Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンをキュレーションする地方創生メディア

もの・こと  |    2024.08.05

かつらぎ夏まつりで楽しむ大輪の花火|悠久の歴史を持つ大和街道を舞台に

和歌山県かつらぎ町では、2024年8月17日(土)に、かつらぎ公園グラウンドにて「かつらぎ夏まつり」が開催されます。舞台となるのは、大和街道を中心に栄えた妙寺地区。

打ち上げ花火や盆踊りといった夏の風物詩はもちろん、ダンスの発表などが予定されており、思い出の1ページにぴったりなイベントです。この記事では、2024年度かつらぎ夏まつりの概要とともに、祭りの舞台となる妙寺の歴史を紹介します。

かつらぎ町とは

かつらぎ町は、北に和泉山脈、南に紀伊山地を望む風光明媚な土地で、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、農業が基幹産業となっています。柿をはじめとする果樹栽培が盛んで、フルーツ王国として知られています。一方で、食料品や繊維製造業など地場産業も発達しています。また、アニメ「君の名は」のモデルと言われる町役場や、世界遺産の丹生都比売神社など、観光資源も豊富です。自然の恵み、歴史と文化、産業が調和した、味覚と心の体験が楽しめる魅力的な町なのです。

紀ノ川両岸から打ち上げられる大輪の花火は圧巻

かつらぎ夏まつりでは花火のほか、町民によるダンスステージや盆踊り、屋台グルメなど、熱気あふれる企画が盛りだくさん。昨年、4年ぶりに開催された同まつりでは、約15,000人もの来場者で賑わいました。

夏まつり後半には、約2,000発もの大輪の花火が夜空を彩ります。花火は紀ノ川の両岸から打ち上げられ、まるで真上から降り注ぐように見えるため、圧巻の迫力です。

昨年に引き続き、三陸花火競技大会2022で優勝した花火師が花火を手がけます。

大阪駅からかつらぎ町までは、電車で約1時間40分。夏まつり会場である「かつらぎ公園グラウンド」は、JR和歌山線 妙寺駅から徒歩約3分の距離です。妙寺駅からグラウンドまでは直線移動できるので、道に迷う心配もありません。

かつらぎ夏まつりで、思い出に残る夏のひとときを満喫してください。

かつらぎ夏まつりの情報

日時:2024年8月17日(土)17時30分~
※荒天時は18日(日)に順延(順延情報はかつらぎ町公式HPや公式LINEにてお知らせします)
打ち上げ花火開始:20時30分頃を予定
場所:かつらぎ公園グラウンド
※JR和歌山線 妙寺駅から徒歩約3分
※近隣に駐車スペースがないため、公共交通機関をご利用のうえお越しください

高野参詣の交通を担う架け橋として栄えた「妙寺」

かつらぎ夏まつりの舞台である「妙寺」は、国道沿いに警察署や消防署、裁判所、病院などの公的施設が集まる市街地です。かつらぎ町東部に位置し、和歌山と吉野、伊勢神宮を結ぶ旧大和街道(伊勢街道)が走ります。

妙寺の旧大和街道筋には、宿場町を思わせる古い町並みが残されていました。ただし、大和街道の正式な宿場町ではなく、街道に沿って発達した街村だったようです。

高野山の表参道は、古くから現在の和歌山県九度山町は慈尊院から始まる「町石道(ちょういしみち)」でした。しかし、平安期頃からは、紀ノ川を挟んだ妙寺の対岸・三谷から町石道へ通ずる「三谷坂(三谷路)」の利用が盛んになります。

理由は、三谷坂は急勾配だったものの道が整備されていたこと。さらに、高野山まで最短ルートであり、天皇陛下から派遣された多くの要人が利用するようになったからです。同ルートはやがて「勅使坂」とも呼ばれるようになりました。

一方、三谷坂の入口である紀ノ川対岸の妙寺には、現在の大阪府河内長野市・滝畑を経て、蔵王峠を越える高野街道のルートがありました。妙寺は大和街道と高野参詣道の交差地点として、紀ノ川に舟を渡し、行き交う人々の交通を担っていたようです。

現在は妙寺・三谷間には三谷橋が架かっています。

かつらぎ町「妙寺」の古い町並みを散策

旧大和街道沿いには古い家並みが残っており、大半が立派な旧家のようです。ひっそりとした街道を歩くと、大きな庭園や門を持つ本瓦葺きの屋敷や土塀などが臨めます。しかし、中には荒廃した空き家も多々見られます。

建物の多くは養蚕・製糸業で栄えた明治・大正期頃の商家と想定されますが、町の繁栄は昭和恐慌により衰退の一途を辿りました。ただ、現代でもかつらぎ町では地場産業として、伝統的な繊維製品に関する製造業が営まれています。

栄華の面影残る景観は、今後いつまで残されるのでしょうか。

町並みの最寄り駅は、妙寺駅から1駅のJR和歌山線 中飯降駅です。妙寺駅から徒歩では少し遠いものの、中飯降駅からは徒歩5~10分の場所なので、ぜひ足を延ばしてみてください。

歴史ロマンの詰まったかつらぎ町を満喫しよう!

かつらぎ夏まつりの内容と、妙寺の歴史について紹介しました。大和街道(伊勢街道)や高野参詣道が交わり、 行き交う人々の架け橋となった妙寺地区。紀ノ川両岸から打ち上がる花火を楽しみながら、悠久の歴史に思いを巡らせてみるのはいかがでしょうか。

かつらぎ町は、今回紹介した夏まつりや妙寺地区の歴史のほか、世界文化遺産や日本遺産、世界かんがい施設遺産など、見どころがたくさんある町です。フルーツ栽培も盛んなので、フルーツ狩りも楽しめます。夏まつりをきっかけに、ぜひかつらぎ町の魅力に触れてみてください。

記事をシェアする

この記事を書いた人

ヨシルミ

和歌山出身、大阪在住のヨシルミです。推しは猫と息子の30代。フリーランスライターとしてSEO記事をメインに執筆しています。地方の魅力を多くの方に知ってもらい、訪れるきっかけ作りのお手伝いができればと思っています。

関連記事