Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンをキュレーションする地方創生メディア

もの・こと  |    2024.07.04

笑顔の循環を生む「こども食堂」| 金沢の「Smiley kitchen ごはん」

少子高齢化が進む中、地域コミュニティの活性化が課題となっています。その一翼を担う「こども食堂」の活動は、こどもたちの居場所づくりを通じ、世代を超えた交流の輪を広げる場所です。金沢市のこども食堂「Smiley kitchen ごはん」では、食を軸に人々が集う場所を提供しています。

こども食堂「Smiley kitchen ごはん」のはじまり

こども食堂「smiley kitchen」のはじまり

金沢市額新保にあるこども食堂「Smiley kitchen ごはん」は2021年5月にスタートしました。元々飲食店を営んでいた代表の安藤さんが、知人が小松市でこども食堂を運営していることを知り、手伝いに行ったことがきっかけです。その後、新しい出会いが次々と訪れ、自分でも始めてみる決心に行き着いたそう。

こども食堂「Smiley kitchen ごはん」の調理は、入ってくる食材次第でメニューを工夫します。それがこども食堂ならではの楽しみだそうです。「自分の中ではブレずに軸を維持し続けています。いつも、支えてくれる人が現れるのが不思議です」と代表の安藤さんは笑顔を見せます。

食を通じた多世代交流の場

こども食堂「smiley kitchen」の夕食会はカレー

事前予約制で、月2回ずつお弁当の配布とこども食堂での夕食会の開催が「Smiley kitchen ごはん」のスタイルです。

料金は児童や生徒は無料、大人は500円で参加可能です。お弁当配布時は、80食のお弁当に、160人以上が並んだときもあったそうで、現在は時間をずらし混雑を避けて配布しています。夕食会は初回のカレーが好評だったため、毎回カレーが定番メニューです。

「smiley kitchen」は学習の場にも活用

「Smiley kitchen ごはん」は、近所の高校生や大学生ボランティアと協力し、勉強会の場も設け、こどもの成長を見守れる居場所づくりにも力を入れています。代表の安藤さんが大切にしているのは、世代を超えた「つながり」です。誰もが気軽に集えるようスタッフのみなさんは、とても気さくで親しみやすい方ばかり。「こどもから社会人まで立場に関わらず、フラットにつながれる場所がこども食堂なんです」と安藤さんは言います。

音楽やイベントで子どもの可能性を伸ばす

「smiley kitchen」のイベント「お花見会」

「Smiley kitchen ごはん」では、学習支援のほかにプログラミング教室、お花見会などさまざまなイベントを企画、運営しています。安藤さんは以前音楽イベントの企画に携わっていた経験を活かし、今後はファッションショーや音楽ライブの開催も企画予定だそうです。「こどもが音楽に触れ合える機会を作りたいです」と話されていました。

お祭り感覚で世代を超えた交流を生み出すことで、地域の活力になることが「Smiley kitchen ごはん」の目指すスタイル。今後は、今までの花火大会やクリスマス会などをさらにパワーアップする予定です。

いまの日本のこども食堂事情

いまの日本のこども食堂事情

2023年12月時点で、日本全国には9,132か所(※)のこども食堂が存在しています。この数は全国の小中学校とほぼ同じ数です。ここ数年で急増した背景には、こどもの相対的貧困問題の深刻化があります。

調査によると、困窮世帯ほどインスタント食品の利用率が高く、栄養の偏りが危惧されています。そうした中で、栄養バランスを考えた手作り料理を低価格で提供するこども食堂が、こどもの食生活を支える大きな力といえるでしょう。

一方で、運営面での課題も少なくありません。年間30万円未満の運営費でやりくりしているところが7割近くを占め、スタッフ不足や会場確保の問題も深刻です。しかし行政の支援体制も整備されつつあり、運営団体や地域住民、企業らによる取り組みも広がっています。
※参考:PR TIMES|【確定値】2023年度のこども食堂数は「9,132箇所」

こども食堂を支えたいと思った私たちにできること

こども食堂を支えたいと思った私たちにできること

では、私たち一人ひとりが、こども食堂を支えたいと感じたときに、どんなことができるでしょうか。 まずは身近な地域で活動を知ることから始められます。ボランティアスタッフとして調理や学習支援を手伝うのはもちろん、運営費や食材の寄付など、協力できることはさまざまです。

寄付を検討する際は、個々のこども食堂や食品ロスの削減にも尽力する各種団体への支援が有効でしょう。世界規模の取り組みを視野に入れながら、私たちにできることから応援したいですね。

まとめ|こどもの笑顔あふれる「こども食堂」

食を通じた多世代交流の場

食べることは生きる基盤です。こども食堂は、こどもたちが安心して温かい食事が食べられる場所を提供するだけでなく、多世代交流の輪を広げ、地域コミュニティの絆を深める役割も担っています。

一人ひとりができることから取り組み、みんなで支え合う。こども食堂は、そんな「笑顔の循環」を生み出しています。

団体名:笑顔のこども食堂ネットワーク〜GOHAN〜

代表:安藤 俊也

所在地:〒921-8148 石川県金沢市額新保1丁目341

電話番号:076-296-5858 090-3885-0963

寄付金口座 :北國銀行野々市支店 普通 89449

口座名:笑顔のこども食堂ネットワーク GOHAN

公式HP:https://www.smileykitchengohan.com/

Facebook:https://www.facebook.com/smiley.kitchen.gohan

記事をシェアする

この記事を書いた人

松永 つむじ

プロライターチーム「TSUMUJI Writing Studio」代表。車好きの先生Webライター&エディター|愛車はスイフトスポーツMT|Lancers 認定ランサー|元予備校講師|フリーランス| 執筆ジャンル:車、旅行、英語、教育、学習、生活、恋愛、家庭など| 女性の自立応援のひとつとして、「ライター」という働き方を紹介し、育成する活動も行っています。

関連記事