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もの・こと  |    2024.08.12

【ナツメミヤビ】伝統と現代の融合:着る人だからこそわかる気持ちに寄り添った着付け|石川県 金沢市

金沢市で着付け教室「ナツメミヤビ」を営む着物講師・着付け師の上濃雅子さんは、伝統的な和装文化を現代に合わせて再解釈し、地域の活性化に貢献しています。自身の経験を活かし、着物を通じて人々に新たな魅力を伝える上濃さんの取り組みを取材しました。

ナツメミヤビのある金沢市はどんな街?

子どものころから親しんだ浅野川のほとりは和の街

ナツメミヤビのある金沢市は、伝統的な日本文化や名所が豊富な街です。「小京都」とも呼ばれ、古くからの町並みや歴史的な建造物が残るほか、美しい庭園や寺院、城などがあります。

また、金沢は金箔や九谷焼などの伝統工芸の地域としても有名です。食文化も盛んで、新鮮な海産物や地元の食材を活かした料理が楽しめるレストランや市場も多くあります。

逆境を乗り越えて見つけた新たな道

縁を感じる珠姫様が祀られる天徳院は心のよりどころ

上濃さんが着物の道を歩み始めたのは、2015年のこと。それまでインテリア商社で中間管理職として勤務していましたが、幼くして見送ることになった娘さんの死をきっかけに、自分の生き方を見つめ直し、新たなキャリアを模索したことがはじまりです。

現在は自宅と金沢市のお隣である野々市市の教室で着付けを教えるほか、フリーの出張着付け師として活動しています。出張着付けサービスや着物に特化したパーソナルカラー診断、クローゼット診断も行っています。

「困難な状況から始まったキャリアチェンジでしたが、今では楽しみながら仕事ができています」と上濃さんは語ります。着物を通じて人々に喜びを与えられることが、彼女にとって大きなやりがいとなっているようです。

時代に合った着物の魅力再発見

色彩学に基づいたコーディネートレッスン

上濃さんの教室には、20代から60代まで幅広い年齢層の女性が通っています。子育てが一段落し、自分自身と向き合う時間が増えた方や、洋服選びに悩むようになった40代以上の方、譲られた着物をワードローブとして着てみたくなったという方が増えている気がしますとのこと。

「着物はどなたでもその人らしい着姿、色合わせでスタイルよくセンス良く着こなすコツがあります」と上濃さんは言います。彼女の教室では、単に着付けを教えるだけでなくコーディネート講座やパーソナルカラー診断、着姿のブラッシュアップレッスンなどプラスアルファのコンテンツを提供しています。普通の着付け教室とは異なるオリジナルな内容から、生徒さんたちは自分に似合う着物姿を見つけ、新たな自信を得ることができるのでしょう。

着物を軸に地域の伝統工芸を応援

コーディネート性を考えたパーソナルカラー帯揚げを和の伝統色でデザイン

金沢は、九谷焼や加賀友禅など、多くの伝統工芸品で知られる地域です。上濃さんは、この豊かな文化資源を活かし、新たな価値を見出す活動もしています。

すでにオリジナルの帯や帯揚げなどを企画し販売展開している上濃さんですが、金沢ならではの地域を視野に入れて次のように話します。「地域に根付く素晴らしい伝統工芸品、作家さんをもっと応援していきたいのです」

「工芸品は手の届きにくい高額なアイテムとワンコイン的なお土産、この両極端が多い気がしています。日々着物を着るリアルユーザーであり、工芸好きであり、パーソナルカラーアナリストでもある視点を生かして、大人も満足できる日常使いの新たな価値あるアイテムをもっと提案していけたら」と上濃さんは語ります。

着姿・着心地・色合わせが街を彩る

着せる、教える、魅せる

上濃さんは、着姿と着心地にこだわった新しいスタイルの着物レッスンも始めようとしています。

「整う着付けレッスン」と名付けたこのコンテンツは、一般的に別の技術と思われている「自装(自分で着る)」と「他装(人に着せる)」をうまく組み合わせた新たなスタイルのレッスンです。

「例えていうと定期的に整体に通う感じ。解説しながら私が着せていくことで、紐の絶妙な締め心地やポジションが分かり、身体が整う着心地を体感できます」と、上濃さん。

また、上濃さんは次のように説明してくれました。

「着付け師や美容師さんの細部を細かく触る他装の手順とは全く違うので、ご自身が必ず再現でき、レッスン後の生徒さんの着姿・着心地が毎回ぐんとアップします。ナツメミヤビの生徒さん方が楽そうに綺麗に着ていると言っていただけるのはこのレッスンの効果だと思います」

「ただ着物を着ているだけで素敵」というところから、着姿、着心地、色合わせにも目を向けて、もっと楽に素敵に、日常やビジネスの場でも自信をもって着られる人が増えれば、着物が似合うと言われる金沢の街づくりにも貢献できると考えているそうです。

さらに、観光客向けの着付けデモンストレーションも計画中です。兼六園近くの和風スペースで、外国人観光客も含めた幅広い層に向けて、着物の魅力を発信する予定です。観光都市金沢ならではのイベントに、インバウンドのニーズもさらに高まることでしょう。

まとめ|これからのナツメミヤビは

人、モノ、コトを着物を軸につなげていきたい

上濃さんの取り組みは、伝統文化を現代のニーズに合わせて再解釈し、新たな価値を創造する地方創生の好例といえるでしょう。着物を通じて個人の魅力を引き出し、地域の伝統工芸との連携を図ることで、金沢の文化的魅力をさらに高めています。

「着物がもっと身近な存在になり、地域の人々が活き活きと過ごせるお手伝いができたら嬉しいです」という上濃さんの言葉には、地域への深い愛着が感じられます。彼女の活動は、金沢の新たな魅力を創出し、地方創生の一翼につながることでしょう。

ナツメミヤビ
公式HP:https://www.natsumemiyabi.com/
代表:上濃 雅子

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この記事を書いた人

松永 つむじ

プロライターチーム「TSUMUJI Writing Studio」代表。車好きの先生Webライター&エディター|愛車はスイフトスポーツMT|Lancers 認定ランサー|元予備校講師|フリーランス| 執筆ジャンル:車、旅行、英語、教育、学習、生活、恋愛、家庭など| 女性の自立応援のひとつとして、「ライター」という働き方を紹介し、育成する活動も行っています。

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