性も見られました。

服装もパーカーにジーンズなど、ラフな格好が多い印象です。
肩肘を張って行くのではなく、ふらっと立ち寄れるコンサートであると感じ取れます。

中ホール正面で存在感を放つパイプオルガン

開場して中ホールへ足を踏み入れると、目に飛び込んでくるのが正面にあるパイプオルガン。
まずその大きさに圧倒されました。
このパイプオルガンからどんな音色が奏でられるのか、期待が膨らみます。

天井からはシャンデリアがつり下がり、ホール内にはたくさんの木材が使われていました。
非日常の世界に来たとひしひし伝わってくるのに、どこか落ち着く不思議な雰囲気です。

席は完全に自由なので、誘導はありません。
2階席は解放されておらず、1階の席に座ります。
様子を見ていると、中央やや後ろ寄りから席が埋まっていきました。

お子さんがぐずったり泣き出したりするのが心配なお母さんには、2階に “親子鑑賞室” が準備されています。

左右の窓が親子鑑賞室

ボックス席となるため、生音ではなくスピーカーからの音になってしまいますが、周囲に気を遣わずコンサートを楽しめるのは嬉しいですね。

パンフレットに載っているプログラムを確認している間にも、どんどん席が埋まっていきます。
12時30分、ホールの照明が落とされ、拍手とともに入場したオルガニストが演奏台の前に座れば、いよいよコンサートの始まりです。

音を全身で浴びる20分間

写真撮影のため、筆者は特別に2階から鑑賞

1曲目の第1音で全身に鳥肌が立ちました。
いくつもの音が重なり、空から音が降り注いでくるような感覚に襲われます。

耳で聴いているというよりも、全身で音を浴びているよう…
高い音は軽やかに、低い音は重厚に響き、圧倒的な音の奔流が聴く人の心を揺さぶります。

今回の演目は、それぞれ雰囲気の異なる3曲。
テンポよく進んでいきます。

2曲目グリーンスリーブスでは光による演出も

名残惜しい気持ちとともにホールに余韻が溶けていくと、コンサートは拍手に包まれました。
残響さえも美しい!

20分という短い時間でしたが、パイプオルガンの荘厳な音色に圧倒された、とても濃厚なコンサートでした。

来場者の声

コンサート終了後、来場者の方々にお話を伺いました。

お子さんを抱えたお母さんは「私自身音楽が好きで、子どもにも聴かせたかったから来ました」と話します。

「今回初めて聴きに来ました。前から開催していることは知っていたのですが、なかなか聴きに来られなくて…」とのこと。
定期的に開催されるオルガンミニコンサートは、ホームページやX(旧Twitter)でも開催を知らせてくれます。
「今回はダメだったけど、また次回行ってみよう」と来やすさに繋がっているのですね。

他にも、

  • 無料でコンサートを聴きに来られる機会はめったにないので嬉しい
  • パイプオルガンの迫力がすごかった

とのお声をいただきました。

第113回のコンサートではありませんが、X(旧Twitter)でも来場者からの感想が投稿されています。

服装は自由、難しいルールもなく、子ども連れで本格的なパイプオルガンの音色を無料で楽しめる「オルガンミニコンサート」。
クラシック音楽のハードルがぐっと下がりました。

気軽にクラシック音楽に触れてほしいという願いは、主催している浜松市文化振興財団がコンサートの開催にあたって大切にしている想いです。
後編では、浜松市文化振興財団の青木さんからお伺いした、パイプオルガンやコンサートの魅力をお伝えします。

オルガンミニコンサート今後の予定
  • 第114回 2024年7月11日(木)12:30~12:50
  • 第115回 2024年8月14日(水)14:00~14:30

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この記事を書いた人

中村 ことは

パン職人ライター。趣味は旅行・神社仏閣巡り・着物。 歴史が感じられるものや場所、職人の技がきらりと光る工芸品も大好物です。 静岡県西部を中心に、私だからこそ紹介できる魅力を発信していきます。

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