「ベトナムフェスタin神奈川2024」が、2024年9月7、8、9日の3日間に渡って開催されました。
このイベントは、神奈川県とベトナム(漢字では越南と表示)両地域の相互理解を深め、将来に渡る両地域の継続的な成長と発展が目的とされています。
ベトナムの文化や魅力を存分に感じられる多くのプログラムが準備されているのが特徴です。
未来へ向けて、神奈川県とベトナムとの交流や絆がより深まっていくことを目指しているのが「ベトナムフェスタin神奈川」なのです。
今年もベトナムフェスタが開催されました
2015年から始まったこの取り組みは、これまでに8回開催されています。
コロナ禍であった2020年、2021年には開催されませんでしたが、すでに10年間続くイベントとして、横浜市を中心とした神奈川県内や東京都からも、一般参加者が訪れるイベントとして周知されているほどです。
第1回のベトナムフェスタin神奈川を開催するにあたっては、すでに多くのベトナム国籍の方々が暮らしており、留学生も多数受け入れているという背景がありました。
“ベトナムをもっと身近に感じて欲しい”という観点から始まったイベントです。
(引用:2015年ベトナムフェスタin神奈川パンフレット)
さらに日越の絆を深めたプログラムを紹介
筆者は最終日の9日にイベントへ参加しました。
筆者が撮影した画像を通じて、このイベントの盛況具合と、いかに交流や絆が深められていたかがお伝えできれば幸いです。
アオザイショー
直訳すると、「長い上着」を意味するのが“アオザイ”です。
アオザイは「ベトナムの美の象徴」のひとつとされ、そのシルエットの美しさから「世界で最も美しい民族衣装」として知られています。
現代のベトナムでは、老若男女に愛され、結婚式やイベントの正装として着られるようです。
今回のベトナムフェスタin神奈川2024では、伝統的なデザインのものから最新のデザインまで、様々なアオザイが集められました。
アオザイを一目見たいと集まった日本の方々で賑わい、多くの方がシャッターを切って記録に残そうとしていた姿が印象的でした。
アオザイショーを通して、ベトナム文化の魅力に触れることができた、と感じています。
ベトナムの遊び「竹遊び」
現地では“ムア・サップ”と呼ばれていて、伝統的に行われている踊りですが、現在では遊びとなっています。
2本の竹竿を向かい合った2人で持ち、リズムに合わせて竹竿を打ち下ろしながら、幅を狭めたり広げたり。
参加者は広がったタイミングを見計らい、つまずかないよう飛び跳ねて通り抜けていく、というものです。
当日、この遊びが始められたタイミングで、筆者はたまたま近くに居合わせており、小さいお子さんやベトナム人の方々が参加している姿を動画に収められました。
大変楽しそうに体を動かしている様子が見受けられます。
特に難しい動作は無いため、気軽に参加できるのが「ムア・サップ」の特徴で、この遊びを通じて交流が深められていると感じました。
横浜よさこい祭り
横浜よさこい祭りでは、合計6チームがパフォーマンスしてくれましたが、このプログラムでは「国際交流チーム」のパフォーマンスに注目しました。
“みんなで仲良くよさこいを踊って、交流を図りましょう”という目的で編成されたチームと伺っています。
まずは、メンバー構成の紹介からご覧下さい。
確実に、交流と絆を深められていることが見受けられますね。見ているこちらが少し照れてしまうくらいの若々しいカップルでした。
では、パフォーマンスをご覧下さい。
パフォーマンスの全てを収めることはできませんでしたが、楽しそうに踊っている姿は収められたと確信しています。
また、横浜よさこい祭りの公式Xにも、当日の様子が投稿されておりました。
ベトナムフェスタin神奈川での目的のひとつとされている、“交流や絆を深める”ことに大きく貢献しているプログラムだと、筆者は感じました。
ベトナムと日本の関わり合い
ここで、現代までのベトナムと日本の関わり合いについて触れたいと思います。
古くは、17世紀初頭に朱印船貿易のためにベトナムに渡った長崎の商人「荒木宗太郎」と、当時のベトナムを支配していた国王の娘、玉華姫が運命的な恋に落ちた物語から始まります。
結婚し、生涯を長崎で過ごした玉華姫は「アニオー姫」として親しまれたそうです。
この、ベトナムと日本を跨ぐ愛の実話を基に、日越外交関係樹立50周年を記念して、新作オペラとして制作され、2023年に世界初演と日本プレミア公演が開催されました。
詳細はこちら:オペラ「アニオー姫」公式HP
史実をモチーフに、日越の交流の歴史は古(いにしえ)より続いており、当時から互いが尊敬し合える関係であったことが描かれている作品です。
朱印船貿易の時代、中部ベトナムの都市“ホイアン”には日本人町が作られ、数百人の日本人が居住していたそうです。その後、日本は鎖国時代に入ります。
ベトナムでは1955年に「ベトナム戦争」が勃発、約20年間の長い戦争時代が続きました。
ベトナム戦争が終わりに差し掛かった1973年、日本とベトナムは外交関係を樹立し、ベトナムからは原料となる天然ゴム・塩・けい砂・非鉄金属などが輸入され、日本からは機械製品・繊維製品・化学製品などが輸出されたそうです。
その後両国間の貿易パートナシップは強固なものになり、2000年にはベトナムにとって日本は最大の輸出国になりました。
さらには、平成26年(2014年)からは、ベトナム人看護師・介護福祉士の受け入れもスタートしてます。
互いの経済成長に合わせ、時代に沿ったテクノロジーや人材を交流させることによって、より”絆”が深まっているものと感じられます。
ベトナムフェスタin神奈川2024を振り返って
ベトナム文化と魅力を存分に味わうことができた「ベトナムフェスタin神奈川2024」。
10年に渡る取り組みにより、“ベトナム”に親近感を覚える方々が増えたのではないでしょうか?
筆者の身近にも「去年行けなくて今年やっと行けました」「今日家族が行っています」などの声を聞くことができました。
今後も、日越両国ならびに神奈川県とベトナムの未来へ向けての交流と絆が深められ、さらに楽しめる貴重なイベントとして継続されることを希望します。
ベトナムを身近に感じ、楽しく美味しい「ベトナムフェスタin神奈川2024」でした。