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もの・こと  |    2024.05.12

いつの日か、このまちでフェスを開催したい!田舎暮らしJAZZシンガーの夢

うたごえキッズの10周年イベント(画像出典:Facebook)

「いつか、このまちでフェスを開催したいです。壮大な夢ですが……」

そう語るのは、滋賀県長浜市余呉町在住のJAZZシンガー木原鮎子さん。自身はプロのJAZZシンガーとして活動するかたわら、年代ごとに『うたごえキッズ』『ココオト』『楓グループ』の3つのグループレッスンと個別指導を行っています。

今回はJAZZシンガーの木原さんに、3つのグループレッスンの特徴や魅力を伺いました。

3歳から中学生までが所属する『うたごえキッズ』

『うたごえキッズ』は3歳から中学生までが参加するコーラスグループです。2023年には10周年を迎えました。幼児クラスと小中学生クラス、英語の歌を歌うクラス、ソロシンガーを目指すクラスの4つで、現在のメンバーは約50名。地元の長浜市内だけでなく、敦賀市(福井県)、米原市、彦根市などからも参加しています。

多くの子どもたちが時間をかけてまで通う『うたごえキッズ』には、どのような特徴があるのでしょうか。

一人ひとりの歌い方を大切にするコーラスグループ

キッズアートフェスティバルにて(画像出典:Facebook)

『うたごえキッズ』はコンクールを目標としたレッスンではなく、歌を楽しみ一人ひとりの歌い方を大切にするレッスン内容です。一般的な合唱では声質を合わせますが、『うたごえキッズ』ではわざわざ声質を合わせることはありません。

「私自身がシンガーというのもありますが、その子の歌がもっと輝けるようにと思いながらレッスンをしています」

JOINT CONCERT2023の様子(画像出典:Facebook)

木原さんは個を大切にしつつ、それぞれが歌を楽しむことにこだわり続けています。とくに、小中学生クラスのソロパートは子どもたちの自信と成長につながり、木原さん自身の喜びにもつながっているとのこと。

「今まで、絶対にソロなんかやらないと言っていた子が、ある日突然『ちょっとソロをやってみたい』と言ってきたことがありました。レッスンをしていると、子どもたちの成長を肌で感じられるのが嬉しいですね」

『うたごえキッズ』はプロの音楽に触れられる

今西佑介セクステットとのセッションライブのチラシ

『うたごえキッズ』では、通常のレッスンだけでなく、プロのミュージシャンと共演することもあります。2024年5月19日(日)には、NHK連続ドラマ小説「ブギウギ」に出演していたジャズバンド「今西佑介セクステット」とのセッションが開催されます。

子どもたちには、本物に触れてもらいたいとの願いから開催しているイベントです。

『うたごえキッズ』の詳細情報

『うたごえキッズ』の詳細は下記のとおりです。

子育てママが中心のコーラスグループ『ココオト』

『ココオト』はお子様連れで参加できるコーラスグループ

『ココオト』は子育て真っ最中のお母さんたちが中心になったコーラスグループです。うたごえキッズに送迎しているお母さんも多く在籍しています。

子育て中や社会ではストレスが蓄積されることも少なくありません。ストレス発散に最適な方法が、大きな声を出したり、歌を歌ったりすることです。しかし、一般社会では声を出す機会は少なくなります。とくに子育て中は孤独を感じる方も多いかもしれません。

『ココオト』では、大きな声で一緒に歌い、ハモることもできます。心地よい歌声に癒やされることも可能です。

心配なのは、レッスン中のお子さんではないでしょうか。安心してください。『ココオト』はお子様連れで参加ができます。

『ココオト』の詳細は下記のとおりです。

平均年齢75歳のパワフルなコーラス『楓グループ』

パワフルで年齢を感じさせない『楓グループ』のメンバーたち(画像提供:木原さん)

『楓グループ』は地元のおばあちゃんたちが集まったコーラスグループです。平均年齢は75歳なのに、年齢を感じさせないパワフルな歌声が魅力。笑いながら楽しくレッスンをしています。

『楓グループ』ではデイサービスセンターや地元の文化祭などにも参加しているため、地元では人気のコーラスグループです。

『楓グループ』の詳細は下記のとおり。

日常に溶け込んでいる音楽は生活に必要

個人レッスン生の発表会にて(画像出典:Facebook)

コーラスグループや個人レッスンは、ずっと活動を続けられたわけではありません。コロナ禍においては、一切の音楽が禁止されたような状態でした。

「まず、施設が使えなくなってしまったために音楽どころではありませんでした。すべてのレッスンも中止せざるを得ない状況です。音楽は人々の生活には必要が無いものだと、真っ先に切られました。もちろん、何の保障もありません」

元気いっぱいの『楓グループ』のメンバーたち(画像提供:木原さん)

新型コロナ感染症が落ち着き、それぞれのレッスンが再開され鮮やかな色を取り戻したとき、多くのレッスン生からは感謝の言葉を述べられたそう。木原さんは、日常に溶け込んでいる音楽は生活に無くてはならない必需品だと再認識します。

ドイツの詩人ツェーザル・フライシュレンが「くちびるに歌を持て」と言ったように、歌は多くの人を勇気づけ奮い立たせる、心のよりどころです。

いつの日か余呉でフェスを開催したい

JOINT CONCERT2023の様子(画像出典:Facebook)

とくに大きな夢は無かったと語る木原さん。ただ、木原さん自身は情報発信が苦手なため、もっと多くの人に『うたごえキッズ』の活動を知ってもらいたいと言います。そのうえで、新たな夢を語ってくれました。

「余呉でフェスを開催したいと思っています。じつは、『うたごえキッズ』の10周年イベントでは小さなフェスのような感じでマルシェとライブを開催しました。出演者は『うたごえキッズ』の子どもたちと『ココオト』『楓グループ』のメンバーだったのですが、とても楽しかったので、いつかはフェスを開催できればいいと思っています」

『うたごえキッズ』の10周年イベントでは、300人以上の来場者に驚いたと言います。不便な田舎でも人は来てくれると確信した瞬間だったとのこと。ただし、野外フェスは天候に左右されるため、企画自体が難しいと難色を示しつつも楽しそうな表情です。

いつの日か、余呉で大きなイベントが開催されることを期待しています。

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この記事を書いた人

のがわ

滋賀県担当のアラフィフライター「のがわ」です。地元の滋賀県や隣県の福井県に関する情報をお届けします。趣味の剣道は練士七段ですが、試合は中学生にも負けるレベルです。色々な地域に出稽古に行き、出会った方々の物語や観光情報などを記事にします。

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